第2回 e-teaching Award Good Practice集 2013
41/44

アンケート機能を利用し用語の理解度をチェック この授業では、Course N@viのアンケート機能を利用して学習前後の理解度の違いを調査するという使い方もしている。たとえば、ある単元に入る前に、そこで覚えてほしい重要な用語について50~100程度ピックアップし、「よく知っている」「名前は知っている」「知らない」の3段階で回答させる。授業後に再び同じアンケートを行い、その理解度の変化を見る。集計結果は自動計算されてグラフ化もされるため、生徒に公開して見せるのにも説得力がある。 また、アンケートで取り上げた用語を一人3個程度ずつ割り振り、それぞれが調べてBBSに書き込むという課題も行っている。提出した内容は全員に見えるので用語辞典のような使い方ができるようになる。1つの用語に対して複数の生徒が調べるようになっており、自分以外の生徒が書いた内容も参考にすることで学習を深める効果もある。レポート機能の類似度判定機能を使うと自動で剽窃チェックができる 八百幸教諭は、2年生の授業でもレポートや課題の提出にCourse N@viを活用している。「以前はメール添付で送らせていましたが、私が見落としてしまう心配もあり、管理が面倒でした。Course N@viなら自動的に一箇所に集まっていますし、締め切りの設定もできるので管理が楽になりました。類似度判定の機能を使えるのもとても便利です」。 類似度判定機能とは、提出されたレポートの内容を、インターネット上の文書やCourse N@vi内にこの機能を使って提出された他の文書と比較し、似た文章が使われている箇所があるとマーカーで色がついた状態になり、引用元も表示される機能だ。「生徒がみな同じようなことを書いていると、その部分が真っ赤になります。同じ資料の同じ箇所を参照しているのが分かるので、指導の参考になります」。八百幸教諭の場合は、剽窃を見つけて減点するという目的ではなく、生徒がどういうものを参照にしているかを把握することで、他の資料を紹介するなど次回以後の指導に活かすという使い方だ。 同校の情報科の授業では、授業を進めるための基本スキルとしてWordやExcelの実技試験も行っているが、その基本的な使い方は授業中には扱わず、副教材を与えて自習させている。それをフォローするため、操作方法を説明する動画を作成しCourse N@viに資料として掲載しておき、必要のある生徒は各自自習の参考にできるようにもしている。練習問題を作っておいて取り組ませることもある。最大のメリットは即時のフィードバック 八百幸教諭は情報科の教員ということもあり、Course N@viには以前から関心を持っていたという。1年ほど前から個人的にさわってみていたが、本格的に授業に導入したのは2013年度からだ。「Course N@viを授業に使ってみて感じたメリットは、ディスカッションを促進できたことと、即時にフィードバックが得られることです」。BBS、チャット、アンケートなど、いずれも今まではっきりと見えなかった生徒たちの理解度や考えが可視化され、それを指導につなげていけるようになったということだろう。 クラス担任としては、各種の連絡や調査、伝達事項の確認にアンケートを使うなど、授業以外のクラスの管理でもいろんな使い方ができそうだと感じたという。「実際に使ってみると、いろいろな発想が出てきます。今後は教員のみんなでいろいろな教材を作ってCourse N@viで共有することで、どんどん質を向上させていければいいと思っています。」授業で扱う重要用語についてのBBS。1つの用語に対して複数の生徒が調べた内容を投稿しており、用語辞典として使うこともできる。41

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です