(目次)
1.データセンターとは
2.データセンター移設のメリット
3.早稲田大学の取り組み
データセンターとは、顧客のサーバを預かり、管理運用を行う施設のことです。IDC(インターネットデータセンター)と呼ばれることもあります。多くのデータセンターでは、多数の顧客のサーバを集中して管理し、インターネット上の各種サービスを提供しています。特にポータルサイトや電子商取引にかかわるサイトなど、24時間365日サービスを提供するシステムでは、データセンターが利用されることが多いようです。
データセンターでは、以下の点が十分配慮されています。
セキュリティ | 決められた人だけが入れるよう、建物やサーバ室への入室が厳格に管理されています。また、ICカードなどによる入退室の履歴管理や、監視カメラによる24時間監視も行われています。 |
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耐震性 | 通常、フロアには耐震・免震設備が設けられています。地震が少ない地域に建設する、地盤が安定した地域に建設するなど、データセンターを建てる場所まで考慮する例もあります。 |
空調 | サーバの発熱による室温上昇を防ぐため、集中的な温度管理ができる空調設備が用意されています。 |
電源設備 | 多数のサーバや空調機を安定稼働するための電源設備が用意されています。また、停電時も安定して運用できるよう、自家発電などの予備の電源も確保されています。 |
回線設備 | 多くのユーザが利用したり、大容量の通信が行われても大丈夫なように、大容量の回線が用意されています。 |
【コラム1】データセンターとエコロジー
2008年7月に北海道洞爺湖サミット(※1)が行われ、環境問題に対する注目が高まっています。データセンターは大量の電力を消費し、その結果大量の熱を発生する環境負荷の高い設備ですが、近年「グリーンIT」といったキーワードと共に、環境に配慮したデータセンターが多くの企業から提案されています。
これらには共通して、次のような特徴があります。
日常生活でサーバや、データセンターを意識することはほとんどないと思いますが、私たちが普段利用するサービスの裏側では、こうした取り組みも行われています。
データセンター利用の最大のメリットは、24時間365日のサービスを安定して提供できることです。1で挙げたような設備を自前で持つには膨大な費用がかかりますが、集中して管理する業者に委託することで、比較的低コストで実現することができます。
早稲田大学では、各サービスの重要性やコストを考慮しながら、データセンター利用も視野に入れて計画的にサーバ整備を行っています。今後も安心・快適に利用できる教育・研究環境を提供できるよう、整備を進めていきます。
【コラム2】データセンターとエコロジー
データセンターの効率を示す指標のひとつにPUE(Power Usage Effectiveness)があります。これは、データセンター全体の消費電力を、その中で使用するIT機器の消費電力(空調設備・照明設備・管理施設など、間接的に使用される機器を除いたもの)で割ったものです。米国のThe Green Grid協会(※2)といった業界団体にも推奨されている指標で、米国や日本の大手メーカーでも採用しています。
効率が良いデータセンターほど、空調機器など間接的な電力消費が少なく、IT機器の消費電力の割合が増えますので、PUEの値が1に近づきます。2007年12月に発表されたNEDOの海外レポートによると、多くのデータセンターではPUEが3.0以上であるとのことです。一般的には、PUEが2より小さいデータセンターが効率の良いデータセンターとされているようです(※3)。