教育学研究科
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9 数学教育専攻は、数学教育をはじめとする多方面で活躍する人物の育成に貢献してきた本大学教育学部数学科の歴史の上に立って1998年に開設されました。それ以来教育にかかわる総合的見識と高度な専門的能力を備え、主として高等学校での数学教育において指導的な役割を果たすことのできる研究的実践者としての教員の養成および専門的数学能力を必要とする研究機関・企業で働く人材の育成を目的としています。 本専攻では、数学教育学、解析学、代数学、幾何学、情報数学、トポロジー、確率論、応用解析学の8つの基本的な分野を設定し、コンピュータの理論・実習を含めてこれらの分野の専門教育と研究を行います。入学者には、各自が選んだ専門分野を中核として研究を深めさせるとともに、関連分野への学識をも広く学ばせ、演習と研究指導を通し数理的思考能力を養い、それを活用できるように指導します。これをもってわが国の今後の数学教育・数学研究に貢献できる人物を育成することを期しています。数学教育専攻トポロジー研究指導 谷山 公規 教授 私は学部生のとき教員になるために他大の教職課程で学んでいました。しかし数学を思う存分研究しながら教員になる素養を磨ける環境に魅力を感じ、 フレンドリーで一流の結び目理論の研究者である谷山先生に師事したく思い当研究科に進学いたしました。 現在私は研究と並行しながら中高一貫校の非常勤講師を勤めております。未だ体系化されていない最新の数学を研究することで、中学からこれまで学習してきた数学を自らの中で築き直す力が育ち、教壇に立った際の視野の広さにも繋がることでしょう。 数学を自由に研究したい方、教員になる前にもう一度数学と向き合いたい方はぜひ数学教育専攻へ。秋本 裕太数学教育専攻2019年入学在学生の声修士課程数学科教育研究指導(教科内容・方法)解析学・応用解析学研究指導解析学研究指導解析学研究指導代数学研究指導幾何学研究指導情報数学研究指導トポロジー研究指導科目名担当教員研究指導内容数学の指導・学習の理解を目的とする数学教育学の研究指導を行う。応用調和解析、数理視覚科学、画像処理への応用、AIとの関連に関する研究指導を行う。確率論や確率解析などに関する研究指導を行う。関数解析学や作用素環論に関する研究指導を行う。可換環論や凸多面体の組合せ論に関する研究指導を行う。鏡映変換群の幾何、及び複素解析幾何に関する研究指導を行う。暗号理論・量子計算等の研究が自主的に遂行できるよう指導する。位相幾何学の中でも特に結び目理論を中心として研究指導を行う。宮川  健新井 仁之梁   松戸松 玲治村井  聡小森 洋平小柴 健史谷山 公規2021年度開講予定 図形の長さ・面積・体積・角度のような定量的な性質とは別に、図形のつながり方と呼ばれる定性的な性質を研究するのが、トポロジーまたは位相幾何学と呼ばれる幾何学の一分野です。トポロジーの中でも特に結び目理論を研究しています。紐の結び方という日常生活に現れる素朴な題材の奥には、深く美しく豊富な数学の世界が拡がっています。位相空間論などの高度に抽象化された数学に論理的な基礎を置きつつ、平面図形や空間図形の豊かなイメージをもって、時に図を描き、時に計算をして研究を進めます。国内外の研究集会で発表し、数学専門誌に掲載されるような研究成果を挙げることを目標に指導します。

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