情報化推進レター

早稲田大学の学生・教職員の皆様に情報化推進計画のお知らせを配信させていただきます 。

Course [email protected]事例紹介

意見交換ツールとしてBBSを活用 レポート機能はコピペ対策にも有効

西村 昭治
人間科学学術院 教授

教育情報科学を専門とする西村教授は、人間科学部通信教育課程(eスクール)の立ち上げに中心的に関わった経験を持つ。現在は、通学制の授業も含めてほぼ全ての担当科目でCourse [email protected]を利用しているという。各機能に精通している立場から、おすすめの利用法を教えていただいた。

Course [email protected]があれば海外からも授業ができる!
dr.nishimura

「私が一番便利だと実感したのは、在外研究で1年間フィンランドに滞在していたときに、日本にいるのと同じように通学制の学生に対して授業を行えたことです」。

そのとき利用したのは、現地で自分のPCに向かって講義を録画し、そのファイルを大学の担当者に送ってサーバーにアップロードしてもらうという方法だ。学生たちはこれを視聴し、レポートなどを提出した。いずれもCourse [email protected]を利用して行われるため、インターネットにアクセスできる環境さえあれば、海外からでも授業ができるというわけである。

西村教授の場合、このような形式で行う授業はeスクールで経験があり、その手法を通学制の卒業研究指導や大学院の演習にも取り入れたということになる。「おかげで、学部の4年生や大学院の2年生など前年度私のゼミにいた学生たちを途中で放り出すことなく、継続して指導することができました」。

気になる教育効果については、学生の理解度や満足度の面から対面授業と比較しても遜色ないという実感を得ているという。

「このケースは通学制の授業において通年でオンデマンドを導入した特別なケースですが、この方法を利用すれば、海外出張などがあっても教員は休講する必要がないということになりますね」。

一方、何らかの理由で学生が授業を欠席せざるを得ないケースでもCourse [email protected]は効果を発揮するという。たとえば、就職活動や教育実習などで授業を欠席する場合であるが、昨今の就職活動早期化や就職難の状況を鑑みると配慮せざるを得ないケースも増えている

そこで西村教授は、3年生の演習授業については、前回授業で行った内容をCourse [email protected]にアップロードしておくことで、欠席した学生が補習できるようにした。また、出席した学生たちにも自分たちの作業報告をアップロードさせた。これにより、欠席した学生が授業に遅れずにすむだけでなく、出席した学生も欠席した学生も、他の学生のやっている内容を情報共有できるという効果があった。

BBSの活用で、学生同士の意見交換が促進される

別の授業ではeスクール用に収録した講義動画をオンデマンドで配信し、これを視聴した学生たちにBBSへ意見を書き込ませるという方法をとった。書き込みは必須ではないが、評価の対象としたことにより履修学生のほぼ全員が毎回1回は書き込みを行った。

「この授業は1年から4年まで幅広い学生が履修していますが、4年生ぐらいになるとさすがに深い意見を書いてきます。それを読むことで下の学年の学生たちも大いに勉強になったはずです」。

教場で直接意見交換をさせようとしても、時間の制約があることに加え、一部の活発な学生だけに発言が偏ってしまいがちだ。その点BBSは非同期型のコミュニケーションツールであるため、全ての学生が自分なりに時間をかけて考えた意見を表明することができる。「学生同士が自由に意見交換できるという点において、BBSというシステムは非常に有用だと感じています」。

教員からのコメントは、動画で語りかける形式を採用

この授業で西村教授は、BBSへの投稿があるたびに自身のメールアドレスに通知メールが届くよう設定している。「締め切り前には一度に大量の書き込みがあって読むのも大変ですが、これを読むと学生たちの理解度が把握できるので、私としても大変参考になります」。

BBSの書き込みに一通り目を通した後は、それに対するコメントをまとめてカメラに向かって語ったものを動画として収録し、再びCourse [email protected]で配信するという形をとっている。「私自身の負担を軽減するという意味もありますが、一番の理由は、画面上の文字で答えるよりも顔を出して語りかけた方が、説得力が増すと考えるからです」。

さらに、動画収録時の工夫として、「○○さんはこういう意見を書いていましたが、それについて私はこう考えます」というように、必ず相手の学生の名前を入れて呼びかけるようにしているという。「名前を入れることによって、自分に語りかけているのだということを、学生たち一人ひとりが身近に感じてくれると思うのです」。

オンデマンド授業というと一方通行的なイメージがあるが、こうした工夫で、学生同士の情報共有を促進したり、あるいは学生と教員の距離を縮めたりすることができる。ある意味、教室授業よりも深い授業が行えているとも言えるかもしれない。

「すべてをオンデマンドでやるのがいいというわけではありません。特に入学したての学生は、キャンパスに来てさまざまな人と触れあったり活動したりする経験が重要です。バランスを考えつつ、ケースバイケースでうまく取り入れていくのがいいと思います」。

修論、卒論の作業バックアップにも使える

レポートや卒論をPCで作成するのが当たり前になった昨今では、PCの故障により作成途中のファイルを損失してしまうというトラブルも起こりうることである。実際に「PCがクラッシュしてファイルを喪失してしまいレポートの締め切りに間に合わなかった」と申告する学生も少なからずいるという。そこで西村教授は、作成途中のレポートや論文のデータをバックアップするという目的でもCourse [email protected]を活用しているという。

具体的には、修論や卒論を作成している学生の一人ひとりに対して、各個人専用のBBSを設定する。便宜上BBSのシステムを利用しているが、書き込めるのはその学生本人だけとし、作成途中の論文をその都度バージョンごとに自分のBBSにアップロードしておくよう指導した。

これにより、仮に自分のPCに何かのトラブルがあったとしても、Course [email protected]にアクセスすればその直前のバージョンの論文データを入手することができる。「Course [email protected]上のデータが100%安全とは言い切れませんが、少なくとも個人のPCだけに保存されているよりは、はるかにリスクは低くなるはずです」。

BBSのデータは他の学生も参照可能であるため、他の学生の論文執筆がどの程度進んでいるかを確認することもできる。つまり、Course [email protected]に作成途中のデータを置いておくことで、進捗状況のチェックにもなり、万が一のためのバックアップにもなっているということだ。

Course [email protected]のBBSという機能を、ディスカッションという本来の目的とは異なる用途で活用している点にも注目したい。「Course [email protected]では、BBS、小テスト、レポートなど目的に応じた様々な機能が提供されていますが、実際には機能自体が本来想定している用途以外でも便利に使えることがあります。機能の名称にこだわることなく、目的によって自分が使いやすいように工夫して使うと良いのではないでしょうか」。

電子化により、コピペも簡単に発見できる

最後に、これからCourse [email protected]を導入しようという場合にお勧めの利用法を聞いてみた。「まずは、レポートをCourse [email protected]を使って提出させるのがオススメです。最近増えているWebからのコピー&ペースト問題への対策にもなりますよ」。

西村教授の場合、学生のレポートを読んでいて怪しいと感じると、その箇所をコピーし、インターネットの検索サイトで検索してみるのだという。検索結果にまったく同じ文章が出てくれば、流用したことがハッキリ分かるというわけだ。

「紙のレポートで同じことをやろうとしたら、その文章をいちいち自分でPCに入力する手間が必要で、膨大なレポートを採点するにはとてもそこまで手が回りません。その点、データとして提出されたものなら、こちらもコピー&ペーストするだけなので簡単にチェックできます」。

そもそも、ほとんどの学生がWordなどのワープロソフトを利用してレポートを作成しているので、わざわざ紙で印刷して提出させるのは学生にとっても面倒である。教員からすればCourse [email protected]から提出させることで期限を厳正に管理したり、提出状況や採点も簡単に管理できるので利用するメリットは大きい。

さらに、Course [email protected]を利用することによりレポートのデータが学習履歴として整理された状態で蓄積でき、それは4年間いつでも簡単に参照できるようになる。

多くの授業でこうした方法が採用されれば、学生の在学中の学習内容を一元管理できることになり、学生にとっても大きなメリットとなるだろう。

Course [email protected]デビューへの一言!
Course [email protected]の活用により時間と場所を越えた授業が可能になります。まずは手始めにレポート管理からお試しを。
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