教育学研究科
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9 数学教育専攻は、数学教育をはじめとする多方面での人材の育成に貢献してきた本大学教育学部数学科の歴史の上に立って、教育にかかわる総合的見識と高度な専門的能力を備え、主として高等学校での数学教育において指導的な役割を果たすことのできる研究的実践者としての教員の養成および専門的数学能力を必要とする研究機関・企業で働く人材の育成を目的としています。 本専攻では、数学教育学、代数学、幾何学、情報数学、トポロジーの5つの基本的な分野を設定し、コンピュータの理論・実習を含めて数学の教科教育及び専門教育と研究を行います。入学者には、各自が選んだ専門分野を中心として研究を深めさせるとともに、隣接分野の学問にも目を広げさせるよう講義を受けさせ、かつ演習と研究指導を行うことによって、わが国の今後の数学教育・数学研究に貢献し、数学を活用できる人材の育成をめざしています。数学教育専攻 本専攻では純粋数学や応用数学についてより専門的な講義を受けることができ、学生自身がより高度な数学を勉強したうえで、数学教育について考えられることが本専攻の魅力の一つだと思います。私自身は小森先生の指導のもとで幾何学、特に複素解析学を学んでいます。大学院でのゼミ発表は内容が高度になる分、入念な準備が必要となります。 また、私は高校の非常勤講師をしており、実際の教育現場で授業を行うことで数学教育について考えることができます。そのうえで本専攻の他の研究室の学生と議論をかわすことで、数学教育に関する知見をさらに深めることができると感じています。 大学入学まで“学校数学”と呼ばれる算数・数学を学んできました。その過程で様々な問題を解いたことでしょう。数学が使えるようになった印象を持たれたことと思います。 では、与えられた問題を解くこと以外に何を試みたでしょうか。一寸、不安にさせる問いかけです。受け身で学んだ数学は所詮借り物。 数学教育は、そこからの脱皮で始まります。即ち、自らの数学を構造化するべく再構成していただきます。それは大学の数学を学ぶ目的の一つでもあります。 学校数学の再構成が終わると、そこに横たわる教育的配慮が観えてきます。児童・生徒、教材、教師の各々について、またそれら相互の関わりについて数学教育の視点から考察できるようになります。(募集は2017年度まで)数学科教育研究指導 渡邊公夫 教授冨井 脩平数学教育学専攻2017年入学在学生の声修士課程数学科教育研究指導(教育情報・評価)代数学研究指導幾何学研究指導情報数学研究指導情報数学研究指導トポロジー研究指導科目名担当教員研究指導内容テスト理論やファジィ理論の数学的基礎と応用についての研究指導。対称形式やエルミート形式に代表される等質空間上の数論を扱う。多面体の幾何、及び複素解析幾何に関する研究指導を行う。チューリング計算可能性、計算量の理論、アルゴリズム理論など計算理論一般。暗号理論及び関連分野の研究が自主的に遂行できるよう指導する。位相幾何学の中でも特に結び目理論を中心として研究指導を行う。瀧澤 武信広中由美子小森 洋平横森 貴小柴 健史谷山 公規2018年度開講予定

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