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教員コラム  
情報って価値あるモノ?
〜情報セキュリティの簡単な復習〜
メディアネットワークセンター副所長
理工学術院教授
松嶋敏泰
情報は価値があり大切なモノ?であることは今や共通の認識になっています。しかし、 情報が目に見えるモノでないため、盗難や流出に気づかないことが、その管理をルーズ にしていると思われます。例えば、現金や宝石を机の上においたまま部屋を気軽に離れる でしょうか。軽い気持ちでPCを開いたまま席を離れることと上記のことにそれほど違いが あるとは思 えません。このコラムではルーズになりがちな情報のセキュリティについて 簡単な復習を試みました。

 コンピュータに対する脅威といえば、コンピュータウィルスと情報漏えいがあげられます。 コンピュータウィルスは、ウィルス、ワーム、トロイの木馬の総称で、海外では Malicious Software(悪意のあるソフト,略してMalware)とも呼ばれています。ひと昔前であれば、 ウィルス作者が技術を誇示するためにウィルスをばらまき、感染させたことを誇示するのが 目的で実害は少なかったのですが、最近は感染した形跡を見せず、ユーザの気づかないうちにPC内 の個人情報を盗んだり、偽造されたウェブページに誘導して重要な情報を入力させたりする ウィルスが多くなってきています。さらに、ウィルスで集められた情報はスパムメールの送信者などに売られる という事実もあり、手口が巧妙化しています。

 最近のウィルスの傾向として、感染の拡大する速度が速くなっていることがあげられます。 メールを介するものは拡散に数時間から数日を要しますが、2003年夏に大流行した MS Blasterなどは数分から数十分で拡散してしまいました。OSやブラウザの脆弱性(セキュリティ ホール)を狙ったものが多く、ユーザは常に最新の修正プログラムをあてる必要があります。 まれに,修正プログラムの発表前に脆弱性を攻撃するウィルス(ゼロデイ・アタック)もあります。 PCのユーザが必ず行わなければならないことは、以下の4つです。

 1.OSやブラウザなどのアップデートを頻繁に行うこと
 2.ウィルス対策ソフトを導入し、ウィルスパターンの更新を怠らないこと
 3.ファイアウォール/ルータの設定で外部と内部を分離すること
 4.信頼できないプログラムやファイル
   (メールの添付ファイルやフリーソフトなど)を不用意に開かないこと

 一方、情報漏えいの問題で大きな社会問題となっている多くは、企業や官公庁の職員が業務 データを自宅に持ち帰り、不正に改造されたファイル共有ソフト(Winnyなど)をうっかり実行 してしまうことが原因となっています。このほかにも、PC・記録メディアの盗難やデータの誤送 信などが原因の場合もあります。情報漏えいに対しても前述の4つの対策が有効ですが、さらに 業務で個人情報を扱う場合には次の2つが重要です。一つは、情報を扱う教員、職員の セキュリティ意識の向上であり、もう一つはデータの不正な読み出しを防ぐ暗号化や認証の システムです。

 近年の暗号化技術の進歩は目覚しく、特に公開鍵暗号と共通鍵暗号を組み合わせて適切に設計 された暗号システムや認証システムは、暗号化の処理速度や認証手続きなどの操作性を犠牲に することなく、強固なセキュリティの実現を可能にしています。既に早稲田大学の職員用のPC へ導入されているSafeBootというシステムも、大学の既存のシステムとの整合性を損なわず、 かつ適正に使用されれば高い安全性を実現するシステムです。

 大学はさまざまな情報の宝庫で多くの機密情報を有しています。また、早稲田大学は 伝統的に広く社会に開かれた存在であることを重視してきました。これからも開かれた大学で あり続けるために、情報に対するセキュリティ対策をきちんととり、それをしっかり守りつつ、 積極的に活用することが求められていると思われます。


 
 
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Last Revised: 2006年 12月 22日