情報化推進レター

早稲田大学の学生・教職員の皆様に情報化推進計画のお知らせを配信させていただきます 。

Course [email protected]事例紹介

Course [email protected]は学生主体の学びを促進し、きめ細やかな対面指導を可能にするツール


中野 美知子
教育・総合科学学術院 教授

早稲田大学遠隔教育センター所長(2011.3現在)でもある中野教授は、Tutorial EnglishやCCDL(異文化交流授業:Cross-Cultural Distance Learning)など、早稲田大学における「ICTを活用した英語教育改革」を推進してきた実績を持つ。そんな中野教授が、普段の授業においてCourse [email protected]をどのように活用しているのか。それによりどんな教育効果を挙げているのか、お話を伺った。

BBSと投票機能を利用し、学生主体でテーマを決める
dr.nakano

インターネットが一般に普及する以前から、いち早くコンピュータを活用した教育研究を行っていた中野教授。現在も担当授業において、Course [email protected]のあらゆる機能を利用しているという。「新しいもの好きなので、新機能が追加されたと聞けばとりあえず使ってみて、便利なところはどんどん取り入れています。」

Course [email protected]が有効に活用されている例として、まず最初に挙げたのがBBSの活用だ。中野教授のゼミでは、フィリピンや韓国などアジアの大学とテレビ会議を使った交流を行っている。交流時に相手校とディスカッションするトピックを、あらかじめ日本側の学生同士で話し合って決めるのだが、学生の意見交換の場としてBBSを活用しているという。

たとえば、「韓国人からどんなことを聞きたいか」「日本の社会や文化などについてどのようなことを知ってもらいたいか」などを各自が考え、BBSに英語で書き込む。お互いのトピック案についてBBSでコメントをつけあう形で話し合いを進め、最終的にはCourse [email protected]の「投票機能」を使ってトピックを絞り込み、上位5つに入ったものを相手校に提案するという流れである。

「教員が介在せず学生が主体的にトピックを決めることで、その後の交流がより積極的に進められるようになります。このゼミでは参加人数が40人程度いるのですが、全員の意見を取り入れてスムーズにトピックを決めることができるのは、BBSと投票機能のおかげです。いろいろな場面において学生主体で取り組ませるには、BBSはとても有効なツールだと思います。」

このゼミでは、学期のはじめにCourse [email protected]のプロフィール欄に英語で自己紹介文を書かせている。将来の夢や自分の特徴、友だちに知っておいてほしいことなどを書いておくと同時に、必ず自分の写真も一緒に登録させるようにしている。「自分の顔写真に抵抗がある学生は、自分で描いたイラストやお気に入りの場所や物の写真などでもよいことにしています。BBSでの発言時にはその画像が表示されるので、その学生の顔(もしくはその代わりになる画像)が見えることで、文字だけのやりとりに比べて親しみが感じられ、BBS全体の雰囲気がよくなる効果があるようです。」

基本的にゼミはコンピュータルームで行っており、授業中の話し合いにはチャットを使っている。チャットでの交流は履歴が残るので、後で見返すことができることが便利だという。「チャットは英語タイピングの練習にもなります。いつもやっているうちに、どの学生もどんどんタイピングが速くなりますよ。」

提出物はすべてCourse [email protected]にアップロード

学生が発表を行うときに作成するパワーポイントのデータをCourse [email protected]にアップロードさせておけば、別途教員宛に提出させなくてもそのまま採点できる。Course [email protected]上では、学生同士が互いにコメントをつけ合える点もメリットだという。

その他、教員から出す課題や宿題はすべてCourse [email protected]上にアップロードしておき、学生からのレポートなどの提出もCourse [email protected]上で行わせている。「目が疲れるときは画面上で文字を大きく表示させることもできるし、教員からのコメントも画面上で入力できます。おかげで、紙を扱うことは滅多になくなりました。Course [email protected]経由で受け取ったデータは、ウイルスチェック済みなので、セキュリティの面で安心なのもいいですね。」

Course [email protected]にアップロードしたコンテンツを元に学習させ、その理解度を試すための小テストも、Course [email protected]の機能を利用して行っている。「海外出張時なども、これを作っておけば休講にしなくてすみます。問題を作って登録しておくだけで、あとはCourse [email protected]上で自動採点してくれる点がとても便利です。」

小テストやレポートなどでは、提出があったときにメールでお知らせする機能を利用することもある。「締め切り前に随時チェックしたいときに利用しています。集まり具合を把握できるし、未提出の学生に対してメールで催促することもできます。」

この通知機能は、小テストやレポートだけでなく、BBSで書き込みがあったときにも届くように設定ができる。これを利用すると、定期的にログインしなくても提出や発言があったことを確認できて効率的だ。もちろん、いちいちメールが届くのが煩わしければ、通知が来ないようにしておくこともできる。

アンケート分析も手軽にできる

学会その他で海外から来客があると、個別に依頼して1回分の講義を収録してもらうこともあるという。学生の前で直接講義をしてもらうとなると時間や場所の制約があるが、オンデマンドコンテンツなら都合の良い時間に視聴することができる。「各先生の専門分野について英語で講義をしてもらい、その動画を学生たちに見せれば、生の英語に接する貴重な経験になります。」

このほか、中野教授が便利に感じているのがアンケート機能だという。「外国の大学生との異文化交流のときにモチベーションが上がったか」「対人スキルは身についたと思うか」など、時期を問わず手軽にアンケートで意見を集めることができる。アンケートをこまめに実施し、フィードバックすることにより授業改善に役立てていると言う。「紙でアンケートを採ろうとしたら、作成するのも統計をとるのも大変な手間です。その点Course [email protected]上なら簡単に作れるので何回でも好きなだけ実施でき、集計も画面上であっという間にできてしまいます。」

毎年ゼミの終了する1月にこうした調査を行い、教育効果の分析を行っている。「CSVデータでダウンロードすると、他の統計ソフトに読み込んでさらに高度な統計分析もできます。毎年のデータを保存しておけば時系列の分析も可能になり、自分の研究にも役立っています。」

節約した労力で、よりきめ細かな指導ができる

卒論の指導では、卒論の書き方、テーマの決め方、引用の仕方、引用文献の書き方などについてまとめたものを、あらかじめCourse [email protected]に掲載しておく。一度作っておけば毎回流用できるのに加え、必要なときに何度でも見られるのは学生の側にとってもメリットが大きいといえる。こうして学生全員に知っておいてほしいこと、読めばわかることはCourse [email protected]を活用して省力化し、個々人に対してフォローすべきことを対面できめ細やかに指導するようにしているという。

「このようなツールを積極的に活用することで、教員の労力が節約でき、その分、一人ひとりへのきめ細やかな対応に時間を割くことができます。教育において対面でのコミュニケーションはもちろん大事ですが、それだけに固執することなく、それを補足してさらに大きな効果を発揮させる手段として、Course [email protected]をぜひ積極的に活用して欲しいと思います。」

逆引きマニュアルで「やりたいこと」を探す

最後に、ICTを活用した教育の専門家として、Course [email protected]をまだ利用したことのない人へのアドバイスをお願いしてみた。「まずは、逆引きマニュアルを読んで、自分の授業にはどの機能がどんな風に使えそうか、イメージしてみるといいでしょう。」

「逆引きマニュアル」とは、「○○がしたい」という目的別に構成されたCourse [email protected]の活用マニュアルだ。「ファーストステップガイド」が、導入するときの手順や機能を網羅的に説明しているのに対して、「逆引きマニュアル」は「実際のシーンでどのようなことができるか」という視点からアプローチするように作られている。たとえば、「毎回の授業における学生の理解度や意見・要望を把握したい」「課題の提出があったことをメールで知りたい」といった要望別に、それを実現するためにはCourse [email protected]のどの機能をどんな風に使えばよいかが分かるようになっている。

「この逆引きマニュアルの目次を眺めてみれば、自分もぜひやってみたいと思うことがいくつか見つかるはずです。まずはそこから始めてみてはいかがでしょうか。実際に使ってみると、どんな風に便利なのか実感としてわかってくるので、その後だんだんと活用範囲を広げていくといいですよ。」

もう一つ中野教授が勧めるのは、この「活用事例集」だ。「実際に他の教員たちがどのように使ってどんな効果があったのかがよく分かります。自分の授業に取り入れられそうな事例を参考にして、同じ利用法を取り入れてみると始めやすいでしょう。」

★Course [email protected]デビューへの一言!
まずは「ファーストステップガイド」「逆引きマニュアル」を手にしてみることから始めてみてはどうしょう。教員がうまく使えば必ず学生のためにもなるので、ぜひ導入してください。

coursen@vi
どんなことができるのかを知りたいときは「逆引きマニュアル」が、機能1つ1つについて詳しく知りたいときは「ファーストステップガイド」が便利。冊子版があるほか、PDF版がCourse [email protected]マニュアルサイト(http://www.wnpspt.waseda.jp/teacher/course_navi)からダウンロードできる。
Copyright(C)Media Network Center, Waseda University. All rights reserved.