情報化推進レター

早稲田大学の学生・教職員の皆様に情報化推進計画のお知らせを配信させていただきます 。

巻末コラム

RELCセミナー

RELCとは?

遠隔教育センター 森 裕樹

RELC
【RELC】

「RELC」とは、シンガポールのオーチャードエリアの西側、オレンジグローブロード沿いに建つ国立語学研修施設であるリージョナルランゲージセンター(Regional Language Centre)の略称です。宿泊施設も完備しているRELCにて実施する「RELCセミナー」は、オープン教育センター設置科目「World Englishes and Miscommunications」(担当教員:教育総合・科学学術院 中野美知子教授)に参加する早稲田大学や海外大学の学生・教員を中心として行われる国際共同セミナーです。

同セミナーの歴史は古く、2012年度にて8回目を数えることになりました。2012年度は、2013年2月14日~21日に開催され、早稲田大学からは12名、全体では7か国10大学から合計31名の学生が参加いたしました。

なぜ、シンガポール?
ライブセッションの様子
【ライブセッションの様子】

「World Englishes and Miscommunications」は、早稲田大学を含む参加11大学(※) にて遠隔交流を行うサイバーゼミです。遠隔交流と一口に言っても物理的な制約があることから、教員による授業はオンデマンド講義にて行われ、海外教員・学生が参加するプレゼンテーションや意見交換は、ライブセッションと呼ばれるTV会議にて行われます。また、講義やライブセッションに対する質疑応答・意見交換はCourse N@viのディスカッション(BBS)機能を活用しています。

※2012年度参加大学(★は2012年度新規参加校)
高麗大学、デラサール大学(フィリピン)、韓南大学(韓国)、復旦大学(中国)、文藻外語学院(中国)、マラヤ大学(マレーシア)、マカオ大学、武漢大学(中国)、★淡江大学(中国)、★ナンヤン工科大学(シンガポール)、早稲田大学

このような授業形態から、参加大学は開講期間中はオンライン上にて学習・交流しますが、参加国を代表する各大学との貴重な交流機会を更に深めることを目的に、科目が終了した例年2月に対面での交流機会と授業総括の場として同セミナーが企画されスタートしました。RELCを会場としたのは、アジアを中心とした参加各国から集まりやすく、治安など環境面も整備されたシンガポールという土地柄を考慮した結果です。

なお、シンガポールにおける宿泊費やセミナー費用など運営費用の一部は、セミナーの主旨に賛同いただいた早稲田大学デジタルキャンパスコンソーシアム(DCC)の協賛により支援されています。

それでは、RELCセミナーの中身について紹介します。同セミナーは非常に盛りだくさんな内容ですので、参加者の視点ごとに取り上げたいと思います。

24時間異文化交流 ~学生の視点~
自己紹介シート交換
【自己紹介シート交換】
グループワークの様子
【グループワークの様子】
学生プレゼンの様子
【学生プレゼンの様子】
優秀チームの表彰
【優秀チームの表彰】

セミナーは初日のWorkshopからスタートします。参加学生が事前に記入し、印刷してきた自己紹介シートを全メンバーと交換して自己紹介を行います。専攻分野や生い立ち、好きなものや将来の夢などシートに書かれる内容は様々です。異文化交流の経験が少ない早稲田大学の参加学生は、傍らから見ると緊張した面持ちの学生がまだまだ多く見られます。

その後、学生達は多国籍編成の6グループに分かれ、「What is your concept of successful bilinguals in Asia?」という全体テーマのもと、「World Englishes(世界の英語たち)」の世界的権威であるゲスト講師の基調講演や、各教員のレクチャーを受けます。語学研修施設であるRELCの講師からも、「World Englishes」をテーマにした講義を受けます。朝9時から夕方18時まではレクチャー中心で、合間を縫って教員らの指導を受けつつ、自由時間や中日の休日に言語や文化背景の異なる参加者同士が英語を使い、プレゼンテーションを完成させていきます。最終日午後には、各グループがそれぞれ考え抜いたプレゼンテーションの発表を行いました。自国のsuccessful bilingualsを紹介しつつ、グループとしての検討結果を発表するなど、グループごとに個性ある内容です。このような多国籍の学生間での異文化交流や、普段日常語としていない英語を通じて議論を行い、一つの発表原稿をまとめることは、参加学生にとって貴重な経験となっていました。中日の時点では自身の英語力ではなかなか意見を伝えられないと弱音をはいていた学生や、初日のWorkshopではまだまだ声も小さく戸惑いを見せた学生も、最終日には堂々と発表を行う姿が見られるなど、学生自身の成長を実感することが出来ました。また、英語力の向上だけでなく、実際に対面で多国籍のクラスメートに会い、グループワークを通じて共同プレゼンテーションを行うことで、異文化理解力の向上も実感できたのではないでしょうか。

余談ですが、今年度は部屋割りについても国籍が異なる学生同士で編成をしました。まさに24時間英語を使う環境を用意しました。ある参加者に感想を聞いたところ、「シャワーを浴びる順番まで英語で話すからなかなか大変です」とのこと。

PAALとの共催 ~教員の視点~
Kirkpatrick教授講演
【Kirkpatrick教授講演】

7か国11大学の教員が集まる機会を活かし、セミナー後半にはPAAL(環太平洋応用言語学会)と共催によるWorld Englishes国際シンポジウムも開催されました。参加者はWorld Englishesについての知見をより一層深めることができました。World Englishesの世界的権威であるGriffith大学(オーストラリア)Kirkpatrick教授による講演など、貴重な講演も数多く含んでいました。

来年度に向けて ~運営スタッフの視点~
コンテンツ収録風景
【コンテンツ収録風景】

セミナーには遠隔教育センターの職員が例年運営スタッフとして同行しています。運営スタッフとしても、本セミナーは有益です。一つは、セミナー最終日に開かれる教員会議です。ここでは年に1度対面で会う機会を活用し、来年度の授業スケジュールやカリキュラム内容について意見交換、調整を行います。アカデミックカレンダーが異なる海外大学同士で運営する同科目において、特にライブセッションの日程調整は困難を極めますので、この教員会議の場で日程調整や交流内容を確認できることは非常に有用です。また、新規プロジェクトの企画説明や意見交換など、対面でないとスムーズに進めにくい案件を討議します。

参加者集合写真
【参加者集合写真】

先に挙げたPAAL等の貴重な講演を来年度以降の授業にも反映させるべく、発表や講演の半数以上は現地にてスタッフがコンテンツとして収録し、次年度以降の同科目のオンデマンド講義として配信していく予定です。「World Englishes」という分野の特性からも、コンテンツのバリエーションが増えることは教育効果を向上させることに繋がります。

以上が、主に2012年度実施内容を中心としたRELCセミナーについての紹介です。このセミナーは毎年、担当教員らと企画内容を精査し改善をかさねています。年度によっては、シンガポール国立大学訪問や、シンガポール稲門会の校友による講演などを組み入れた年もあります。来年度に向けても、これまで以上に有意義なセミナーとなるよう運営スタッフとして努めていきたいと思います。

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