大学院入学案内
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人間が運動を学習する際の脳の働きを明らかに 私は認知神経心理学を専攻しており、博士後期課程では、新しい環境に置かれた人間が複数の運動内部モデルを同時に獲得しようとするときに、脳がどのような働きをするのかを研究しています。認知神経心理学のとても面白いところは、高次脳機能障害の症状から脳部位と脳機能の対応関係を考察するボトムアップ型アプローチと、脳機能のモデルを心理実験によって検証するトップダウン型のアプローチが融合しているところだと感じています。超高齢社会の日本では、今後高次脳機能障害を持つ方が増えると考えられるので、私たちの研究が障害と共に生きる方々の生活をより良いものにするために貢献できればと思います。 実は修士卒での就職も考えましたが、運動制御機構を研究する若手研究者や第一線で活躍される先生方が集まるMotor Control研究会で若手奨励賞をいただいて、そこで出会った多くの先生方に背中を押していただき、博士後期課程で研究を続けることにしました。経済面での支援も含め、早稲田には研究に打ち込める環境が整っている 学部3年次から指導を受けている福澤先生は、自由な研究活動を後押ししてくださり、また論理的に書いて読む力を養ってくださいました。現在は国際誌への論文投稿に力を入れており、今後は日本の心理学研究を盛り立てていけたらと考えています。私が第1回目から運営に関わっている「早稲田大学心理学コース研究会」は、2016年から「Society for Tokyo Young Psychologists」と名称を変え、多くの若手研究者がつながる場となっています。 現在は日本学術振興会特別研究員向けの学内の支援奨学金を受給しており、また、国際会議論文発表補助費や大学院生短期派遣制度などの支援を受けることで国際学会での研究発表や、海外の大学での研究活動を行うことができています。早稲田大学大学院の魅力は、そうした経済面での潤沢な支援や最先端の学術情報へのアクセスのしやすさなど、研究に打ち込める環境が充実していることだと感じています。院内感染で問題視される、緑膿菌のノンコーティングRNAを研究 高校生の頃から微生物に興味がありました。微生物は単細胞生物ですが、集合体となって分業を行い、多細胞生物と同じような働きをすることに魅力を感じていました。そして、早稲田大学の学生がテレビで「生命医科学は多くの人の命を救える研究」と話していたのを見て、生命医科学を学ぶことを決心しました。 現在は、バイオフィルムを形成しやすい緑膿菌の研究をしています。気管支などにできるバイオフィルムは抗生物質に対する抵抗性を持っており、感染症を慢性化させてしまいます。このバイオフィルムを形成する緑膿菌が持つノンコーティングRNA(タンパク質に翻訳されない機能性RNA)が、どのように病原性や抗生物質耐性に影響を与えているのかを調べています。実験では自分の想像と異なる結果が出ることも多いので、そうした発見の連続なのが研究の醍醐味だと感じています。海外への研究留学プログラムで、研究者の道を歩むことを決意 博士後期課程に進んだのは、早稲田の研究留学プログラムを利用してアメリカの研究所に3ヵ月間滞在したことがきっかけです。そこで行われていた先進的で分野横断的な研究に触れ、自分も世界を舞台に研究をしていきたいと思いました。その後ドイツのヴュルツブルクへの半年間の研究留学などを経て、現在は産業技術総合研究所(茨城県つくば市)で共同研究をしています。研究による発見とその応用によって、医療の進歩に貢献していくことが目標です。 現在は日本学術振興会特別研究員のための研究奨励金を利用しているので、アルバイトなどをせずに研究に集中できています。早稲田大学大学院は学生と教授の距離感が近く、指導いただいている常田先生には自分のやりたい研究をずっとサポートしていただいています。研究を進めるのに理想的な環境ですので、みなさんにもここで今後の人生に活きる価値ある時間を過ごしてほしいと思います。多くの研究者との出会いから、研究の世界に身を置くことを決意医学とは別のアプローチで、医療の発展に貢献していくProle2014年早稲田大学文学部心理学コースを卒業後、早稲田大学文学研究科心理学コースに進学し、2016年より博士後期課程。学部から福澤一吉教授の研究室に所属。修士論文は「頭頂葉損傷患者における視覚運動順応および短期的な運動内部モデルの獲得」。博士論文は「運動内部モデルの駆動・切り替えに対応する神経基盤の変化および脳機能モデルの検討」をテーマに執筆。Prole2015年早稲田大学先進理工学部を卒業後、早稲田大学先進理工学研究科修士課程に進学。「緑膿菌バイオフィルム内の非分裂細菌動態解析」の研究に取り組み、2017年修了。同研究科の博士後期課程に進み、細胞機能工学研究室の常田聡教授の指導のもと「バイオフィルム形成に関わる緑膿菌のRNA転写後制御機構の解明」をテーマに研究を進めている。STUDENTS VOICE文学研究科 心理学コース 博士後期課程3年 日本学術振興会特別研究員(DC2)山田 千晴先進理工学研究科 生命医科学専攻 博士後期課程2年 日本学術振興会特別研究員(DC1)千原 康太郎09

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