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去る2月の1週間、早稲田を含むアジアの8カ国10大学の学生、指導教員あわせて60名ほどが、シンガポールで、東南アジア各国教育省が一緒に設立した言語教員研修施設である「RELC (Southeast
Asian Ministers of Education Organization Regional Language Centre)」に集まり、「Waseda-RELC International Student Seminar 2007」を開催しました。この人々は、それまでの1年間
、遠隔共同講座「World Englishes and Miscommunications」を、ネットを通じて一緒に学習した仲間たちでした。お互いネット上では知り合っていたものの、実際に同じ教室に集まるのは
初めての経験でした。しかし、1週間(実質5日間)という短い期間にもかかわらず、RELCの
講師陣による専門講義、シンガポール国立大での特別講義、参加者が小グループに分かれてのワークショップ等中身の濃い時間をすごし、最終日のワークショップ成果発表の場では、
学生たち一人ひとりが自信を持って、異文化体験を各自の成長にいかに活かしているかを訴えていました。デジタルキャンパスコンソーシアム(DCC)ファンドに支えられたこの活動の企画、主催者として、
学生たちがこのように育ってゆく姿を目の当たりにできるのは大変うれしいものです。
<Waseda-RELCセミナー 参加者記念写真>
早稲田が近年取り組んでいるグローバルリテラシー教育プログラムは、ご存知のとおり、まずは学生の基礎英語力を底上げし、その後に世界中のいろいろな場に臆することなく出てゆき、英語をコミュニケーションの道具として駆使してゆけるようにという目的
で、次のような3ステップとなっています。4人一組でネイティブ教師の指導を受ける、会話型「チュートリアル・イングリッシュ」(毎年1万人が受講)が第一段階です。第二段階は海外の英語を学ぶ学生たちと実際にTVコンファレンスシステムやPCチャット等のIT技術を駆使して交流を図る異文化交流
授業「CCDL(Cross-Cultural Distance Learning)」(現在、年間約3,200名が受講)です。そして第三段階は、アジア
を中心とするパートナー大学の持つ「知」を共有することにより、新しい教育や研究成果を生み出すための仕組みを学生たちに提供することを目的と
する「サイバーレクチャー/サイバーゼミ」で「World Englishes and Miscommunications」も、このカテゴリーの一講座です。これらを軌道に乗せることができれば、
早稲田から国際人を多数輩出するという所期の目標が達成できることでしょう。
そこで、今年から3年間のうちに、CCDLへの参加者を年間5,000人に増やすという活動を加速させています。せっかくチュートリアルを毎年1万人もの学生が受講しても、それを
活かして実際に外国人と直接話し、議論し、理解しあうという体験無しには、本当に自信を持って社会に巣立つことはできないでしょう。今年度は、既存のCCDL参加校での
開講クラス数の増加に加えて新たに中国の大連交通大学の英語専攻の学生たちとの交流授業を4クラス立ち上げました。また、CCDLの推進を担っていただいている先生方に先頭に立っていただき遠隔教育センターのスタッフがチームを組んで新規参加校の開拓に当たります。
世界の英語人口を見ると、すでに英米人のようなネイティブ・スピーカーの人口よりもノンネイティブとして英語を話す人口のほうが多い。しかも数年後には中国人の英語人口だけでもネイティブ
の人口を追い越すのではないかとも言われているほどです。そういう環境の中ではもはや、ネイティブ・スピーカーの話す英語だけが私たちの目指す英語ではないのです。インド人の英語、アラブ人の英語、シンガポール人の英語、みんな立派な英語(educated English)で、大事なコミュニケーションの道具です。これらの種々雑多な英語をどう理解し、日本人の英語をどう理解させるか。この問題を突き詰めてゆくと、英語力の評価基準も今までのネイティブ・イングリッシュをベースとしたものではない、別の評価基準があってしかるべきではないかと私は考えています。
何はともあれ、早稲田の学生たちが、先に紹介した3ステッププログラムを通じて、一人でも多くRELCセミナーの終了時に見せてくれたような満足感と自信にあふれた笑顔を
見せてくれることを願っています。
[2007年4月26日]
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