大学院入学案内
7/96

Academism及ぼす影響を実証的に研究1991年東京大学教養学部卒業、1994年アジア経済研究所開発スクール修了、1995年スタンフォード大学Food Research Institute修士課程修了、2000年同大学経済学部博士課程修了。南イリノイ大学経済学部助教授、東京都立大学経済学部助教授、青山学院大学国際政治経済学部助教授、東京大学大学院新領域創成科学研究科国際協力学専攻教授などを経て、2014年より現職。現在、経済産業研究所ファカルティフェロー、JICA研究所客員研究員などを務める。専門は国際経済学、開発経済学、日本経済論。著書に『開発経済学入門』(新生社)、『日本経済の底力-臥龍が目覚めるとき-』(中央公論新社)などがある。経済学研究科 教授 戸堂 康之 TODO YASUYUKI多様なネットワークは個人を高めることにもつながる 大学院の研究指導では、国際経済・開発経済・日本経済に関する実証研究の立案、現場体験、データ収集、分析、論文作成、口頭発表などを通じて、グローバル・リーダーおよび世界水準の研究者の育成を目指しています。学生には普段から、現場でのフィールドワークの大切さを伝えています。私たちの研究はデータを収集し分析・解釈することなのですが、現地で観察したことを組み合わせて、統計的な分析結果を解釈することが重要なのです。また、学生には「データにだまされないように」とも常々伝えています。世の中には生半可なデータ分析の結果に基づく議論が非常に多く、誤った結論を導き出すことがあるのが現実です。現在のビッグデータ時代にあっては、どのような道に進んだとしても、データを正しく分析・解釈する力は不可欠と言えます。 多様なネットワークの価値と重要性は、組織だけでなく個人にも当てはまります。多様なつながりは多様な知識の源泉となり、イノベーティブな思考に結びつくからです。その観点で「組織内の強い絆」と「他者とのつながり」の両方のネットワークを得やすい早稲田の環境は、研究者にとって大きなメリットになります。同じ興味関心を持つメンバーと研究を深く掘り下げることができる一方で、アジアやアフリカなどの世界各国の留学生や、専攻分野を問わず幅広い学生を受け入れているので、そこでの多様性から多くの視点を得られるはずです。 また、経済学と政治学の研究科が同じ学術院にあることや、総合大学として様々な分野の研究者がいる環境を活かして、日常的にコミュニケーションを図ることも可能です。多くの分野の最新の研究を間近に見ながら自分の研究に打ち込める点で、早稲田は新しいタイプの経済学や学際的な研究を進めていける場所だと私は感じています。研究を志す皆さんにはこの恵まれた環境を活用し、学内はもとより学外にもネットワークを積極的に広げ、それらを自らを高める糧にしながら、社会に貢献できる人材になってほしいと願っています。5WASEDA UNIVERSITY Graduate school 2018

元のページ 

page 7

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です