教育学研究科
7/24

5 学校教育専攻は、本大学教育学部教育学科の3専修(教育学専修、生涯教育学専修、教育心理学専修)および初等教育学専攻を母体としてカリキュラム配置を行い、より高度な専門的力量を備えた初等・中等教育学校の教員養成・研修ならびに生涯教育の専門家養成を基本的な使命とする専攻です。 したがって、本専攻は、学校あるいは社会における教育現場の要請に応じうる人材の育成、ならびに現職教員の研修とその理論的研究をねらいとしています。そのために、カリキュラムは、教育実践と教育理論の密接な連携を考慮して組まれており、より高度な教育学的専門知識の涵養はもとより、教育現場での諸課題への対応と展望がはかられるよう、演習、研究指導等において工夫がなされています。また、講義には、他専攻の大学院生も参加して教育学的学識を深めるよう履修要項が定められています。 教師教育を主目的の一つとする本専攻は、学校教育に関する実践的・理論的な専門科目が重点的に配当されているところに特色があります。学校教育専攻教育学研究指導教育哲学研究指導教育内容・方法研究指導学校経営学研究指導教育行財政学研究指導教育工学研究指導初等教育学研究指導初等教育学研究指導初等教育学研究指導初等教育学研究指導発達・教育心理学研究指導臨床心理学研究指導教育評価・測定研究指導障害・神経心理学研究指導学校心理学研究指導特別支援教育学研究指導教育社会学研究指導社会教育学研究指導社会教育学研究指導社会教育学研究指導社会教育学研究指導生涯教育学研究指導科目名担当教員研究指導内容J.デューイを中心にアメリカのプラグマティズムの教育思想と教育理論を学ぶ。教育課題の解決のためにとるべき思考の手順について、認識を磨くことを主眼に指導する。学校等の諸実践を、「カリキュラム」という視点から検討する。学校経営や教育改革をめぐる諸課題と臨床的に向き合い「場」を豊かにする理論を構築する。公教育の組織と運営をめぐる統制と責任に関する研究。教育過程をシステムとし、要因を分析し最適化を目指す方法を探る。教育・発達に関する文献研究、データの収集・分析、論文作成の指導を行う。教育の理念・歴史・思想について「経験主義」や「新教育」などを取り上げて検討する。授業研究改革を基盤とした子どもと教師のより善い学びの在りかたを探究する。学校内外における視覚芸術に関する教育のあり方について理論的・実践的研究を行う。情意の発達とその適応との関係及び、学習動機づけや学習方略や学びの関係等の指導を行う。教育と臨床心理学、精神医学との関係の中で生じる様々な問題を、修士論文の題材として取り上げ指導する。認知心理学的発想を用いた評価・測定モデルおよび統計学の歴史的基盤を扱う。人間の「障害」から心と脳の関係や治療・教育・支援を考えていく。学校心理学、インクルーシブ教育、矯正教育に関する実践的研究を行う。知的障害を伴う自閉症児に対して構造化による指導について研究指導を行う。教育を社会学的に分析するための理論と方法について指導を行う。社会教育・家庭教育に関して、国際的に比較しながら、理論的研究を行う。地域社会教育の歴史的・国際的な流れを踏まえ、その思想や方法を研究する。各国の教育政策、および多文化教育・国際理解・SDGs・教育格差等における国際比較研究。社会教育・生涯教育(成人、女性、青少年教育)の理論を研究する。高等教育、就業後の学びについて社会科学的に議論する方法を指導する。藤井 千春坂倉 裕治根津 朋実菊地 栄治小松 茂久三尾 忠男河村 茂雄佐藤 隆之小林 宏己大泉 義一上淵  寿堀  正士椎名 乾平坂爪 一幸本田 恵子梅永 雄二吉田  文小林 敦子坂内 夏子前田 耕司矢口 徹也濱中 淳子 「二兎を追うものだけが二兎を得る」、私の大切にしている言葉です。大学生活で遊びつくした私にとって、大学院という道はもう一兎を追うチャンスであったと言えます。今は河村茂雄先生のご指導の下、充実した大学院生活を送っています。充実している要因は2つあります。1つは研究内容です。心理統計、発達心理、学校現場での実践と欲張りすぎではと思えるほど多く、深く学んでいます。2つ目は研究室の環境です。論文の作成、資格の取得、学校現場での実践に力を入れる向上心あふれるメンバーに囲まれ、刺激しあいながら学ぶことができています。早稲田でもっと学びたい、まだ学び足りないと考えている人にとって大学院は素敵な道だと思います。 本研究指導では、初等教育やその前後の就学前・中等教育の原理とそれに基づく内容や方法に関して、教育思想研究や教育史研究という手法を軸としながら学際的に探究し、新たな提案をすることをめざしています。その一つのモデルとしたいのが、新教育運動において、生きることと教育を結びつけることに主眼をおいて開発されたプロジェクト型学習です。プロジェクトは、近年注目されている主体的・対話的で深い学び、個別最適化された学び、非認知的能力などとも関わる概念です。大学院における研究は高度で長期にわたる特殊なプロジェクトといえますが、文献講読や発表を通して、主体性や協働性を発揮しながら、より深い考察が展開される公的空間を開き、一人ひとりの研究を支援できるように心がけています。初等教育学研究指導 佐藤 隆之 教授雪野 光洋学校教育専攻2020年入学在学生の声修士課程2022年度開講予定

元のページ  ../index.html#7

このブックを見る