第2回 e-teaching Award Good Practice集 2013
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2単位の科目においても、来年度は1回目の授業をオンデマンド化することを予定しているという。基礎科目をオンデマンドで省力化し教場授業の充実に力を注ぐ もちろん、すべての授業でオンデマンド化が望ましいというわけではない。授業の内容によっても、オンデマンドに向くものと向かないものがあるだろう。秋葉教授によると、基礎科目についてはオンデマンドの形式が適しているものが多いのではないかという。毎年繰り返して利用できる内容や複数科目で共通化できるような部分に、うまくオンデマンドを利用することで、その分の時間と手間を、演習や実習、対話型授業など、その場に集まっていないとできないような内容の授業の充実に注力できれば理想的だ。 フルオンデマンドの授業は、一度作ってしまえば数年間は学生の提出物へのフィードバックに注力できる反面、コンテンツの準備の手間も必要となる。「毎年内容をアップデートしないといけない授業だと、毎回作り直すのは非常に大変です。オンデマンドは、一度作成したら少なくとも3回ぐらいは活用できる授業に使うのが効率的ではないでしょうか」。オンデマンド導入前にCourse N@viに親しんでおく オンデマンド授業を取り入れる前の準備として、Course N@viの操作に慣れておくというというのが秋葉教授のアドバイスだ。「コンテンツを視聴しているかどうかチェックするのも、Course N@viにアクセスする必要があります。普通にホームページを見るのと同じで特に難しいことはありませんが、前もってCourse N@viにアクセスすることに慣れていれば、よりスムーズに利用できるでしょう」。 秋葉教授の場合は、オンデマンドを導入する以前から、資料をアップロードしたり、小テストを行ったりするのにCourse N@viを利用していた。「小テストは、回答期間の設定や、ランダムな出題、自動採点など便利な機能がいろいろあるので重宝していました」。 川村教授が担当した回で課したレポート提出は、Course N@vi上のフォームに直接書き込ませる形式にしている。「ワードのファイルを添付させる方法もありますが、それだといちいちファイルを開くのが大変なので、この形式にしました。レポートが一覧できますし、また、例えば最大1000文字というように制限をかけられるし、文字数も自動カウントされるので便利です」。 オンデマンド授業は、一度収録したらそれでおしまいというわけではなく、今回の事例のように資料のアップロードや小テスト、レポートなどと併用することで、より教育効果を向上させることができる。その意味でも、オンデマンド授業の前に、まずCourse N@viの各機能を利用してみるのが第一歩といえそうだ。 秋葉教授自身は、Course N@viやオンデマンドの導入にあたり特に困ったことはなかったというが、必要があれば遠隔教育センターのスタッフが支援してくれる体制も整っている。具体的な機能や操作の説明はもちろん、自分の授業においてどんな風に導入が可能なのかも相談に乗ってもらえる。関心はあるが導入しづらいと感じている場合は、気軽に相談してみることをおすすめする。同じ内容の講義「財務会計リテラシー」を、春学期前半と春学期後半と2回実施した。学生は好きなタイミングの方を履修できる。05川村教授担当回のオンデマンドコンテンツ

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