情報化推進レター

早稲田大学の学生・教職員の皆様に情報化推進計画のお知らせを配信させていただきます 。

MNCの視点

大学での学びと著作権

遠隔教育センター 稲葉直也

皆さんは、普段の生活の中で「著作権」について意識をしているでしょうか?

著作権とは、あらゆる著作物に認められる知的財産権で、他者の著作権を侵害するようなことをしてはいけません。

一例を挙げれば、インターネット上に違法にアップロードされている音楽や動画を違法と知りながらダウンロードして利用すること、友達が撮った写真を無許可でFacebookやブログに掲載すること・・・などなど、私たちの生活のごく身近にも著作権侵害が存在しています。こういった違反をしてはいけないことは知っていても、具体的にどのようなことをしたら違反になるのかは詳しく知らない・・・という人も多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、大学での教育や研究といった学びに焦点を当てて、著作権について説明をします。

著作物を利用したり複製したりするには著作者の許諾が必要!

私的使用の目的以外で、著作物を利用したり複製したりするには、著作者から「こういうことに使わせてください。」と許諾を得る必要があります。先ほどの例で考えてみましょう。違法にアップロードされたファイルはそもそも著作権侵害ですので、それを利用することも認められません。Facebookやブログに他者の著作物を掲載することは、たとえ公開範囲が限定されていたとしても、私的使用の範囲内で利用しているとは言えませんね。こういった場合、著作者の許諾を得なくてはいけません。

ただし、大学などの教育機関では、授業の中で必要と認められる限度であれば、著作者の許諾を得なくても著作物を利用できる制限事項(著作権法第35条)があります。また、適切な方法と程度で引用として利用するのであれば、著作者の許諾を得る必要なく利用することが認められています(著作権法第32条)。ただし引用の場合、出所の明示が必要です(著作権法第48条)。

制限事項があるからといって、何でも自由に使えるわけではない!

大学での学びや教育、研究のなかでは、こういった制限事項があるため、「あ、別に許諾を得なくても自由に著作物を使っていいんだ。」といった誤解をしている方が多くいるようです。あくまで「授業の中で必要と認められる限度」での利用、あるいは「適切な方法および程度で引用」して利用することが認められているだけで、不適切な利用をすると著作権侵害になります。

こういった利用は・・・著作権法違反になります!

起こってしまいがちな、大学の学びの中での著作物利用を例にとってみましょう。

  • 本や雑誌のコピー
     ゼミで、ある学術雑誌の論文を読むことになったとします。その時に読む論文だけを、ゼミ生の人数分だけコピーを取ることは、著作権法第35条の範囲内で問題がありません。これを、学習の参考になるだろうとゼミで読む論文以外に雑誌すべてをコピーしたり、ゼミ生以外にも配ろうと数多くコピーしたりすることは、「必要と認められる限度」を超えるため、著作権侵害となります。
     大学での学習や研究において、他者の著作物である本や論文を一部複製して、じっくり読み込むことは必須ですね。しかし、適切な利用範囲で複製して利用しないと著作権侵害となってしまうので、注意が必要です。

     

  • レポートやプレゼンテーションのファイル内における著作物の利用
     レポートなどを書くときに、参考にした本や論文の文章を利用することも、大学での学びでは必要な作業です。しかし、他者の文章をルールに従わないで利用することは剽窃(盗用)となり、著作権法に抵触します。必ず、他者の文章や考えを自分のレポートで利用する時は、適切に引用して利用しなければなりません。
     また文章以外にも気を付けなくてはいけません。授業のなかでプレゼンテーションを行うことになった時に、資料の見栄えをよくするために、ある本に載っている図表や写真、あるいはインターネット上から探してきた図表や写真などの画像を利用するとします。この場合、プレゼンテーションの内容上必要な画像であれば、どの本あるいはwebサイトから利用しているか出典を明記したうえで、引用して利用するのであれば著作権侵害にはなりません。ただし、出典を明記せずに、勝手に本やインターネット上の画像を利用することは著作権侵害になります。
     また、たとえ出典を明記して利用したとしても、プレゼンテーションの内容上、不要な「賑やかし」の画像であった場合、著作権侵害となりえますので注意が必要です。
     ただし、こうした他者の著作物を利用したレポートやプレゼンテーションのファイルを、インターネットを介して他者に送信したり、webサイトなどで掲載したりすることは著作権法違反になります。これは、たとえ参加者が限定されたネットワーク内での送信や公開であっても認められません。
     レポートの作成やプレゼンテーション用の場合には、出典を明記すれば必要な範囲内で他者の著作物を利用することができますが、インターネットでの送信の場合には「公衆送信権」(著作権法第23条第1項)という別の権利の侵害となってしまうためです。
     教育や研究に関するコンテンツをインターネット上へ掲載することについては、以下のページもご覧ください。
    メディアネットワークセンター > 情報リテラシー教育活動 >  教育・研究を目的とするwebコンテンツにおける著作物の扱いについて

     

  • 試験問題やレポート課題などのweb公開
     授業の試験問題やレポート課題の内容、いわゆる「過去問」などを、それらを作成した著作者である授業担当教員の許諾なく、公開することは著作権侵害になります。同じように、講義の内容を書いた授業ノートにも、板書した教員や、工夫して書いた人に著作権が発生します。こうしたものを著作者の許諾なく、勝手に複製したり配ったりすることは著作権侵害になります。
大学での学びで著作権侵害をしないために

いかがだったでしょうか。ここで紹介したのはほんの一例ですが、大学での学び、教育や学習という範囲でも、著作権侵害が身近に起こりうることは実感できましたか。早稲田大学では、こういった著作権侵害を起こさないようにするためのオンデマンド講座や、著作権を気にせず利用できる著作権フリー画像のデータベースなども提供していますので、ぜひ活用してみてください。

  • 著作権の基本を学ぼう!(教育著作権に関する講座)
     早稲田大学では、学生の皆さんにこうした著作権の基本を学ぶための動画コンテンツを以下のwebサイトから提供しています。そもそも著作権とは何か、どのような利用なら認められるのかなど、このコラムで紹介した著作権に関する内容をより詳しく説明していますので、ぜひ試聴してみてください。
    メディアネットワークセンター > 教育 >  教育著作権について

     

  • 研究や授業で自由に使える写真や映像のデータベース AFP World Academic Archive
     適切な利用方法であれば、大学の学びや研究、授業等のなかで著作物を利用できることを説明しました。しかし、利用範囲に気を付けたり、場合によっては許諾を得たりと、十分に著作権侵害にならないよう注意をする必要があります。
     そこで、早稲田大学図書館が契約しているAFP World Academic Archiveというデータベースを紹介します。このデータベースは、AFP通信社が提供している報道写真や映像などが、学内のネットワークから自由に利用することができるものです。ここから利用できる画像や映像は、AFP World Academic Archiveから利用していることを明記すれば、すべて二次利用することを認められています。ぜひ活用してみてください。
    AFP World Academic Archive
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