情報化推進レター

早稲田大学の学生・教職員の皆様に情報化推進計画のお知らせを配信させていただきます 。

MNCの視点

デジタルキャンパスコンソーシアム(DCC)海外視察調査報告

img1
中山大学での視察団

デジタルキャンパスコンソーシアム(以下、DCC)では、会員企業約30社の協力のもと1999年より、情報ネットワークを基盤とした新しい教育方法の実現を目指して、様々な活動をしています。その活動の一環として例年アジア各国のeラーニング視察調査を行い、2006年度は韓国、2007年度はタイ、2008年度は台湾を訪問しました。

今年度は、2009年11月1日から11月4日にかけて、アジア地域で特に先進的な教育が行われている中国の広州・香港における、「遠隔教育」への取り組みをはじめとしたICTの教育への活用状況の調査と、産学連携事例の調査を行いました。深澤良彰(教務部情報化推進担当部長)団長のもと、DCC会員企業7社14名、早稲田大学関係者(教職員)、総勢25名で、広東省の最高学府である中山大学、華為科技公司(ファーウェイ)、東莞市松山湖国家級ニューハイテク科技園(華南地域IT産業集積地)、東莞市庁舎に呉道聞東莞市副市長を表敬訪問、香港で2番目に古い法定大学である香港中文大学を訪問し、調査しました。

img1
【ZHAO学院長より挨拶】

中山大学では、2000年に設立された遠隔教育学院におけるe-learningの実情を調査しました。遠隔教育学院は約16,800名の学生が授業配信や学習管理にBlackboardを用いて授業を受けています。特に社会人の学生が多いため、今後は企業と連携し、職業技能訓練、人材育成などにも力を入れていきたいなど、大学組織全体でe-learningに取り組んでいました。早稲田大学からは向後千春先生(遠隔教育センター教務主任)が、早稲田大学の遠隔教育について説明し、活発な意見交換を行いました。

img1
【McNaught所長より説明】

香港中文大学では、香港中文大学学習推進研究センターにおけるe-learningの実情を調査しました。この学習推進研究センターは、所属学生が存在するわけではなく、学部とは独立した組織でした。香港中文大学大学では、オリジナルのCUForum、WebCT、そしてMoodleが混在して存在しているという課題をかかえていましたが、学習推進研究センターが様々な学生や教員のe-learningに対する要望を満たしながら、より多くの人がe-learningを利用出来るようにセミナーを開いたりと、普及にも力を入れているのが印象的でした。

この2校は同じ中国の大学でありながらも、e-Leaningへの取り組み方が異なっていました。中国本土と香港とでは考え方や文化が違う印象も受けましたが、システムの運用方法や機器、問題点等については、日本とほぼ変わらないということは共通していました。どのようにe-learningを広め、より良い教育を提供できるのかという共通の悩みについて、意見交換ができたのも収穫でした。

また、2009年11月に早稲田大学に東莞市政府職員が研修に来訪することもあり、東莞市の松山湖国家級ニューハイテク科技園(華南地域IT産業集積地)や、世界をリードする通信ソリューション企業の華為科技公司(ファーウェイ)、東莞市副市長に表敬訪問することもできました。

img1
【松山湖国家ニューハイテク科技園】

東莞市の松山湖国家級ニューハイテク科技園(華南地域IT産業集積地)の規模は桁外れに大きく、人口の湖を作り、大学、病院、ショッピングセンターまで作っており、現在の中国の勢いを肌で感じることができました。

この松山湖に研究所を構えている企業の華為科技公司(ファーウェイ)へ訪問では、科学技術イノベーションへの積極的な姿勢や、研究員も全て中国人で固め、世界中にいる8万人の社員を非常に大切にしていることなど、わずか設立20年で販売総額3兆円のグローバル企業へと変貌を遂げた理由について説明を受けました。

img1
【東莞市呉道聞副市長と
深澤良彰団長の表敬訪問】

東莞市呉聞道副市長への表敬訪問では、東莞市より多大な歓迎を受けました。これも早稲田大学がこれまでの長きに渡って中国との関係が非常に良い状態で続いてきていることを実感しました。

この視察調査を通じて、これからも、早稲田大学は中国の各大学と良好な関係を保ちながら、お互いの学生を受け入れ、共により良い教育環境が提供できるように切磋琢磨し、世界に貢献できる大学を目指すべく、思いを新たにいたしました。DCCとしてもご協力頂いている日本の企業の皆様と、ICTを基盤とした新しい教育方法の実現を目指し、ACCの創設を目標として活動を続けてまいります。今後ともDCC の諸活動へのご理解とご協力をお願い申し上げます。

img1
【東莞市関係者と視察団】
Copyright(C)Media Network Center, Waseda University. All rights reserved.