学術フロンティア

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97F-01

(1)研究組織名:国際情報通信研究センター

(2)研究期間:1997 〜 2001年度(5年間)

(3)研究プロジェクト及び研究成果概要

@プロジェクトT:グローバルマルチメディアセンター機能の研究開発

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:理工学部

教授

富永 英義

研究総括

幹事:国際情報通信研究センター

教授

浦野 義頼

NGI/遠隔教育関連研究とプロジェクト全体の統括補助

   国際情報通信研究センター

教授

寺島 信義

3次元画像処理方式関連研究

   国際情報通信研究センター

教授

松本 充司

モバイルシステム関連研究

   国際情報通信研究センター

教授

田中 良明

ネットワークアーキテクチャ関連研究

1.研究内容

情報・通信・放送の融合を主題として、アジア太平洋地域の主要な大学・研究機関・国際機関と連携しながら、人材交流を図り、共同研究・教育活動を積極的に推進するとともに、それらの連携を可能にする情報通信基盤のパイロットモデルを構築することを目的として、各種国際シンポジウムや国際会合を主催し、ネットワークを介した遠隔教育用電子教材の開発などのマルチメデイア関連共同研究プロジェクトを推進する。

2.研究成果概要

(1) 各種ネットワークを利用したWeb型電子教材の共同開発・共同利用遠隔教育・学習システムのパイロットモデルの構築を推進するとともに、各国の状況を考慮したシステムの提案を行い、またWeb型電子教材の共同開発・共同利用を推進した。特に、高品質のマルチメデイ講義の配信と教材の高度化・自動化を目指した遠隔教育システムXLOD(eXtensible Lecture On Demand)システムを実装し、ネットワークの有効利用と各種マルチメデイア技術の駆使により、豊かな遠隔教育環境の構築が可能であることを実証した。
これらの成果はAIC: Asian Info-communications Council(アジア情報通信基盤研究会)会議で報告した。
(2) 国際機関との連携による人材育成の推進
2001年8月1日、早稲田大学はITU(国際電気通信連合)と情報通信分野における提携協定を締結し、アジア太平洋地域の政府政策担当者、企業幹部などを対象とした研修プログラムの企画立案・実施、研究活動などに関して協力していくこととした。2001年11月タイ、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、バングラデイッシュ、ラオス、ネパール、パキスタン、フィジー、イラン、パプア・ニューギニア、フィリピン、スリランカなど14カ国からの政府高官ら16人の参加者を得て、IT戦略のあり方、インターネットやモバイル通信などの最新技術動向、eビジネスの実態、電子政府などに関する研修を実施した。
(3) 超高速ATM ネットワークを用いた遠隔教育実験
グローバルマルチメデイアセンター機能を実証するため、超高速ATM ネットワーク(JGN:ジャパン・ギガビット・ネットワーク)を用いた遠隔教育実験ならびに多地点遠隔講義配信実験を実施し、その実用性に関して評価を行った。
(4) ネットワーク応用技術
ネットワーク応用技術の一つとして、新しい無記名投票方式を検討した。ネットワーク上での電子投票では、二重投票や表の水増し・改ざんが憂慮される。また、集計局が悪意を持てば、集計中にその結果をもらして利用するなどの不正もありうる。そのため、PIN番号を付記したカードをあらかじめ作成して匿名で配布し、投票者は単に自分が投票したい候補に対応したカードを提出することで投票作業が完了する方式である。投票締め切りまではどのカードがどの候補に対応しているか公表しないため、ひとつの集計局設置ですみ、また集計局が途中経過を知ることができない。
 この無記名投票では匿名配布が必要であるが、ある種の秘密情報をどの情報が誰に渡ったかを誰も知ることなく大量配布する方式として、第三者機関による配布方法を考案した。配布を受けるものは通常使用している公開鍵・秘密鍵を利用したまま参加でき、配布作業そのものにかかわることなく簡易に配布を受けることができ、また危険分散のために、配布を行う第三者機関を任意数に分割でき、それらの全機関が結託して不正を行わない限り信頼性が保たれる方式(匿名配布層:Anonymous Distribution Layer)である。

3.研究成果の発表

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AプロジェクトU:インテリジェントエコビークルに関する研究

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:理工学部

教授 大聖 泰弘 研究の総括

幹事:理工学部

専任講師 草鹿  仁 数値シミュレーションモデルの開発

   理工学総合研究センター

顧問 斎藤  猛 超小型電気自動車の利用可能性

   理工学総合研究センター

客員研究員 木原 良治 車両実験の解析
1.研究内容
 近年,低公害車の必要性が高まり,電気自動車がその最有力候補と見なされてきたが,電池の性能改善が進まず,車両重量の増大と短い航続距離,長時間の充電,コスト高等が克服されないため,本格普及が望めない状況にある.そこで,高い利便性と短距離走行に特化した超小型電気自動車,ハイブリッド車,燃料電池車がそれに代わる電気自動車として期待されるに至っている.
 そこで本研究では,前二者を取り上げ,超小型車については,省エネルギー性と低公害性を評価するとともに,社会的受容性についても調査した.
 ハイブリッド電気自動車はすでに実用化に至っているが,その制御を含む動力システムは各種各様であり,最適なシステムの確立には至っていない.そこで,これらの問題を考慮したハイブリッド電気自動車を設計・製作し,その走行試験および数値シミュレーションを通じて,低環境負荷性と車両性能の両面から総合的な評価を行い,最適なシステムを確立することを目的とした.

2.研究成果概要
1. 超小型車
 これまでの研究で,両車量の省エネルギー性と低公害性については一応実証しているが,ここでは,一層の性能改善をはかるため,車両とモーター・電池系を見直すとともに,短距離走行を前提とした利用者の受容可能性についても調査した.その結果,このような軽量化によって電源となる発電所ベースで評価した省エネルギーと低CO2排出量,低NOx排出量を実現することができた.また,共同利用や近距離利用の可能性,セカンドカーとしての利用性が普及形態として受け入れられることを見出した.
2.ハイブリッド車の性能改善
 昨年度,ハイブリッド車が完成し,空気抵抗係数と転がり抵抗係数の測定およびモード走行試験を行った.その結果,燃費は10−15モードで32.4 km/L,NOxは0.0179 g/kmと良好な結果を得たが,THCおよびCOは最新の自動車排出ガス規制を満たすことができなかった.そこで本年度は,エンジンの燃料供給と点火の制御系パラメータを最適化し,排出ガスの一層のクリーン化を図った.また,車両重量の一層の軽量化を同時に進めた.さらに,車内での低騒音化について対策を行った.
 軽量化では,ホイールおよびジャンクションボックスのアルミ化,軽量シートの採用等により合計13.6kgの軽量化を図った.また,騒音対策として吸音材,遮音材を用い,約2 dBの騒音低減効果を確認した.これらにより,車両重量は最終的に751.3 kgとなった.
 排出ガス量対策に当たっては,次の5つの操作により空燃比制御が適切に行われるようエンジンECUの設定を変更した.
 @O2センサのフィードバック禁止時間の短縮: エンジン始動・停止時の触媒活性化のための時間を0.5秒に短縮し,始動時の排出ガスの悪化を抑制した.
 A燃料カット領域の低回転化: エンジン低回転運転からアイドリングへの移行時に燃料カットを作動させて,減速時の突発的な排出ガスの悪化を抑制した.
 BO2センサのリーン・リッチ判定電圧の変更:燃焼状態がリーンかリッチを判定するO2センサの基準電圧を低下させることで,燃焼のリーン化を図り,定常運転時のCOの排出量を低減した.
 Cアクセルオフ直後の空気流量の確保:エンジン減速時にスロットルが閉じるのを遅らせ,空気流量を確保することでCO排出量を低減した.
 D燃料始動増量および燃料加速増量: 負荷状態に移行したときにNOxが検出されたため,次のエンジン始動・加速時の燃料噴射量を増加させリッチ化することで,NOxの発生を抑制した.
 これら排出ガス対策に加え,点火時期を5 deg,15 deg進角した場合のモード燃費と排出ガス量を測定した結果,15 deg進角時において10-15 モード走行において34.1 km/Lを達成し,各モードにおいて5〜15%の燃費向上効果を確認した.また,排出ガス量の評価値としてCO 0.068 g/km,NOx 0.013 g/km,THC 0.006 g/kmを得て,超低排出ガス性能を確認した.
 さらに,これまで開発を進めてきた数値シミュレーションモデルについては,バッテリ残量計算の変更,燃料カットの導入を行うことで,より高精度で性能,燃費,排出ガス特性の予測が可能なモデルとすることができた.また,燃費の計算値と実験値の比較より,平均速度が低いモードでは燃費が若干高めに計算され,逆に平均速度が高くなるにつれて燃費が低く計算されるものの,それらの差はわずかであった.このことから,本モデルによって車両性能と排出ガス特性を定量的に予測することが可能であり,本モデルが性能評価に有用な手段として使えることを実証することができた.

3.研究成果の発表


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BプロジェクトV:太陽光自立電源システムの開発研究

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:理工学部

教授 秋月 影雄 確率的なシステムの状態推定法開発

幹事:理工学部

助教授 若尾 真治 高精度計算機シミュレータの開発

   理工学部

教授 岩本 伸一 系統連系時のシステムの動作解析

   理工学部

教授 石山 敦士 数値解析によるシステムの最適化

   理工学部

助手 センビリング・ジャカ 独立運転時のシステムの動作解析

   理工総研

客員教授 福富 秀雄 試作実験システムのデータ測定系の開発
   理工総研 客員教授 石田  晶 試作実験システムの制御プログラムの開発
   理工総研 顧問研究員 小貫  天 試作実験システムの構築
1.研究内容
 情報化時代に向けて情報通信網は光ファイバケーブルに置き換えられつつあるが、この際、通信網の随所に配置されるケーブル終端用光通信機器等への電源供給系の信頼性が近年特に重要視されている。銅ケーブルの場合には電話局の高信頼な電源装置からケーブルを介して給電できるが、光ファイバではこれが不可能となり、商用配電系統からの給電に頼らざるを得ないからである。特に、阪神淡路大震災のような広域災害が発生した場合、商用系統が停電すると広い範囲にわたって通信機能が麻痺してしまう恐れがある。以上の背景のもと、本プロジェクトでは、この様な状況に対処し得る光通信機器用バックアップ電源システムとして、太陽光自立電源システムの開発を行うことを目的としている。本開発システムは、光ネットワーク終端に数多く分散配備されるONU装置・無線通信基地局装置など多岐にわたる屋外通信装置をバックアップの対象としている。したがって、対象負荷に応じて、太陽光発電電力を最大限に利用するとともに蓄電池容量を最小化し、所望の動作条件下で極力コンパクトな経済的システムを実現することが具体的な目標である。前年度では、特にシステム内の蓄電池容量を縮小化することに重点をおき、より高度なインテリジェントシステムとしての運転アルゴリズムを検討・開発した。本年度では、開発した運転アルゴリズムを本庄キャンパスに設置された実験システムに導入し、フィールドテストを通じて実用化に向けての最終的な調整・検討を行った。

2.研究成果概要

 本プロジェクトにおける開発システムは、バックアップの対象が光ネットワーク終端に数多く分散配備されるONU装置・無線通信基地局装置などの小型の屋外通信装置であるという性格上、その設置個所は電話ボックスの上や電柱上などの空間的な制約の多い場所となる。したがって、太陽光発電電力を最大限に利用するとともに蓄電池容量を最小化し、所望の動作条件下でシステムを極力コンパクトなものにすることが望ましい。本プロジェクトではこれまでに、災害発生後の所定期間の電力供給が絶えず保証できる様に蓄電池充電量を確保しながら、平時には日射利用率を最大に保ち、かつ商用系統からの補充を最小限に抑えた経済的なインテリジェントシステムの運転アルゴリズムについて検討を重ね、シミュレータを用いて種々の制御方式の特性を明らかにすると同時に、それらの有効性を示してきた。本年度は、これまでに開発してきた電力フロー制御アルゴリズムを本庄キャンパスに設置された実験システムに導入し、フィールドテストを通じてPV利用率、系統補充率等の実測データに基づき提案制御アルゴリズムの有効性を実証した。特に電力フロー制御電子回路の実用化に向けて、チャージコントローラやカレントコントローラのスイッチング前後におけるシステム挙動、蓄電池の満充電状態近傍におけるシステム挙動など、シミュレータのみでは正確な解析が困難な現象を明らかにした。
 また本プロジェクトでは、上記の光通信機器用バックアップ電源システムを展開し、様々な規模のコミュニティに柔軟に対応可能なローカル電力供給システムの構築に向けても検討を行った。特にローカルエリア内の電圧・周波数・位相変動等の電力安定度問題に対する対策が重要と考え、その方策の一つとして、高温超電導コイルを用いた蓄電装置(HTS-SMES)を取り上げた。現在最も開発の進んでいるBi系線材には20〜30K付近の温度領域までは臨界電流密度―磁束密度特性が低下しないという特長がある。この特長を活かし、コンパクト化、低運転コスト化の可能性とともに、従来の低温金属系超電導コイルに比べ安定性が高く、過負荷耐量の向上も期待できるなど、SMES用として望ましい過渡動作特性が期待できる。しかし高温超電導線材を巻線・コイル化したときの運転特性の評価データが不十分であり、設計基準も確立されていない。そこで本プロジェクトでは基礎特性データの蓄積が重要と考え、高温超電導線材(Bi線材)の諸特性(臨界電流密度―磁束密度―温度特性、電流―電圧特性の印加磁界方向依存性など)の測定実験を実施し、世界的にも少ない貴重なデータの取得に成功した。本データは、今後のHTS-SMESの実用化に向けて、極めて重要な基礎データである。
 今後の展開としては、先のも述べた通り、開発した光通信機器用バックアップ電源システムを発展させ、様々な規模のコミュニティに柔軟に対応可能なローカル電力供給システムの構築に向けての検討を行う。次世代の環境エネルギー問題を考えた場合、非化石燃料に基づく分散電源システムの開発は極めて重要である。これらの点を踏まえて、今後は、風力などをはじめとする他種の自然エネルギーの利用や燃料電池、NAS電池等も視野に入れ、システム動作予測のための計算機シミュレータのさらなる高精度化、システム内の電力フロー制御方法のさらなる高度化を図っていく予定である。また、ローカルエリア内の電圧・周波数・位相変動等の電力品質を高品質に保つ様々な方策についても検討する予定である。

3.研究成果の発表


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98F-01
(1)研究組織名:人間総合研究センター
(2)研究期間:1998 〜 2002年度(5年間)
(3)研究プロジェクト及び研究成果概要


ニューロンにおけるシグナリング機構

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:人間科学部

教授

吉岡  亨

研究の総括・シグナリングモデルの形成

分担:人間科学部

教授

山元 大輔

性行動を支配する遺伝子の探索
   人間科学部 柴田 重信 概日リズムを支配する遺伝子の役割

   理工学総合研究センター

教授 高橋 正身 神経伝達物質の遊離機構

   理工学総合研究センター

助教授

井ノ口 馨 シナプス活動に依存して発現する遺伝子

   理工学総合研究センター

講師

池田 真行 ニューロンのCa2+イメージングと神経行動

   理工学総合研究センター

助手

廣野 守俊 ニューロンのパッチクランプ解析

   人間総合研究センター

助手 守屋 孝洋 CaMKUの基質探索と神経行動

   人間総合研究センター

助手 平倉  穣 ニューロンの熱イメージング

1.研究内容

2.研究成果概要

3.研究成果の発表


98-F02
(1)研究組織名:アジア地域文化研究センター
(2)研究期間:1998 〜 2002年度(5年間)
(3)研究プロジェクト及び研究成果概要


アジア地域文化に関する共同研究−演劇・美術史・考古学を中心として−

@アジア地域文化・演劇

・演劇資料保存研究プロジェクト

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

助教授

和田  修 研究の統括
   演劇博物館 嘱託 永井美和子 資料保存技術の調査
   演劇博物館 研究員 松澤 正樹 資料保存に関する文献調査
   演劇博物館 助手 寺田 詩麻 保存資料の調査・作業の記録
   都立中央図書館 嘱託 渡部 和子 保存技術の指導
1.研究内容

当館所蔵の資料は形状および伝損状態が多岐にわたる為、多様な保存方法が求められる上、 もともと演劇の現場で使用されたものが多く、その特徴を生かした保存が必要となる。 本プロジェクトでは、資料の扱い方や保存方法を学びながら、画像資料などとも組み合わせ、保存と閲覧・展示の有機的連関をめざす。 従来の学術研究では、資料自身の研究や保存は図書館・博物館の領域とされてきたが、 その両者に関わる立場から今後の活用を視野に入れた資料の保存方法を確立することを目的とする。

2.研究成果概要

2001年度においては
・ 安田文庫能楽資料補修 10点57冊   ・その他貴重書補修 15点 20冊
・ 菱田コレクション等軸装・補修 20点
・ 本年度は虫損等の破損がひどいものが多く、一点に費やす時間が多かった。
・ 2001年度も昨年に引き続き脱酸素材を使用した密閉梱包法をすすめ、個々の資料にあった個別環境を作り出した。一例としては「惑星ピスタチオ展」で彫刻家橘氏から寄贈された鉄製の舞台模型を錆による劣化から守るため無酸素状態になるよう梱包し、長期保存の体制をとった。

3.研究成果の発表

2001年度の2回のプロジェクト研究会においての口頭報告。


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・翁・三番叟の民俗的・思想的研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:日本大学文学部

教授 高山  茂 翁・三番叟のデータベース作業の監修。集まったデータの確認、7県のデータ収集
分担:共立女子大学 教授 佐藤 正英 各県別に分担して翁三番叟の現況把握

データの収集、検討
  (財)東方研究会 研究員 吉村  均
   早稲田大学大学院 名古屋大学
専任講師
マルジネアン・
ルクサンドラ
   早稲田大学大学院 修士修了 曽原 聡子
   早稲田大学大学院 博士課程 松見 正一
連絡:早稲田大学演劇博物館 助手 南 聲 鎬
1.研究内容

全国各地に伝わる民俗芸能のさまざまな翁舞・三番叟舞はもちろん、日本およびアジアの関連した性格をもつ芸能まえ視野に入れて、その本質性および民俗的な意義を考究する。各地各様の翁・三番叟の分布データを作成し、その位相を明確にし、翁・三番叟研究の新側面を拓くことを目的にする。現在240余件を集めている。データベース化によって、全国の分布状況が明らかにして、翁三番叟が能楽から民俗芸能への移ることによってどのように変化してきたかを把握する。分布図を作成して翁三番叟が伝承されている地域とそうではない地域を検討して、歴史的な背景を把握する。

2.研究成果概要

年夏休みと冬休みの間を除いて毎月一回の研究会を行った。特に松見正一氏が参加することによって研究会が活発になっている。松見氏の加入により、静岡県一帯に伝承されている民俗芸能のなかの翁三番叟はほぼ完全に把握することが出来た。2400余件を集めたデータからも推測できるが、九州地域、山陰地域には極めて伝承が少ない。その原因を歴史的な背景から検討する。2002年度の研究プロジェクトの最終年度まで、一つ一つデータ性格性を追求する。研究成果の一環として昨年1月に開催された研究プロジェクト発表会に発表した。
高山茂氏・松見正一氏・南聲鎬氏「各地の翁・三番叟 −その伝承と特色−」
(翁・三番叟の民俗的思想的研究会)
内容:調査で判明した事例を韮崎周辺(高山)、伊豆周辺(松見)についてスライド等を使用して発表し、あわせて日本全国の翁・三番叟上演データベースの作成方針と現状について(南)説明があった。
 集まったデータの確認作業を行い、未収集のデータをおぎなう。県別に分担した翁三番叟の調査事項を毎月開催する研究会に会員一人ずつ報告し、会員全員が一つ一つのデータについて確認作業をしている段階である。

3.研究成果の発表



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・音曲正本研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学文学部

助教授 和田  修 音曲正本目録作成の実際作業
分担:立命館大学文学部 助教授 赤間  亮 音曲正本基礎データの作成
   国立音楽大学 講師 根岸 正海 データと原本の照合・補正
連絡:早稲田大学演劇博物館 助手 寺田 詩麻 連絡係・雑務
1.研究内容

演劇博物館が所蔵する6000点の音曲正本のデータ化、目録化を行う。国立音楽大学における『竹内道敬寄託文庫目録』作成の中心メンバーであった根岸正海氏の協力を受け、共同研究とすることで多角的で学術的により高度なデータ化を目指す。インターネットによる画像付きデータベース公開を行いつつ、冊子体の目録である特別資料目録7『貴重書 江戸篇(一)』を作成し、発表することが最終目標である。

2.研究成果概要

すでに2001年度に、音曲正本そのもののデジタルカメラによる撮影が終了し、インターネット上に公開したデータベースに画像を付加する形で一般の広範な資料閲覧が可能になりつつある。当初からのもっとも大きな課題である特別資料目録7『貴重書 江戸篇(一)』の完成は今年度かなわなかったが、問題点は音曲の題名を索引でできるだけ簡便に引くためにはどう処理すべきかという問題が処理できなかったことにある。すでに原物と照合して行うべき作業はほぼ終了しているが、上にも記したとおりこのプロジェクトの最終目標が当館所蔵の音曲正本目録である特別資料目録7『貴重書 江戸篇(一)』の完成である。冊子体の目録はコンピュータを使用することが環境上不可能である場合や、系統立てて調査を行いたい場合にやはり必要である。また、すでに予算を取っている事業でもあるので、今年度作業を進めるためには、作成が難航している索引を仕上げ、内容を見直して出版に持ち込むことが急務である。最大の努力をしたい。


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・義太夫節正本研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学

教授 内山美樹子 研究代表者。浄瑠璃作品の翻刻。
分担:早稲田大学 名誉教授 鳥越 文蔵 翻刻凡例の作成。翻刻の全点検。
明治大学 兼任講師 飯島  満 浄瑠璃作品翻刻。漢字入力点検。
大東文化大学 助教授 池山  晃 浄瑠璃作品の翻刻。
    川口 節子 浄瑠璃作品の翻刻。
日本学術振興会 特別研究員 神津 武男 諸本調査基礎方針、データ作成。浄瑠璃作品翻刻。連絡・調整。
玉川大学 助教授 坂本 清恵 浄瑠璃作品の翻刻。国語学的検討。
国立劇場 主査 桜井  弘 浄瑠璃作品の翻刻。
桐朋学園大学短期大学部 非常勤講師 東  晴美 浄瑠璃作品の翻刻。データ作成方針検討。
国立文楽劇場   渕田 裕介 浄瑠璃作品の翻刻。
    山之内英明 浄瑠璃作品の翻刻。
早稲田大学 助教授 和田  修 浄瑠璃作品の翻刻。
連絡:東京学芸大学 助教授 黒石 陽子 浄瑠璃作品翻刻。連絡・研究計画の調整。
1.研究内容

未翻刻浄瑠璃作品についての翻刻を行う。昨年度まで進めてきた翻刻方針の検討や凡例作成を踏まえて翻刻作業を行い、その上でさらに問題となる点についての検討を重ねた。本年で一応の翻刻凡例を確定し、さらに作業を進めながら問題点を検討している。また副本の収集整理にも着手した。

2.研究成果概要

 副本の選定、収集を全体の三分の一程度進めた。現在、国立国会図書館、国立劇場、早稲田大学、早稲田大学演劇博物館、国文学研究資料館、都立中央図書館等の蔵書について諸本調査の結果に基づき、翻刻する際の善本を選定、収集している。これに基づき、副本を踏まえた上で第4次翻刻まで進んだ作品がある。
 昨年度までの作業、研究を踏まえ、月に一回の研究会を開き、翻刻の方法について検討を重ねた。研究会では各担当者の翻刻作業の中でこれまでの凡例を踏まえた上でも生じてくる問題について取り上げ、問題を共有化して検討し、その上でそれぞれの翻刻作業に反映させて進めている。そのため、凡例は常に更新される形で進んでおり、試行錯誤の面は否めないが、これにより、より正確で明確な方針をうち立てることを目標としている。
 なお本年度はその結果漢字入力の基準、文字譜の扱い、電子入力に際しての問題についての一定の基準を明確にすることができ、12月の段階でこれまでのものを改訂し、まとめた。さらにその後も検討を重ねており、特に文字譜の問題は一応の基準は設けたものの、まだ検討すべき問題が多々残されている。電子入力化したものの公開の方法についても検討しており、より読みやすい形で未翻刻であった浄瑠璃本文を読めるような環境作りを目指している。

3.研究成果の発表

[論文]

<口頭発表>


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・近現代芸能史研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:東京文化財研究所

研究員 児玉 竜一 近現代歌舞伎史
分担:東京文化財研究所 芸能室長 宮田 繁幸 近現代喜劇史
   横浜商科大学 講師 濱口 幸一 近現代映画史
   早稲田大学文学部 講師 今岡謙太郎 近現代演芸史
   跡見女子大学 講師 鈴木 英一 近現代邦楽・舞踊史
   早稲田大学演劇博物館 助手 寺田 詩麻 近現代興行史
   早稲田大学演劇博物館 嘱託 永井美和子 資料保存・修復
1.研究内容

戦後50年をすぎた現在、明治・大正は非常に遠く、昭和の初年でさえも、もはや意識の上では近代の領域といった感がある。演劇に関して言えば、殊にこの近年当時を知る関係者の物故も多く、急速に情報が失われつつある。そこでこの研究会においては、演劇博物館の近代以降の収蔵品を中心として、資料整理保存・目録作成・公開(展示)などの作業を行うことによって、改めて近代から現代に至るまで演劇の流れや、現在の演劇界に与えた影響などを明らかにし、日本の演劇史上での位置付を試みたい。

2.研究成果概要

2001年度の活動としては、文化庁で失われる可能性のある伝統芸能を調査・保存しようという事業があり、そのひとつに近世から続いている寄席芸能の講談が選出された。そこで文化庁から講談調査推進委員会という団体に委嘱があり、その団体から演博と近代芸能研究プロジェクトに協力要請があった。そこで、今岡研究員を中心として演博をはじめとする講談資料の調査研究を行った。その結果、七代目貞山の旧蔵品などを中心として、今まであまり知られていない資料があることが改めて解ったので、2002年度に展示会として成果を公表することとした。さらに、近年、物故者が多く、ますます過去の記憶が失われていっている。そこで市井の演劇愛好者をも含め、当時の演劇状況をよく知る高齢者の聞き書き調査を開始することにした。手始めに逍遥協会会員で、幼少時から92歳の現在まで歌舞伎や能を見つづけておられる新居あい氏に、市村座の話などを中心にお話を伺った。これは内容を整理し次第、何らかの形で公表しようと考えている。

3.研究成果の発表


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・現代演劇資料収集・保存・公開プロジェクト

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学演劇博物館

助手 前田 愛実 ダンス・パフォーマンスなどの資料の収集および保存、公開方法の調査
幹事:早稲田大学演劇博物館 助手 阿部由香子 新劇、小劇場系現代演劇の資料の収集、および、保存、公開方法の調査
1.研究内容

これまであまり研究対象とされてこなかった現代演劇の資料を系統的に収集し、保存、公開するプロジェクトである。また、興行スタイル一つをとっても日々変化する現代演劇の流れを汲み取りつつ、煩雑になりがちな各種資料の特性を分析し、それにみあった研究運用の方法を探究する。

2.研究成果概要

1.首都圏および首都圏以外の地域を含む(おもに関西や東海)2001年度の上演資料の収集とデータ入力。
2.「惑星ピスタチオ」「ク・ナウカシアターカンパニー」「太陽族」のご協力による展示を中心とした公開活動。新たな試みとして、原寸大の舞台装置や模型を扱ったり、演博正面舞台での上演、ワークショップなどを行うなど、現代に生きる演劇の同時代性を考察した新たな展示スタイルを試みた。
3.「南河内万歳一座」「演劇集団キャラメルボックス」「加藤健一事務所」各劇団の協力により2000年度に収集した資料のデータ整備をひきつづきおこなった。
4.DM研の協力のもと、これまで整備してきたデータベースを、ウェブ上で公開した。また展示以外の公開方法として暫定的にちらしの閲覧を試みている。

3.研究成果の発表

展示活動


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・初代梅若實日記刊行会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学演劇博物館

顧問 鳥越 文蔵 監修
分担:武蔵野女子大学 名誉教授 小林  責 編集
   法政大学能楽研究所 所長 西野 春雄 編集
   名古屋女子大学 教授 林  和利 翻刻・編集
   お茶の水女子大学 博士課程 気多恵子 翻刻・編集
   群馬大学 講師 三浦 祐子 翻刻・編集
   國學院大學 講師 城崎 陽子 翻刻・編集
   早稲田大学文学部 博士課程 佐藤 祐子 翻刻・編集
   株ェ木書店 出版部 滝口 富夫 翻刻・編集
   早稲田大学演劇博物館 嘱託 永井美和子 事務局
1.研究内容

初代梅若実日記は、近代能楽を代表する名人の一人、初代梅若実が遺した60年にわたる日常記録である。幕府瓦解に伴う能楽の危機の渦中にあって、東京の能楽復興を担った中心人物の記録は研究が少ない近代の能楽の歩みを辿る根本資料の一つとなる。また、後に表面化する観世宗家と梅若流を巡る家元問題の研究資料としても超一流であり、幕末から明治にかけて激変する風俗の資料としても興味深い。この資料の翻刻・公開によって近代の能楽及び東京の芸能界研究に広く質することを目的とする。

2.研究成果概要

2001年度は、刊行に向けての校正を進め、翻刻の最終チェックを行うとともに凡例等の問題点を討議するために編集委員会を数度に渡り開催した。殊に難読文字の読解、句点の打ち方、能の番組等の組み方・図版の入れ方など細部の統一・調整に関して討議した。2002年1月に八木書店から日記の第一巻を刊行し、その後も継続して第二巻以降の校正作業を行った。またこの作業課程で明らかになったことなど、編集委員の手によってそれぞれ論文等にまとめられている。

3.研究成果の発表


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・三村竹清日記研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学演劇博物館

研究員 柴田 光彦 巻53翻刻・巻34校正・巻20版下作成・巻20〜23版下校正
監事:文学部 教授 雲英 末雄 巻54翻刻・巻35校正
分担:和洋女子大学 非常勤講師 伊藤 善隆 巻55翻刻・巻36校正・巻22版下作成と校正
   文学研究科 院生 金子 俊之 巻56翻刻・巻37校正・巻23版下作成と校正
   逍遙協会   菊池  明 巻38校正・巻21版下作成と校正
   文学研究科 院生 二又  淳 巻57翻刻・巻39校正
   中央図書館 職員 松山  薫 巻58翻刻・巻40校正
   東京都 職員 柳澤 和子 巻59翻刻・巻42校正
事務局:早稲田大学演劇博物館 研究員 松澤 正樹 巻60翻刻・巻41校正・巻20〜23版下校正
1.研究内容

昨年度に引き続き、演劇博物館紀要『演劇研究』第25号掲載の分の翻刻校正をおこない、各メンバーが新たに昭和二年以降の各一巻を担当して、翻刻原稿の蓄積をおこなう。また、前年度翻刻済み原稿の校正により誌面発表の準備をし、過去発表分のデータを作成・蓄積する。

2.研究成果概要

 上記の担当で、九月までに巻53から巻60(昭和二年五月十三日〜同四年十月二十三日)の粗翻刻を行い、数度の研究会を開いて通読・読み合わせを行った。大部になるため、いまだすべての読み合わせに至っていないが、目標の範囲は大方翻刻出来た。 
 昨年度、記事の内容が多岐に亘るため、書画・古泉・書肆・宗教・教育・文化・政治・経済それぞれの分野についての調査班を設けたが、今年度も引き続き参考資料の考証・支証を行い、問題の抽出をはかった。
 秋以降は、演劇博物館紀要『演劇研究』第25号に掲載分の版下作成・校正に作業が集中したが、今回は昨年反町雄一氏からの演劇博物館への竹清旧蔵資料寄贈を記念して、通常の二倍にあたる4冊分を一挙に発表することとなった。また、昨年度に引き続き、今後単行本による発表を視野に入れて、改めて翻刻方法の凡例の練り直しをした。紙媒体を使って出すにあたり、どのように組んでゆくのが最も適しているかがキーポイントとなったが、同時にパソコン入力によるデータ蓄積にも適した方法を考えることも必要であった。
 過去発表分のテキストデータ化については、今年度は1冊も出来なかった。過去の印刷技術やPC技術と今日のそれらとの格段の違い(進歩)により、入力方法ももう一工夫する必要が感じられたからである。今後予定している単行本による発表にもっとも有効なデータ化を目下考案中である。
 今回紀要に発表した分で特に注目されることは、浄土宗の聞法が頻繁に見られることであった。これは今後の記事にも見られる傾向であり、竹清と佛教との関わりは重要な要素となるであろうと思われる。今回は、椎尾弁匡師の著書、『往生要集』、『觀無量壽經』を多く参照して、上の問題を考察し話し合った。

3.研究成果の発表


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・千葉胤男(辻町)文庫研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学文学部

助教授 和田  修 古浄瑠璃・歌謡関連書籍担当
分担:山口県立大国際文化学研究科 教授 鳥越 文蔵 浄瑠璃関連書籍整理監修
早稲田大学文学部 教授 内山美樹子 浄瑠璃関連書籍整理監修
愛知県図書館   浦部 幹資 浄瑠璃関連書籍整理監修
国立文楽劇場   桜井  弘 浄瑠璃関連書籍整理監修
立命館大学文学部 助教授 赤間  亮 作業計画と資料整理全体の統括
国立音楽大学 非常勤講師 根岸 正海 音曲正本担当・指導
早稲田大学演劇博物館 研究員 松澤 正樹 義太夫丸本・稽古本担当
早稲田大学演劇博物館 助手 寺田 詩麻 番付・台帳担当 雑務
1.研究内容

1999年度、千葉胤男氏遺族から御寄贈を受けた旧蔵書群「辻町文庫」の分野ごとの分担整理と、コレクション資料が演劇・文学研究の上でどう位置づけられ、具体的にどのような点が学界に裨益するものであるかの研究と調査。

2.研究成果概要

2001年度も分野ごとに資料の仕分けを行い、資料一点ずつに仮番号を与えてデータベースに入力する形で整理を行ってきた。
分野は前年度に提出した報告書と基本的には変更がない。
基本的にはそれぞれ年代順に考証して古いものから順に並べてゆく方法をとるが、資料の性質によっては音曲の種類や上演形態を勘案して種類別に再分類した上で、改めて年代順に並べ直す整理を必要とするものもある。
具体的には古浄瑠璃・義太夫節の、文学研究におけるテキストにあたる丸本と、それを稽古するときに用いる抄本の「稽古本」、「段物集」、及び音曲正本のうち宮古路、一中、薗八などの古曲の正本はほぼ仮整理が終了し、正番号を与えて配架を待つ状態になっている。特に、古浄瑠璃・義太夫の丸本については要請の多いこともあり、受入作業の終了次第、2002年度中に閲覧を開始したいと考えている。これらは量的に全体の半分を占める分野であり、千葉氏の生前からもっとも有名な収集ジャンルでもあったが、実際に、今後の演劇研究に新たな材料を提供する質の高い稀本が多いことが改めて明らかになりつつある。
近世の比較的後期に発達した豊後節系音曲と長唄の正本は、仮番号を付けたものの、いまだに音曲ごとの分類整理が終了せず、本番号を付けることができない状態である。これはひとえに近世の音曲の複雑な発展のためであるわけであるが、保管する側としては何らかの対策を講じなければならないので、常磐津、富本、長唄の3ジャンルでまとめざるを得ないと考えている。
現在のプログラムにあたる歌舞伎・浄瑠璃の番付は、現在整理している仮番号がそのまま本番号になる形で整理できる見通しがついてきた。現在鋭意入力中である。
俗曲・俗謡については珍しいものも多く非常に興味深いが、年代のはっきりしないものがほとんどであるため研究・整理が難航している。2001年度中はついに手が着かなかった分野であるが、最終的には書名五〇音順で整理せざるを得ないであろう。
台帳は、量は少ないが本の組み合わせがはっきりしないものが多く、仮番号を与えるにとどまっている。
雑書、草双紙・合巻については文学研究科の学生の協力を得て一通り整理が終了している。音曲正本類にみられるような稀本はほとんどないが、演劇博物館新収の合巻が多少ある。
洋装本・洋書はアルバイトにより仕分けと整理が終了しているが、演劇に関連しない書籍も多く、研究機関としてどこまで受け入れて公開を許容すべきかが今後の課題である。現在のところ、通し番号を与えてラベルを貼り、今年度夏までに整理する計画が順次進められている。
千葉胤男氏の父であり文学者・建築家である掬香氏に関する書留類、相続関係などの書類、演劇関係以外の研究文献類も多数出てきているが、これらも同様に保存と公開が今後の課題となるものと思われる。
近現代演劇のプログラム類は資料の形態が雑多であり、また量も非常に多いため分類方法がいまだに確立していない。おそらく目録には「一括」などの形で記さざるを得ないと思うが、演劇博物館の現代演劇担当の助手と相談しつつ、最良の方法を探る予定である。

3.研究成果の発表

2001年後期 演劇博物館研究プロジェクト発表会(2002年1月26日(土)14:00〜17:00早稲田大学16号館607教室)において次の2発表を行った。


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・東洋研究班

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学人間科学部

講師 稲葉 明子 説唱文学調査研究
分担:立教大学社会学部 助教授 細井 尚子 中国儀礼民俗研究
1.研究内容

 演劇博物館所蔵東洋演劇資料を基に、東洋演劇資料の収集・研究・公開活動を行う。
 演劇博物館には、成立の背景、歴史的経緯により、戦前にアジア各地から寄せられた貴重な演劇資料を多数保有する。戦後一時期東洋関係の活動は行われなくなったが、近年のアジア諸国の急速な経済発展と日本におけるアジア交流への期待の高まりの中で、アジア関係の文化活動はますます重要なものになっている。
 研究機関として信頼のおける時宜を得た活動を行い、同時に将来のアジア関係研究者を育成するための効果的基盤をつくっていくことを目的とする。 
2000年度に行った活動:
(1)中国西南地区儀式・演劇研究
 儀式儀礼研究上重要な意味をもつ中国西南地区において、従来把握の難しかった四川省の端公の活動について、基礎的調査を行い資料を公開するとともに、その宗教性・地域社会における意味にまでふみこんで輪郭を明らかにすることを目指す。
(2)中国影絵芝居の研究
 全国の影絵芝居について上演の現状を把握し基礎的映像資料を得るとともに、次なる研究の段階にむけて必要な基礎を確立する。

2.研究成果概要

(1)中国西南地区儀式・演劇研究
 1999-2000年度科学研究費補助金基盤研究B(国際学術研究・共同研究)『中国西南儺戯における儀礼と芸術研究』の成果をまとめ、研究成果報告書を編んだ。稲葉は「安順地区調査ノート」として安順地区調査の状況とその中で新たに得た地域考察のための着眼点を示するとともに、「安順地戯における唱書調と演出調」(『中国西南の仮面劇と基層文化の研究』(文部省科学研究費補助金基盤研究C研究成果報告書研究代表者:稲畑耕一郎)で安順地戯の歌唱に上演時の「演出調」とは別に「唱書調」のあることを発見し、その構造上の特徴を分析した上で、それが歌詞の記憶に深く関わるという演者の証言をひきだす。共時的・通時的にひろがる詩讃系説唱文学への構造上のアプローチの試みであり、西南地区の儀式・演劇にとりこまれたそれらの唱腔・歌詞の様態はその具体的な素材として継続して追究されるべきであろう。
 細井は、儀式儀礼研究上重要な意味をもつ中国西南地区において、従来把握の難しかった四川省の端公の活動について、基礎的調査を行い、その宗教性・地域社会における意味にまでふみこんで輪郭を明らかにすることを目指す。科学研究費補助金基盤研究B『中国西南儺戯における儀礼と芸術研究』では「四川の端公−杜家端公班を窓口に−」で、90年代以来十年あまりにわたって聞き取り調査を続けてきた四川省の端公社会的宗教的位置付けを提示し、従来の演劇パフォーマンスの視点のみならず、最も困難とされた宗教的側面の全面的な把握を試みた。更に、国際共同研究を共に行ってきた四川省川劇学学会と協力し、国際交流基金アジアセンター「四川端公パフォーマンス記録保存事業」を得て、いまや最後の一人となってしまった端公の記憶のなかにのみ残る往時のパフォーマンスを復元・記録する活動を実現させた。
(2) 中国影絵芝居の研究
 演劇博物館には戦前の中国東北部の影絵芝居人形の貴重なコレクションがある。中国国内では戦後の様々な社会変動により農村の芸能のありかたも大きく様変わりし、特に90年代以降各地で影絵芝居が絶唱となって、多くの影絵芝居人形が市場にでまわるようになった。美術品としての収集や研究、制作方法の伝承は行われているが、従来の演劇パフォーマンスの様態や社会的意義については調査されることのないまま、コレクターの手により散佚する例があとをたたない。
 東洋研究班では四川大学江玉祥教授と国際共同研究チームを作り、四川省・陜西省・山西省・河南省・遼寧省・河北省・雲南省・湖南省の15にのぼる影絵芝居の調査を行った。農村の純粋なエンターテインメントであったことから、卑俗なものとして各地政府も把握に熱心ではなく、現段階では、影絵芝居の分布と実態を確認、というより発見する必要がある。しかも、そのほとんどが現在6・70代となった老芸人のあとに後継者がいない。人形コレクションの意義もさることながら、その演劇・歌詞・音楽・舞台パフォーマンス・社会的役割など、早急に調査記録を行う必要があろう。既にAV閲覧室にて30本を越えるビデオ資料を公開したが、各地のインタビューテープはさらにその数倍にのぼる。この分析を急ぎたい。一方で、将来のより深い研究の展開のために、いくつかの特色有る歌詞を持つ地域とは、現地政府や演者本人と協力して歌唱をテープに記録・収集している。こうした協力関係によりより多くの貴重な「芸」を記録にとどめ、将来の演劇博物館利用者に研究資料として提供したい。

3.研究成果の発表:


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・囃子研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 竹本 幹夫 全体の統括・能楽史からの考察
分担:横浜国立大学 教授 三宅 晶子 能楽史・囃子研究からの考察
   東京国立文化財研究所 主任研究官 高桑いづみ 能楽史・囃子研究からの考察
   能楽師   荒木 亮 現在の上演方法との比較・考察
   能楽師   佐々木浩一 現在の上演方法との比較・考察
   能楽研究家   清田 弘 現在の上演・九淵の教えとの比較・考察
   能楽研究家   大畑 綾子 囃子研究からの考察
   佐渡高校 教諭 藍原 清巳 囃子研究からの考察
   文学研究科 M3 江口 文恵 能楽史研究からの考察
   文学研究科 M3 田草川みずき 能楽史研究からの考察
(連絡係)京都市立芸術大学 研究員 岡田万里子 川崎九淵研究からの考察
1.研究内容

大鼓葛野流の川崎九淵(明治7年〜昭和36年)は、明治・大正・昭和の三代にわたって活躍した、まさに近代の囃子を支えた名人であった。充実した舞台のみならず、囃子の理論化や養成事業にも尽くしたことでしられている。その川崎九淵旧蔵書を中心とする川崎家旧蔵資料が演劇博物館に一括して寄贈され、1999年1月に「川崎九淵展―能の囃子と近代―」を開催した。その展示に協力していただいた学内外の研究者、能楽師を中心に研究会を組織し、さらに深く川崎九淵旧蔵資料を研究し、「川崎九淵によって整えられた」といわれる葛野流大鼓を主に能の囃子の変遷を考察する。

2.研究成果概要

昨年に引き続き、毎月一回文学部で開催した定例研究会で『享和元年葛野小十郎奥書葛野流伝書』(ハ13-53)天地人三冊の講読を行った。
4月7日(土)文学部第六会議室 地の巻
5月12日(土)文学部第六会議室 地の巻
6月2日(土) 文学部第六会議室 地の巻(担当者:竹本幹夫)
7月7日(土) 文学部第五会議室 地の巻(担当者:荒木亮)
8月4日(土) 文学部第六会議室 地の巻
9月16日(土)文学部第六会議室 地の巻
10月6日(土)文学部第四会議室 地の巻
11月10日(土)文学部第六会議室 (担当:田草川みずき・荒木亮)
12月14日(土)文学部第四会議室 人の巻(担当:三宅晶子)
1月12日(土)文学部第六会議室 人の巻(担当:三宅晶子)
2月2日(土) 文学部第六会議室 人の巻(担当:岡田万里子)
3月9日(土) 文学部第六会議室 人の巻(担当:岡田万里子)
この書は『江戸前期筆葛野流伝書』(ハ13-52)五冊本の写しかとも思われるが、原本は破損が甚だしく、研究会開始時点において、閲覧・写真撮影共に不可であったため、三冊本の講読を進めたものである。原本のうち、その後、閲覧が可能になった部分とは、校合をおこなっている。
 原本と考えられる三冊本およびこの五冊本の伝書は、演劇博物館に寄贈された川崎家旧蔵の葛野宗家資料の中では比較的まとまったものであり、九淵の手に渡った葛野宗家資料の性格を知る上で好資料であると考えられたため、講読の対象とした。
 発表を担当する研究会メンバーは、興味や発表の趣旨もそれぞれに異なっているので、活発な質疑応答や議論もあり、当初考えていた江戸時代以降の囃子の変遷のみならず、能楽史全体を通じた変遷を考察できる結果となっている。講読に際しては、九淵旧蔵の葛野流資料をはじめとする演劇博物館所蔵の資料群や、公刊されている伝書類、また、研究会で複写・収集した囃子関連の伝書をも参考資料として比較検討を加え、記された演出の機能や意義を考察している。他の伝書の同じ項目の記述とは、合致する部分もあり、また異なる箇所、両者を参考して演出を具体的に知る部分もあり、能の曲や小書の性格をとらえる発展性もあり、興味深い成果をあげることができている。また、現在の演出を能楽師のメンバーが紹介し、伝書に記された演出との比較を行うほか、近年の種々の演出を能楽研究家のメンバーが教示するなど、現在の能のあり方にも言及することが多い。
 また、2001年度に講読をはじめた『享和元年葛野小十郎奥書葛野流伝書』(ハ13-53)の三巻目「人の巻」には、「永住院様書写」(永住院は五代の葛野流宗家)とある記述に、江戸時代初期頃にまでさかのぼる記事が散見し、当時の能や当時の演出を知る上で興味深い記述がみられる。これにより、川崎九淵、あるいは葛野流の大鼓という限定的な範疇を超えた研究を行うことが可能となっている。 
 さらに、2001年度に複写を行った法政大学能楽研究所所蔵の大鼓石井流の伝書は、具体的な記述をはじめ、今日の能の囃子を考察する上で絶好の書ともいうべきもので、葛野流伝書の記述を解釈する上で有効に活用している。


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・旧帝國劇場研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学演劇博物館

館長 伊藤 洋 演博側の交渉の統括
   理工学部 教授 中川  武 理工側の交渉の統括
   江戸東京博物館 研究員 米山  勇 建築史からの復元考察
   (株)シアターワークショップ 社員 小林 徹也 劇場建築からの復元考察
     高遠 晴子 建築史からの復元考察
連絡:理工学部 修士2 大井 康介 建築史からの復元考察
   東京国立文化財研究所 研究官 児玉 竜一 日本演劇の資料収集・考察
1.研究内容

明治44年に開場した帝国劇場は、日本初の本格的な洋風劇場として、劇場建築史ならび日本演劇史上、きわめて重要な劇場である。本研究では、旧帝国劇場の復元図面制作を中心に、建築史と演劇史の双方からの視点から考察してきた。模型製作においては、旧帝国劇場は彫刻がふんだんに施されているため、現代建築の模型にしやすいデザインとは異なり模型製作が造形によるところが大きい。模型制作の方法を検討しながら模型制作を進めている。

2.研究成果概要

 1998年度から、早稲田大学特定課題研究費の助成を受け、建築史と演劇史の分科研究会のほか、月例の共同研究会を行ってきた。1999年の半ばより理工学部と文学部が別々に調査・研究を始め、理工学部は模型用図面の微調整と意匠の裏付け調査を進めてきた。
 2001年度は模型製作の再検討を行った。内観、舞台機構の詳細資料が少なく、手をつけられない部分が多く模型製作は外観にとどめることとした。
模型進捗状況については、大きく分けると、模型用図面の作成(微調整)とレーザーカッターによる部材の切り出しの2つである。 
 模型用図面に関して外壁、窓については完成しており、未完成部分はパラペット及びランプ、装飾部分、コーニス部分となっている。 
 模型用図面を作成するために、オリジナル旧帝國劇場図面コピー、写真、復元図面の3点を元に調整を行った。部材の寸法が数値として表記されていない部分に関しては、詳細図をもとにタイル一枚分の寸法(0.225尺)を基準にして決定していった。図面と写真を比較した際に、詳細部分(モールディングの形、コーニスにおけるディンテルの数、窓枠の形、パラペット上のランプなど)において相違が見つかった。これに点においては、当時、建設された旧帝國劇場の模型復元が本来の主旨であるため、写真で明らかに判断できる部分についてはその写真に従い、不明確な部分については図面に従うという優先順位のもと模型制作を進めた。また同一箇所の図面でも2種類のものがあり、それに関しては写真と比べることで近いモノを採用した。 
 部材の切り出しに関しては外壁、窓ともに6割程度が終了しており、随時組み立てを行っていく。装飾については、レーザーカッターの性能上から考えても、また詳細な凹凸が把握できないことから考えても、精密に作ることが困難なため簡略化して製作することにした。色彩に関しては、材料から判断した。
 建築彫刻に関連する研究は、明治の時代背景と、帝劇が模範したとされる西欧の建築についても触れながら、日本の近代建築における建築装飾、そしてその源泉である西欧の装飾様式について言及することができた。

3.研究成果の発表:


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・日本演劇紹介プロジェクト

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:立教大学社会学部

助教授 細井 尚子 日本演劇解説書の模索
分担:早稲田大学人間科学部 講師 稲葉 明子 海外での日本演劇紹介ニーズの調査
1.研究内容

 海外において、日本の演劇が知りたい、展示があればみてみたいというニーズは多い。また日本において、日本の演劇を伝えたい、機会があれば展示をしてみたい、と思う日本人も多い。しかし、日本演劇の専門家が海外で活動をすることは少なく、そうした海外の声を受け止めるのは海外にて海外を扱う人、即ち日本演劇の専門家ではないことが多い。
 海外の事柄を研究する者が自らの母国日本の紹介を求められたとき、両者の「知りたい」内容と「知らせたい」内容に隔たりを見出すことがある。というより、このままではすれ違ったままだ、という情景が見えてしまうことがある。海外に紹介されるべきは何か、日本人は何に無自覚か、その両者を追究しない限り、海外展示を行う勇気はおこらない。これを提示し、できれば本当にすれ違いをなくすことのできる展示を考えたい。

2.研究成果概要

 本研究は、(1)日本演劇を紹介するためのコンテンツを考える活動と、(2)海外でのニーズを知るための活動の2本だてで行ってきた。
(1)日本演劇紹介
 「日本演劇」といっても、個々人のイメージの中の日本演劇は様々であろう。あらゆる活動はどの瞬間にもその理想を志向しているのであって、ひとつひとつを追究していけば、どこまでも個別細分化されていくのは当然である。「概説」「概観」とは恣意的にそうした現象に道筋をつける作業であって、徹底的に細部を網羅したうえで、最後は果断が必要である。まずは各時代、各ジャンルの専門家の意見をうかがい、視野を広げていきたい。
 次に、日本人として持っている背景・予備知識を脱ぎ捨てて相対化する必要がある。基本的な歴史の知識、人間の振る舞いに対する好き嫌いの傾向、日本人だからこそ自明なことが外国人に共通しているとは限らない。例えば、日本演劇の展示キャプションを英訳しようとすると、日本語のほうは単語ですんでも、英訳では説明的にならざるを得ないことがある。これは単語レベルではなく、全てについて言えることであり、最も本質的な問題である。日本人を対象とした「日本演劇史」をそのまま翻訳してもおそらくはきちんと伝わらない。相当自覚的に頑張っても日本人には解決できない問題である。海外協力者をみつけるなどして努力していくべき課題であろう。
 特に、日本人が日本演劇を愛好する場合にも、研究する場合にも、これに民族的自負が加わり、次第に厳かに、難しくなり、どうせ外国人には伝わらないだろうと最初からあきらめる傾向がある。理解のために、まず何が必要なのかを考え、そうした日本人側に示していきたい。
(2) 海外でのニーズ
 日本人が海外で文化を紹介したいという場合、日本の一番いいところ、自分が一番すばらしいところを紹介したいと思うのは当然であろうが、それは上記の「どうせ外国人にはわかるまい」な境地であることが多い。これは既に矛盾である。
 加えて、日本では非常に価値の高いものを「モノ」としてもっていったとしても、外国人からすればそれは崇「高」なのではなく「珍奇」なだけであることも多い。
 必要なのはこちらが何を見せたいかではなく、そちらが何を見たいか、ではなかろうか。 
 こうした視点から、海外調査の折に出会った方々に、
・ その土地での文化活動・展示活動
・ 興味を感じる文化活動
・ その土地での海外文化紹介活動・ 外国や日本への認識・イメージ
・ その土地で日本演劇紹介展示を行った場合どうなるか
などについてインタビューを行っている。海外で活動していてかねがね気になっていたことではあるが、本研究課題立ち上げに伴い具体的な認識となった。本年度は四川大学博物館、四川省川劇学学会、貴州民族学院、湖南省木偶皮影劇団、湖南省瀏陽文化館の関係者の皆様に貴重な意見をうかがった。一般の方よりは中国の方と交流する機会の多かった筆者であるが、結果は予想以上にショッキングなものであり、次から次と新たな着想を得ることができた。日本のイメージが高倉健と山口百恵で止まっているのは、様々な問題を提起してくれる。こうした問題を追究し、意義のある海外展示を考えていきたい。

3.研究成果の発表

本年は無し。


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・DVD-ROM野村万作


プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学演劇博物館

副館長 竹本 幹夫 研究の統括
分担:名古屋女子大学 教授 林  和利 DVDの制作
   東京メディアコネクションズ社 社長 宇田川東樹 制作プロデュース
1.研究内容

野村万作狂言DVDの制作


2.研究成果概要

2001年6月、狂言DVDビデオおよびDVD-ROMが完成したことを受けて、記者会見を行い、製品化に向けて動き出した。同年9月、角川書店より「野村万作・狂言でござる」、「野村萬斎・狂言ワークショップ」の製品版が発売された。これをもって一応研究は完成したが、10月以降、早稲田大学大学院教育学研究科ゼミナールにおいて、竹本が教育素材としての狂言DVDの試用実験を行い、現職高等学校教員を含む学生による模擬授業を重ね、教材としての意義の確認と使用法についての実例を収集した。その成果は、2002年4月の早稲田大学国語教育学会例会において、発表の予定である。

3.研究成果の発表


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海外演劇情報・収集・公開プロジェクト

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学演劇博物館
同大学文学部

研究員
非常勤講師
八木 雅子 欧米言語系資料
早稲田大学演劇博物館 助手 間瀬 幸江 欧米言語系資料
早稲田大学演劇博物館 助手 南 聲 鎬 ハングル語系資料
広島経済大学
早大エクステンションセンター
専任講師
講師
平林 宣和 中国語系資料
1.研究内容

2.研究成果概要

@ 早稲田大学演劇博物館において、企画展「太陽劇団とオリエント 東洋への視線  Theatre du Soleil Regard sur l'Asie」を開催した(2001年9月3日〜10月28日)。 世界規模での影響力を持つ太陽劇団(フランス)の初めての日本公演であり、また日本,韓国をはじめとするアジア伝統芸能の様式・手法を引用し、中国を舞台とする物語を上演する(『堤防の上の堤手』新国立劇場、2001年9月)という機会にあわせ、太陽劇団の「アジア(演劇)への視線」を切り口に展示を構成した。展示内容は、各演目ごとの舞台写真のコラージュによるビジュアル的アプローチに加え、演出家ムヌシュキンの言説を集めるなど、その姿勢を提示、また詳細な活動記録を副次的に冊子で提供し、あるいは批判性に富んだ解説記事など、これまで長期にわたってアジアおよびアジア演劇との取り組みを行ってきた劇団の全活動を検証、紹介した。
 観覧者の通常の興味の対象範囲(日本演劇あるいは西洋演劇)を超えて、また年齢層においても広範囲の観覧者を集め、また西洋からのアジアへの視線のひとつのあり様を、観覧者に感じとってもらうといった面でも、ある程度の手応えを感じることができた。 この展示を縮小再現した形で冊子体を作成、演劇博物館内での継続的観覧を可能とする。(カタログ化は著作権等の問題もあり、行わない。)
@ 上記展示開催に際し、上演資料等関連資料の収集を行った。
A 上記収集資料の整理に際し、現代演劇資料において構築された方法を共通プラットフォームとし、各言語および各文化圏ごとの特性を踏まえた整理・保存・公開方法を構築するための第一段階として,早稲田大学演劇博物館スタッフ(職員・助手)とともに、同館上演資料の現時点での全体像を把握するとともに、欧米言語資料の整理・分類・データベース化作業の交通整理を行い、問題点の洗い出しなどを行った。
 こうした作業は現場での実際的な作業を十二分に勘案した上で、現実的に可能であり、かつ効率的また負担の少ない作業計画を作る上で必要なものであるが、と同時に現時点での資料への対処を急務とすることで即時的に結論を急くことのないよう、またこれまでに蓄積されてきた情報・知識などを踏まえて、上演資料の全体像を描いていく上でも必要な作業である。 こうした中で、各言語・文化圏の資料相互の類似点や相違点といった問題も今後いっそうとりあげられることと思われるが、2001年度においては、そうした次のステップ(各国語資料の特性の調査・研究とその反映、その結果による将来的により多くの情報提供を恒常的に行うための基礎づくり)への足がかり作業の段階にあった。このため、資料の類似点を基調とした整理方法の共通性を軸に、これまでの資料状況を整理・確認するという作業に力点をおいた。そうした共通基盤を持つことの認識により,現場の作業における方向性に明確さが生まれ、継続性が保たれるとともに、現場スタッフ相互の補完性、資料間の整合性がよりとりやすくなるとの判断からである。このことは、将来的な資料・情報の公開の助けにもつながると思われる。
 また、他プロジェクト(デジタルミュージアム研究会)との連携をはかり、デジタル情報の提供においては一元化がはかれるよう、検討をはじめた。

3.研究成果の発表

発 表:

企画展および太陽劇団に関する考察・紹介・報告: その他:


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・デジタルミュージアム研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学演劇博物館 客員研究員 赤間 亮 研究総括
分担:演劇博物館   山本浩幾 WEB・データベース管理研究
   演劇博物館   風間弘充 デジタルコンテンツ開発
   ノンフィクションチャンネル   中薮規正 デジタルコンテンツ開発補助
1.研究内容

デジタルミュージアムの研究

2.研究成果概要

本年度は、他の博物館や美術館、あるいはバーチャル博物館のネット上の調査を行ない、同時に、各プロジェクトの研究成果としてのデータベースをWEB上で展開するための様々な環境構築を行なった。また、特に静止画のコンテンツに関して、演劇博物館の様々な資料をアーカイブ化した上で、ネット公開した。本年度中に初めて公開したデータベースも多く、実り多い一年であった。1月のプロジェクト研究発表会において、上記のテーマに関して、各プロジェクトメンバーの前で、報告し、バーチャル美術館、とくに資料館の現状と方向性について、演博が目指す方向性を提示した。


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・役者絵研究会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:

  林 京平 研究総括
分担:立命館大学文学部 研究員 赤間 亮 事務局・データ管理
文学部 講師 今岡謙太郎 考証分担者
跡見女子大学文学部 研究員 岩田 秀行 考証統括
演劇博物館 演博職員 大江 令子 事務局・データ管理
金城学院大学 教授 木村八重子 考証情報確認
跡見女子大学文学部 教授 小池章太郎 考証情報確認
国立文化財研究所 研究員 児玉 竜一 考証分担者
演劇博物館 演博助手 寺田 詩麻 考証分担者
都立中央図書館 司書 中村 恵美 考証分担者
都立中央図書館 司書 松村 倫子 考証分担者
文学研究科   桑原 博行 考証分担者
文学研究科   二又  淳 考証分担者
関西大学 講師 神楽岡幼子 考証・他機関調査
立命館大学大学院   金子 貴昭 考証・他機関調査
立命館大学大学院   倉橋 正恵 考証・他機関調査
立命館大学大学院   齋藤 千恵 考証・他機関調査
立命館大学大学院   松岡  亮 考証・他機関調査
1.研究内容

研究実施状況の概要

2.研究成果概要

 本年度も引続き演劇博物館所蔵役者絵の内から特に初代歌川豊国の作品に焦点を絞り、調査研究を進めた。月一回の定例研究会と、そのための準備作業を継続して行なうことになったが、全体からみて、約15%を残すのみとなった。研究会の内容は、一ヶ月で個々の研究メンバーが5点から10点の作品を考証してくることになっており、その考証内容は、歌舞伎の他の基本資料たる番付や台帳、評判記との情報比較、他の類似の役者絵との比較からなり、時間とともに消え去る舞台芸術をいかに現代に甦らせるかの課題がそこにはある。 従来の研究では、こうした豊富な興行資料との突合せはできておらず、役者絵を研究する上で、さまざまな問題点を具体的な作品に即して抽出しながら、大規模な調査・研究となってきている。 一方で、こうしたイメージ資料の研究の効率化とグローバルな情報共有の必要性から、デジタルデータ化を継続して行なった。

3.研究成果の発表


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・朝顔日記の会

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学文学部 教授 内山美樹子 総論の執筆および統括
分担:早稲田大学 非常勤講師 今岡謙太郎 舌耕文芸関係の調査執筆
   早稲田大学大学院 博士後期課程 川  浩二 中国文学関係の調査執筆
   日本学術振興会 特別研究員 神津 武男 人形浄瑠璃関係の調査執筆
   東京文化財研究所 芸能部研究員 児玉 竜一 歌舞伎台帳関係の調査執筆
   早稲田大学大学院 博士後期課程 安冨  順 連絡係および歌舞伎関係の執筆
1.研究内容

 天保3年(1832)正月、大坂・竹本木々太夫座初演の人形浄瑠璃「生写朝顔話」は、中国崑曲を源流とすると考えられる。以降、舌耕文芸、読本、歌舞伎を経て、終着地である浄瑠璃にまで至る流れを、中国文学、舌耕文学、歌舞伎、浄瑠璃の研究者の共同研究により解明し、本作の総合的研究を計るものである。現在も人形浄瑠璃の人気作として上演される本作であるが、上記のごとき中国文学以来の流れが研究者間にも自明のこととして共有されているとは言い難い。本研究は、多岐にわたる受容と展開の様相を、各ジャンルの専門家で多角的に検討することにより、単独ジャンル研究では為しがたい総合的な研究成果を企図する。

2.研究成果概要

 単年度計画である本研究では、上記の研究目的に基づいて、研究会を重ねた。
 「朝顔日記」の原話と考えられる中国文化との関係では、中国文芸における崑曲の位置づけと「朝顔日記」原話の探求に関する研究成果を発表した。
 人形浄瑠璃については、版本の形で残る「生写朝顔話」諸本の紹介と、そこに記された補作者や興行主等をめぐる問題の提起を行った。
 舌耕文芸との関連では、江戸後期の講釈・落語界の状況を踏まえ、文芸化された説話等に目を配りつつ、舌耕文芸における中国説話の受容と展開を、「朝顔日記」説話に即して考察した。
 歌舞伎に関しては、「朝顔日記」説話を初めて歌舞伎化した「けいせい筑紫★(琴夫)」と、「生写朝顔話」関連歌舞伎台帳諸本の紹介を行い、筆写された歌舞伎台帳と、初演俳優たちの替名附を有する絵入根本との関連に触れて初演台帳の推定等を行った。
 以上のような研究成果を、報告書の形でまとめるための打ち合わせを行い、あわせて、上記研究遂行のための資料複写・閲覧調査等を行った。

3.研究成果の発表

2002年10月ごろに、報告書を刊行予定。


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Aアジア地域文化・東洋美術

・東洋美術史共同研究

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部 教授 大橋 一章 古代中国・朝鮮・日本の仏教美術の伝播と成立
分担:文学部 教授 丹尾 安典 西洋および日本近代美術史に関する研究
文学部 非常勤講師 井上  豪 中国石窟美術の成立
會津八一記念博物館 助手 村松 哲文 中国仏教美術史
1.研究内容

 中国・韓国・日本の絵画・彫塑などを調査・収集し、それらの歴史的考察を行い、インドから伝来した仏教美術の中国・韓国・日本への伝播経路、成立過程をまとめる。

2.研究成果概要

 本年度もわが国飛鳥仏教美術の成立過程について、研究調査を実施した。とくに、2001年2月21日の朝刊各紙で、法隆寺五重塔の心柱の伐採年が西暦594年であることが判明と報ぜられ、研究意欲をかきたてられた。私見によると、法隆寺の創建は推古15(607)年で、天智9(670)年に焼失、その後天武朝に再建工事が始まり、和銅4(711)年までには再建工事は終了していた。この再建法隆寺の五重塔の心柱に使用されていた檜はすでに100年前に伐採されていたというのである。これは年輪年代学の光谷拓実氏の研究成果である。さっそく奈良文化財研究所を訪れ、光谷氏から直接年輪年代学について見解を聞き、100年前に伐採した檜を使用した経緯について検討することにした。その結果、再建法隆寺に使用された心柱材はわが国第一号の本格伽藍の飛鳥寺の堂塔の部材に使用すべく伐採したもので、100年近く飛鳥寺内で予備材として保存されていたものが、法隆寺で利用されたと結論した。また2002年度は後世の修理のある木彫仏をX線CTスキャンで断層撮影をし、修理部分をディスプレイ上で除去して再構築する実験を始めた。

3.研究成果の発表


Bアジア地域文化・中国


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・中国考古・民族共同研究

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授

岡内 三眞 トルファン遺跡考古調査
分担:文学部 教授 大橋 一章 トルファンの美術史調査
文学部 教授 工藤 元男 巴蜀文化の歴史調査
文学部 教授 高橋龍三郎 東日本の晩期編年の検討と統括
文学部 助教授 西村 正雄 ラオス国内の文化調査総括
1.研究内容

岡内 三眞:トルファンの考古学的研究
大橋 一章:トルファンの美術史的研究
工藤 元男:巴蜀文化の歴史学的研究
高橋龍三郎:大洞式中葉段階から終末期の型式編年研究
西村 正雄:東南アジア文化人類学に関する研究

2.研究成果概要

【岡内 三眞】
トルファンヤールホト古墳群の墳墓群の現地調査を5月と9月とにそれぞれ実施した。前年度に引き続き、時代による墓の分布差があるか、階層によって墓地の分布に相違があるかを確かめた。さらに出土遺物の検討をおこない、前漢時代の車師古墓群には、階層によって埋葬地に差異があったと見なし得るようになった。墓の規模や構造、副葬品の内容や多寡などによって、少なくとも3群に分かれる。交河故城の城内地区(貴族、官僚層)、城北地区(王族クラス)、城南区(王族、貴族層)の別が想定できる。これに対して麹氏高昌国や唐時代の墓は、規模からみても副葬品の内容や数量からみても、分布地による差異は少ない事実が判明した。これら遺構や遺物についてのデータは、比較研究をおこなうとともに、引き続きデータベースへの入力を進めている。その成果は逐次、国内学会や中国、韓国、日本の国際学会で発表し、さらに論文としても精力的に公表している。

【大橋 一章】
新彊ウィグル自治区の仏教美術の遺跡としてはクチャのギジル石窟・トルファンのベゼクリク石窟がはやくからわが国にも紹介され、注目されてきた。私はかつてトルファンの石窟では2年にわたってトユク石窟とヤールホト石窟を調査することができた。両者は破壊が進んでいるが、トユク石窟には美しい壁画がまだまだ残っていて、我々の目を楽しませてくれる。トユク石窟はトユク川の東西両岸の火焔山の岩壁につくられているが、現在までに編号されている石窟は46箇あって、そのうち第1窟から第25窟までは西岸にある。西岸石窟は峡谷の出口では低所にもつくられているが、色鮮やかな壁画が今も残っている第12・第26窟は急斜面の山腹の坂道を登った高所にある。この石窟で興味をひくのが比丘坐禅観想図で、一区画の中に向って左側に坐禅の比丘を、右側に観想の内容をえがき、比丘の背後の細長い短冊形の中に墨書で漢文の榜題を書く。こうした観想図は後の唐時代の敦煌の石窟にもある。本年度はきわめて源初的なトユク石窟の観想と後の敦煌の浄土図に見られる観想図の比較検討を試みることができた。

【工藤 元男】


【高橋龍三郎】
本年度は、岩手県長谷堂貝塚出土の粗製土器の分析を通じて、主に型式編年上の課題について明らかにした。通常、粗製土器は頚部の沈線や口部の刻目以外に、特別の装飾要素をもたない。しかも体部には磨消縄文の文様をもたないので、一般の精製土器との直接比較にもとづく型式学的手法は採用できない。そこで、口頚部に施文された僅かな装飾文様を手がかりに、まず文様装飾のバリエーションを明らかにした後に、頚部沈線の本数と口部刻目の変異がどのように組み合うのかについて、長谷堂貝塚例で一般性を明らかにした。さらにそれらの組み合わせの変異が精製土器とどのような共伴関係にあるのかについて、近隣遺跡と比較しながら、型式学的変化と連続性を追求した。その結果、長谷堂貝塚の精製土器で判明した大洞A式の新古細別型式に対応する形で、粗製土器も二分される形で形式変遷を遂げていることが判明した。同時に近隣遺跡出土の粗製土器との比較により、大洞A式以後、頚部沈線の減少と刻目の粗大化が同時に進行し、A式には舞沈線化することが判明した。大洞C2式以後、安堵屋敷→本内U・長谷堂貝塚→和当地Tにいたる変遷課程が明らかになった。成果は学術活動データベース『縄文終末期の研究』に粗製土器の新規補訂として公表している。

【西村 正雄】
 2002年度ラオス地域人類学研究所では、3つの活動を中心に、研究を進めてきた。
(1)過去2年間に渡って続けてきた、チャンパサック州ワット・プー遺跡を中心とする地域内の村落調査を完了した。総計92村すべてで、調査データを収集した。データは、村落民の物質文化に関するもので、10%サンプリング法でデータを採集した。
(2)収集したデータの吟味に入った。やや疑問のある調査結果があり、それらに関してはフィードバックのフィールドワークが必要と考えた。このため、その一部修正のためのフィールドワークを行った。
(3)村落データの第一次分析作業に入った。分析のためのコーディングデザインを行い、コーディングを開始した。これもほぼ完了した。
 これを踏まえて今後の作業は、データのスクリーニングを行いつつ、分析を進めてゆくことである。まず、データの全体的傾向を掴むため、数量的分析から行う予定である。

3.研究成果の発表



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01F-01
(1)研究組織名:
生命・生体・福祉研究所
(2)研究期間:2001 〜 2005年度(5年間)
(3)研究プロジェクト及び研究成果概要

生命科学・医工学統合研究に基づく未来医療への挑戦的研究

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:早稲田大学理工学部

教授 梅津 光生 医用機械工学の医療への応用
分担 :早稲田大学文学部 教授 石井 康智 心理学の医療への応用
    早稲田大学文学部 教授 鈴木 陽子 教育・社会系心理学の医療への応用
    教育学部 教授 伊野 良夫 植物生態学の医療への応用
    教育学部 教授 菊山  栄 動物生理・代謝研究の医療への応用
    教育学部 教授 櫻井 英博 植物生理化学の医療への応用
    教育学部 教授 中村 正久 分子生殖生物学の医療への応用
    教育学部 教授 東中川 徹 分子生物学の医療への応用
    教育学部 教授 並木 秀男 生態制御の医療への応用
    理工学部 教授 浅井  博 脳活動ハイテク測定技術の医療への応用
    理工学部 教授 石渡 信一 実験生物物理学の医療への応用
    理工学部 教授 内山 明彦 生物分子計測・制御の医療への応用
    理工学部 教授 桐村光太郎 生物・生体工学の医療への応用
    理工学部 教授 齋藤むら子 未来の公衆衛生学・健康科学の研究
    理工学部 教授 酒井 清孝 生物生体工学の医療への応用
    理工学部 教授 清水 功雄 生命分子工学の医療への応用
    理工学部 教授 菅野 重樹 知能機械学・機械システムの医療への応用
    理工学部 教授 宗田 孝之 応用分光学の医療への応用
    理工学部 教授 高西 淳夫 バイオ・ロボティクスの医療への応用
    理工学部 助教授 武岡 真司 医用生体工学の医療への応用
    理工学部 教授 武田京三郎 生体分子の電子状態解析の医療への応用
    理工学部 教授 竜田 邦明 生理活性物質の医療への応用
    理工学部 名誉教授 土屋 喜一 医用生体工学の医療への応用
    理工学部 教授 中田 雅久 活性分子有機化学の医療への応用
    理工学部 教授 西出 宏之 高分子化学の医療への応用
    理工学部 教授 藤江 正克 バイオ・ロボティクスの医療への応用
    理工学部 助教授 船津 高志 細胞生物物理学の医療への応用
    理工学部 教授 松本 和子 無機バイオテクノロジーの医療への応用
    理工学部 教授 三輪 敬之 生物機械の医療への応用
    理工学部 助手 岩ア 清隆 医用機械工学の医療への応用
    人間科学部 教授 児玉 昌久 ストレスマネジメントの医療への応用
    人間科学部 教授 柴田 重信 医薬品作用の医療への応用
    人間科学部 教授 竹中 晃二 未来の生涯スポーツ論
    人間科学部 教授 濱口 晴彦 社会福祉の医療への応用
    人間科学部 教授 比企 静雄 知能情報学の医療への応用
    人間科学部 助教授 藤本 浩志 バイオメカニクスの医療への応用
    人間科学部 教授 町田 和彦 未来の衛生学
    人間科学部 教授 山元 大輔 分子行動学の医療への応用
    人間科学部 教授 吉岡  亨 神経科学の医療への応用
    理工学総合研究センター 講師 小松 晃之 高分子化学の医療への応用
    理工学総合研究センター 講師 酒井 宏水 生理学の医療への応用
    理工学総合研究センター 助手 宋 慶太郎 高分子構造研究の医療への応用
    生命・生体・福祉研究所 客員研究員 高信 英明 医用ロボットの構築
    生命・生体・福祉研究所 客員研究助手 増本 憲秦 生体情報分析学の医療への応用
    生命・生体・福祉研究所 教授 酒井 一博 未来の公衆衛生学・健康科学の研究
    生命・生体・福祉研究所 客員研究助手 白石 秦之 医用機械工学の医療への応用
    生命・生体・福祉研究所 助教授 伊関  洋 コンピュータ外科の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 学長 高倉 公明 脳腫瘍学医療への応用
    東京女子医科大学医学部 教授 菅原 公朋 環境力学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 教授 鎌谷 直之 ゲノム医療学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 教授 横山 昌幸 ドラッグデリバリーシステムの医療への応用
    東京女子医科大学医学部 助教授 齋藤加代子 遺伝子診療学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 教授 木村 恒人 乳腺外科学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 助教授 松岡瑠美子 臨床分子遺伝子学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 講師 赤真 秀人 リウマチ・アレルギー学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 講師 峰島三千男 血液浄化学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 助教授 菊地 明彦 生体適合性バイオマテリアル学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 講師 寺岡  慧 臓器移植学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 教授 岡野 光夫 再生工学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 講師 大和 雅之 細胞シート工学の医療への応用
    東京女子医科大学医学部 助手 清水 達也 循環器組織工学への応用
    東京女子医科大学医学部 講師 新岡 俊治 先天性心疾患学の医療への応用
1.研究内容

1) 医用機械工学の組織工学・再生医工学への応用
2) 将来の有効な治療・介護システムの提案

2.研究成果概要

(1) 細胞シート伸展培養装置の開発及びラット配向心筋組織構築への応用

重症心不全患者に対して心移植等に変わる治療法として,組織工学的手法を用いてあらかじめ体外で心筋細胞を組織として構築し,その移植片をホスト心筋に生着させようという研究がいくつかの施設で始まってきた.我々のグループでは,東京女子医大との連携大学院の共同研究で,新規のコンセプトとして,
1) 低温処理のみで培養皿表面と細胞接着因子を脱着でき,細胞接着因子もまったく解離することなく維持可能な温度応答性培養皿を応用
2) 心筋細胞シートを複数枚回収して3次元的に積層化することで,生分解性の足場を全く用いずに3次元心筋細胞を構築することを目指して研究を推進している.
このような心筋組織がin vitroにおいて製作できれば,移植直後に機能する移植片の作製や,in vitro三次元心筋組織モデルの構築が可能となると考えられる.本年度はまず,心筋細胞シートのin vitroにおける積層化技術の確立と心筋移植片の作製を中心的に行なった.その結果,世界で初めてin vitro環境下で肉眼レベル大きく自己拍動する心筋細胞シート片を製作する手法を構築することに成功した.そこでさらに,in vitroで積層化した心筋細胞シートを生体心筋組織の形態と機能により近づけることを目指し,まず培養した組織片に配向性を持たせるなど組織再構築を促す目的で伸展などの力学的負荷刺激を培養液中で与えることが可能な装置を新規に開発した.この装置では,製作した心筋組織の力学的機能を評価するために張力計測が行えるというこれまでにない特徴がある.この装置で力学的刺激を作用させた環境下で培養した組織片では,生体心筋組織により近い組織再構築が起こることが確認された.このような機械的な手法による組織構築と機能のトレーニングは既存の枠組み・技術では不可能であったが,本プロジェクトにより医工学と生命科学の統合的研究を行うことで,生体外の環境下で生体組織を構築できる可能性があることが示唆された.
(2) 将来の有効な治療・介護システムの提案

現代社会で失われた人間性を回復することを主眼として、将来の患者・高齢者の治療・介護の有効なシステムを提案するために、A. 身体活動による健康管理、B. 看護施設の環境改善、C. 先端技術による介助機器、D. 診断・治療手段の評価方法、E. 精神活動に影響する要因などの分野について、基礎から応用にわたる研究を進めている。それぞれの分野には、次のような研究項目が含まれている。
A. 身体活動による健康管理: 1) 健康増進運動が高齢者の医療行動に及ぼす影響の評価尺度、2) 健康学習スタイルと学習プロセスの主体的行為生成への影響、3) 健康行動への採択・継続への行動科学的な介入、4) 運動・動作感覚から見た身体の力学的構造と治癒機転。
B. 病院・介護施設の環境改善: 1) 医療事故と組織制御、2) ヒューマンエラー発生メカニズム、3) ケア・マネジメント・システム設計、4) 深夜勤務における覚醒水準とパフォマンス向上。
C. 先端技術による介助機器: 1) 作業用自助具の機能性・有効性評価、2) 脚式患者自立移動支援ロボットの開発、3) 遠隔治療・検査用汎用パラレルロボットの開発、4) 運動機能障害を支援する情報機器インターフェイス。
D. 診断・治療手段の評価方法: 1) 人工臓器を主体とした新しい治療機器の評価法、2) 非侵襲的な微小循環動態の観測法の開発と診断技術への応用、3) 音波/振動による梗塞部位の循環動態改善効果。
E. 精神活動に影響する要因: 1) 老人性痴呆症状発発現における諸要因の分析的研究、2) アロマ,カフェイン摂取,音楽などの有効性、3) 気功のメカニズム、4) 身体の状態による声の音質の変化、5) 人間とロボットの心的コミュニケーション。
 各領域における特定課題の追求と、同時に21世紀における健康医療福祉システムを構築する過程において、健康寿命の延長を目標とする未来型ヘルスケアシステムモデルの提案を狙う学際的研究をすすめることが,ここでの研究計画の特徴である。

3.研究成果の発表


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01F-02
(1)研究組織名:戸山リサーチセンター
(2)研究期間:2001 〜 2005年度(5年間)
(3)研究プロジェクト及び研究成果概要

人文科学におけるマルチメディア情報通信技術の教育利用に関する共同研究

・アイルランド文化研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 虎岩 正純  
1.研究内容

 本研究所は近代国家のなかで植民地支配の様々な形態、歴史、後遺症を抱えた稀有な国家アイルランドの文化を研究することで、コロニアリズムの実態と解決の鍵を探ることを研究内容としている。

2.研究成果概要

 残念ながら現時点において、オンデマンド授業をするまで、資料やアーカイヴが完備していない。2001年度にアイルランド文化に関わるキーワードの集成の作成を始め、現在着実に編集作業が進行しつつあり、その完成を待って、オンデマンド授業も始めることが出来ると考えている。企画の発進の時点と今は少し異なり、事典形式にして出版することになり、出版社も決まり、項目の解説文の執筆や写真、図版の収集に全力を傾けているところである。

3.研究成果の発表


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・アジア歴史文化研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 深谷  克己  
分担: 文学部 教授 安在  邦夫  
     文学部 教授 紙屋  敦之  
     社会科学部 教授 島   善高  
1.研究内容

 (日本近世におけるアジア交流と社会諸集団)

2.研究成果概要
 
 本研究所の研究授業は予定科目として次のとおりである。
1、日本史学研究T(一文、通年専門講義)、担任深谷克己(研究所長)。
2、日本史概論(二文、通年講義)、担任深谷克己(同前)。
3、日本史学演習UC(一文、通年専門演習)、担任泉正人(非常勤講師、客員非常勤研究員)。
4、日本史学演習TA(二文、歴民系通年演習)、担任米谷均(非常勤、客員非常勤研究員)。  
 これらは、1〜3がオンデマンド授業とBBSを平行して行うハイブリッド型で2,3回の実施、4はBBS型である。
まだ経験者はいないので、学部研究科の実施レクチャ、経験教員の報告などが行われる際には、そこに出席して理解に努めた。また研究所所属の日本史教員であるので、合同の打合せ会やシミュレーションの相互報告会などを催して、意欲を高めるとともに、実施へ向けた技術的準備を進めた。 
 日本史学研究および日本史概論は、江戸時代の通史的講義であるが、一文、二文の受講生の特色に最もふさわしい問題領域でオンデマンド授業を実施できるよう対象選択を進めた。前者では、日本社会に鎖国以前・以後に持ち込まれた長崎(中国・オランダ)経由・対馬(朝鮮経由)・薩摩(琉球経由)・蝦夷地(アイヌ経由)からの流入文物を中心に、江戸時代の政治文化の特徴をうかがえるようにオンデマンド授業を組み立てることが話し合われた。後者は、ロシアの南下以後の英仏、米のいわゆる列強の日本接近によって日本の政治や経済が揺さぶられ、やがて開国・通商の条約によって幕藩体制が崩壊していく経緯をオンデマンド化することにした。 
 泉担当の演習は近世社会の内容であるが、前年まで文学部情報化計画のもとで進められた「早大所蔵古書古文書データベース作成」の成果(大学のホームページで公開中)を踏まえ、それをオンデマンド授業の内容に取り込むことを構想し、どのデータとつなぐかを検討した。このデータベースは、画像が取り入れられておらず、文字による目録データベースである。しかし、この目録には、それぞれ800字の「解題」が付けられていて、原史料の史料学的検討が行われている。また検索機能も使いやすく設計されている。これをオンデマンド授業にリンクさせて活用するにはどうすればよいかを打合せ会で検討した。 
 米谷担当の二文演習は、何回オンデマンドにするかが未決定であるが、米谷は日朝関係が専門であるので、政治・経済・文化にわたって近世の日本と朝鮮がどのような交流実態を持っていたのか、その関係の中にどのような問題が含まれ、問題が表面化した時どのような解決が目指されたのかを考える演習教材を選んでおくことにした。
 安藤は、江戸を中心とした都市史の専門家として、江戸の構造を中国や朝鮮の政権都市の構造と比較させることをオンデマンド授業で行うことを確認した。
 

 3.研究成果の発表

 上記のように、何回も会合を持ち、なるべく同一研究所に属する教員のオンデマンド授業であるので、相互に理解しあい、意見を出し合ってアジアの中の江戸時代史のイメージが打ち出せるような授業にすることにした。
 またオンデマンド授業に対応して、画面上に撮影した文書、画像などを反映させるため、研究所への助成金でデジタルカメラを購入し、関連する場所へ出かけては撮影作業を行った。
 また従来のデータベース作成作業部会の活動を停止せず、膨大な残存史料があるので、その目録化作業と大学ホームページへの搭載を進めた。この目録は研究授業に用いるが、現在は検索しても画像項目は用意していないので、別途大事な史料についてはデジカメで写し、オンデマンド授業の際にくみ合わせて使えるように作業を進めた。


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・サイバーレクチャー研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 井桁 貞義 オンデマンド授業の実践
オンデマンド出版の実践
オンデマンド授業の新規準備
分担 : 文学部 教授 兼築 信行 オンデマンド授業の実践
     文学部 教授 工藤 元男 オンデマンド授業の実践
     文学部 教授 竹本 幹夫 オンデマンド授業の実践
     文学部 教授 西村 正雄 オンデマンド授業の実践
     文学部 教授 森  元孝 オンデマンド授業の実践
     文学部 教授 雲英 末雄 オンデマンド出版の実践
     文学部 教授 近藤 二郎 オンデマンド授業の実践
     文学部 助教授 草野 慶子 オンデマンド授業の実践
     文学部 講師 倉石 義久 オンデマンド授業の新規準備
     文学部 講師 桜井 厚二 オンデマンド授業の新規準備
     文学部 講師 坂庭 敦史 オンデマンド授業の新規準備
1.研究内容

全学オープン科目「総合講座7文化研究とコンピュータ」(履修者300名)をフルオンデマンドにより実施し、BBSで履修者への質問に応答しディスカッションに参加することにより、この方式の可能性を追求する。また同様に第二文学部フルオンデマンド授業「文学・言語系演習34文学理論への招待」(履修者110名)を実施し、テキストベースの授業の可能性を検討する。また学術情報データベースの情報や「演習34」からオンデマンド出版(発行部数1000)の実際と可能性を試験する。さらに近藤先生および草野先生は高校生向けのオンデマンド授業を実験的に実施し、就学前教育の可能性に関する知見を得る。
2002年より実施されるロシア語学関係の3つの授業をフルオンデマンドで進めるためにネイティヴによるテキスト朗読を収録し、ストリーミングで流す。

2.研究成果概要

(1)「文化研究とコンピュータ」をフルオンデマンドで実施することにより、授業そのものに対する履修者の参加状況を検討した。必ずしも多くの学生が書き込みを行うわけではないが、学年末レポートの結果から、履修者がよく授業内容を理解している、ということの確認はできた。今後はディスカッションをいかに活発化するかが課題となっている。
(2)「文学理論への招待」に関しても、同様の結果を得ている。ディスカッション参加者の数は減少していくが、授業コンテンツへのアクセス回数は多く、対面型授業に比較して、授業内容の理解度は高く、優れたレポートが多く書かれた。
(3)両方の授業から生まれた共通の問題は、やはり顔を合わさないことからの不安定感に対する不安であった。そこで両方につき、授業とは別に集まりの機会を設定し、また合宿を行った。これにより、少数の履修者であるが、これらへの参加者には濃度の高い人間関係が作られた、合宿のグループ討論からは「オンデマンド授業の主体を学生の手に」との重要な提言が生まれ、これは2002年度の授業運営に反映されることになろう。
(4)高校生を主要なターゲットとした試みは、これにアクセスした高校生の満足度は高いものがあった。認知度を上げる方法を獲得すれば、就学前教育、さらには早稲田大学への受験希望者の獲得へと繋がる学問への情熱を植え付けることができるであろう。
(5)雲英末雄先生の学術情報データベース『俳諧一枚摺の世界』および井桁貞義の授業「演習34」からの『文学理論への招待』をオンデマンド出版した。学術情報データベース、授業、プロジェクト研究所の研究成果かたオンデマンド出版へのリンクは今後ともより緊密な形で追及したいテーマである。
(6)2002年度へ向けて、新規にロシア語関連の授業の準備を行った。これはネイティヴ・スピーカーに授業で使うテキストを朗読してもらい、これを収録してストリーミングで流し、受講者は何回でも繰り返しリーディングの練習ができる。これにテキスト原文をアップ、注を教員が作成し、翻訳文を教員宛てにメールで提出し、BBS上でディスカッションしつつ翻訳実習を行うものである。

 3.研究成果の発表


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シルクロード調査研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 岡内 三眞 研究の総括
シルクロードの考古学
東西交流を通じてみた日本歴史
1.研究内容(考古学関連科目のオンデマンド授業の準備と実施)

まず、ユーラシア大陸における東西交流の実態を、遺跡、遺構、遺物について明らかにする。シルクロード上での在りようを現地でたしかめ、それを研究、教育に生かしていくことを目標にしている。このため中国での調査と日本国内での調査とをからめながら、比較研究を進めていく。その調査研究成果を大学院や学部の教育に生かし、オンデマンド型研究事業を実施する。

2.研究成果概要

 今年度は、とりあえずオンデマンド授業を実施するための準備に終始した。岡内自身もかつてバーチャル教育やデジタルキャンパスコンソーシアムの遠隔地授業に参加した経験があり、今後ますますその需要は増加するものと思われる。まず日本の国内各地で実施されている情報関係の学会や研究会に参加して、研究と実践の現状把握に努めた。その多様な結果に元づき、学部と大学院との双方でそれぞれ試験的にオンデマンド型研究授業を実施することにした。このために昨年度末に学部生と大学院生を引率して関西地方に出張し、デジタルビデオ、デジタルカメラなどで授業のための資料収集をおこなった。また2002年度の授業のために資料を加工してコンテンツをつくり、同期授業用にビデオへの収録をおこなった。この準備作業をつうじて、大学院の演習授業と学部の講義形式とでそれぞれオンデマンド教育を実施することにした。
 大学院演習(4)岡内三眞担当 
 シルクロード現地での調査研究をふまえて、大学院生自身がデータを分析し、コンテンツを作成してセミオンデマンド型演習授業を実施する。2002年5月には2週間の予定でシルクロード西域南路へ調査に出張する。このために事前の研究会を5回以上すでに実施して、準備を精力的に進めている。
 学部講義 日本考古学 岡内三眞担当 
 日本考古学を自然と人間の社会や生活、文化にかかわるテーマと日本に関連するテーマとに分けながら、フルオンデマンド型研究授業を準備した。この授業ではアフリカからユーラシアにかけてひろく人間と自然との関わりの歴史を探求し、教育に反映していく予定で準備を進めた。

3.研究成果の発表


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・モンゴル研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 吉田 順一 研究の統括。モンゴル語文献目録の作製と充実
分担: 文学部 助教授 柳澤  明 モンゴル語文献目録の作製と充実に対する協力
     教育学部 講師 石濱裕美子 モンゴル語文献目録の作製と充実に対する協力
1.研究内容

 (モンゴル関係文献目録データベースの作製・充実)

2.研究成果概要

 日本標準のJ-JISコードで作成されている「早稲田大学図書館蔵中国刊行モンゴル文文献目録」を海外での利用の便などを考慮して、2001年度にUnicode化する計画を立て、NTT東日本とともに、技術的な問題、基本的なデータベースの設計、データ形式、用いるフォントの選定(Arial Unicode MSフォントに決定)などに関して検討と試験を重ね、秋からは、「早稲田大学図書館蔵中国刊行モンゴル文文献目録」のS-JISコードによるデータを順次Unicode(UTF-8)に変換し、NTT東日本の技術担当者に提供して、より具体的に、UTF-8に変換したデータのアップロード方法、検索文字入力、検索結果表示などの試験を継続して行い、2002年2月から3月にかけ、Unicode版データベースがほぼ問題なく動作することを確認した上で、S-JIS版の全データのUTF-8への変換を急ぎ、その一部をアップロードし、利用者向けに、検索文字入力欄への特殊キリル文字・ギリシア文字と中国語繁体字の入力方法、Arial Unicode MSフォントのダウンロード方法を解説したページを作成し、さらに、通常キーボードからは入力できない文字をコピー&ペーストするための文字パレットを準備した。
 新しいUnicode版目録はhttp://www.littera.waseda.ac.jp/mongol/にトップページを置き、2002年4月から仮運用の段階に入ったが、各種解説ページの調整、UTF-8データの不具合の調整が遅れており、本運用の段階には入っていない。なお、当面の間はS-JIS版目録とUnicode版目録を並行運用する予定であり、既存データの修正や新規データの登録は両方の目録に対して行われる。また、現在は中国で刊行されたモンゴル文文献のデータのみを収めているが、今後はモンゴル国で刊行された文献も登録する予定である。なお2001年度にも新規データを一定数登録した。

3.研究成果の発表


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・ヨーロッパ文明史研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 前田  徹 古代メソポタミア
     文学部 教授 小林 雅夫 ギリシア・ローマ
     文学部 教授 野口 洋二 古代・中世の教会
     文学部 教授 小倉 欣一 中世ドイツ
     文学部 教授 井内 敏夫 近代東欧
     文学部 教授 松園  伸 近代イングランド
     文学部 教授 森原  隆 近代フランス
     文学部 教授 大内 宏一 現代ドイツ
     文学部 教授 竹本 友子 アメリカ
     文学部 教授 村井 誠人 現代北欧
1.研究内容

 「西洋史概論」を活用して、オンデマンド授業の構築に向けての基礎的データを収集する。

2.研究成果概要

 この研究計画に沿って、2002年度の「西洋史概論」を利用して、全教員がオンデマンド授業を行うことにした。その準備として、第一に、西洋史専修室に根拠となるコンピュータ機器を設置し、第二に、研究分担者は、各自1コマの講義のための、講義コンテンツ作成と、大英博物館などで必要な資料収集を行った。
 この過程で意識され、次年度以降の主要な問題点として考えなければならないとしたのは、以下の点である。オンデマンド授業など、先端の電子機器を活用した講義は、大学の教育体制の充実に更なる道を開くと思われる。しかし、オンデマンド授業の構築に向けて作業する過程で実感されることは、ヴィジュアルなものを含めた多くの資料は、知識を豊かにして学生の理解に役立てることができるとしても、なぜ、何を、どのように学ぶべきかという研究への展開への手がかりや、史料の解読という時間のかかる作業を授業に体現することが困難である感じられることである。研究者の研究を基礎としてその果実でもって教育するという従来の大学の理念を受止めれば、授業にかかる作業をいかに研究に絡めるかが重要な課題になる。次年度に課せられた課題は、授業の実施に向けた取り組みとともに、教育と研究という原理に新たなる説明を与える作業である。

3.研究成果の発表


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・感性文化研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 佐々木雅發 研究の統括
     文学部 教授 雲英 末雄 日本文学関係教材のデジタル化とその応用
     文学部 教授 大久保良峻 仏教の映像・音声資料による教育方法の研究
     文学部 教授 丸野  稔 ギリシア文化関係教材の作成
     文学部 助教授 酒井 紀幸 ルネッサンス文化関連教材の作成と教育方法の研究
1.研究内容

 文化的・歴史的価値のある貴重書をデジタル化するとともに、関連文化圏の諸相を多面的な観点からデジタル(映像・音声等)化し、感性的領域における美意識や現代社会における感性の意義を再検討する。その成果をデジタルコンテンツにまとめあげ、オンデマンド授業の教材として利用し、また将来的には各種メディアを通じて一般公開することも視野に入れている。

2.研究成果概要

 以下に述べる研究実施状況の概要はもっぱら研究授業としての次の三授業に関するものである。

 1)上級ラテン語
 2)哲学選択演習5
 3)思想・宗教系総合講座U

 2001年度は、次年度から開始するオンデマンド授業(上級ラテン語)の準備として、ルネッサンス時代のイタリアで活躍した哲学者マルシリオ・フィチーノ(Marsilio Ficino)のラテン語訳『エネアデス(Enneades)』(インキュナブラ1492年初版:早稲田大学中央図書館所蔵)を3分の1程度デジタル化するとともに、彼が活躍したイタリア北部の諸都市(とりわけフィレンツェ)において現地調査、撮影を行った。帰国後、デジタル映像の編集作業、パワーポイントで作成した教材とデジタル映像とを連動させる作業等を行い、オンデマンド授業のためのデジタルコンテンツ作成および教育的効果の検討のための準備に努めた。
 フィチーノのこのラテン語訳には校訂本もいまだなく、中世ヨーロッパの哲学およびラテン語を専門とする研究者たちの共同作業として目下校訂および解読作業を進めている。デジタル化したテクストは解読の済んだ部分から教材用に編集加工を施し、その作業は現在も進行中である。その際、インターネット上で授業を受けるオンデマンド授業登録者が利用しやすく、かつ満足のゆくコンテンツを作成するべく、度重なるスタッフミーティングを開いた。
 イタリア現地調査に際しては、まず撮影・収録等の方法に十分留意した。さらに知識等と十分に結びつくような素材を厳選した。この点を踏まえたうえで、都市としての空間性という観点から以下の諸都市での調査を行った。

 1)アッシジ
 2)フィレンツェ
 3)ヴェネチア
 4)ミラノ

 また前述のイタリアをはじめとしたキリスト教圏、さらには日本を中心とした仏教圏の宗教的形象・シンボル等の記号学的分析と平行して、データベース化のための準備作業を行った。これによりデジタル教材の新たな可能性を次年度において模索する予定である。
 さらにイエナ大学ヴェルシュ教授のポーランド等における講演会の収録を試験的に行い、次年度のオンデマンド授業への方法的な可能性を模索した。

3.研究成果の発表


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近世儒学研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 土田健次郎 統括。中国・朝鮮・日本儒教の比較研究。
     文学部 教授 近藤 一成 儒教と政治制度。
     文学部 教授 古屋 昭弘 儒教の口語文献。
     文学部 教授 森 由利亜 儒教と道教・仏教
     理工学部 助教授 永冨 青地 陽明学。
     明治大学 専任講師 垣内 景子 朱子学。
1.研究内容

 中国、日本、朝鮮の東アジアの近世儒学を横断的に研究し、その成果を学部教育に展開する。これによって学生のアジア理解を、基層部分から深めていく。

2.研究成果概要

 「近世儒学データベース」に新たに林羅山の研究文献データベースを追加した。既に作成した伊藤仁斎、伊藤東涯、古義堂、もかなりの学生の利用者を得ている。このデータベースは、統一方針により新たにキーワードを取り直し、翻刻や翻訳、訳注など、学生の勉学に直接役に立つものをも漏れなく採集している。思想関係の授業のみならず、特に卒業論文作成に資するものとして好評である。
 現在準備しているオンデマンド授業にこのデータベースは有効で、実際に学生に利用させることを計画している。
 その他、関連するシステムや教材の研究を行った。

3.研究成果の発表


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・古代文学比較文学研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 田中 隆昭  
分担: 文学部  助教授 高松 寿夫 教材作成・授業担当
1.研究内容

 『万葉集』を中心とした、古代和歌について概説し、初心者に古典和歌の世界に関する基礎的な知識を提供するとともに、その魅力についても語る授業の構築。

2.研究成果概要

 本講義の概要は、下記のサイトで講義要項が参照できる。 https://chianti.wul.waseda.ac.jp/cgi-bin/syllabus_shosai.cgi?p_keyword=&p_kamokumei
=&p_gakubucd=&p_gakkacd=&p_senshuucd=&p_keiretsu=&p_kamokutype=0&p_rishuumodel=&
p_gakkiyoubi=???タカマツ ヒサオ*&file_no=1309
 

 パワーポイントと動画を連動させた形式の部分と、HTMLテキストからなる部分との2種類の教材から構成される授業である。テキスト形式の部分では、関連するインターネット・サイトへのリンクを張り、受講者が講義の枠を越えて、関連サイトへ自由にアクセスできるよう、工夫をした。 

 また、BBS機能を備え、講義に対する質問や意見にいつでも対応できる態勢を設け、かつ、受講生同士のコミュニケーションも自由に図れるように配慮した。 

3.研究成果の発表


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・自由民権研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 安在 邦夫 自由民権運動史
分担 :文学部 教授 大日方純夫 日本近代政治史
      文学部 教授 松園  伸 西洋近代政治史
     法学部 教授 浅古  弘 日本近代法制史
1.研究内容

 (近代日本における諸文化運動として自由民権運動を捉え、政治史、法制史、民衆運動史など多様な視点より検討するとともに、世界史的視野に立ち、近代化過程の諸問題を理論と実践の両面から考察していきます。)

2.研究成果概要

 オンデマンド授業(歴氏民俗系基礎演習1「自由民権運動史の研究」)では、自由民権運動関係の史料、関係史跡地、関係人物等を、運動の流れに沿って整理、紹介することを目標としている。その為に関係史料や史跡地の写真等の撮影に努めることが要請される。本年度は、福島県歴史資料館を訪れ、同館が所蔵する近代史関係史料及び庄司家寄託同館保管の自由民権運動関係史料の撮影を行った。撮影を行った主な史料を以下に掲載する。

〔撮影史料例〕 
・各社規則並景況(自明治十三年至十六年 警察本部)
・警察枢要書類(明治十五年 福島県警察本部)
・人民暴挙ニ付官省上申書(明治十五年 庶務課)
・喜多方事件証拠書類(明治十五年 随行属)
・耶麻郡関係・同暴動事件拾遺他(明治十五年・十六年)

3.研究成果の発表


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・水稲文化研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 海老澤 衷 歴史学
分担 :文学部 助教授 和田  修 民俗芸能
1.研究内容

・ 「歴史学」の講義にマルチメディア情報通信技術を取り入れる
・ 「日本演劇史」の授業にマルチメディ情報通信技術を生かす。

2.研究成果概要

 本年度においては、2002年度の授業準備のため、情報環境の整備およびコンテンツの蓄積を行った。具体的には、従来リバーサルフィルムで撮影していたカラースライドをデジタル化し、CDに収めてマルチメデイアに対応できるようにした。また、日本の村落景観を取材し、授業で活用できるようにした。 
 2001年7月17日、戸山情報化研究交流会において、「水稲文化研究所の活動について」を報告した。このときに用いた静止画像は次のとおりである。
@ 田染荘の田植え風景
A サクランボ園(山形県寒川江市田代の農園)
B 田毎の月(長野県更埴市)
C オーナー制水田
D ワット・プー遺跡周辺の稲作水田
E 本庄キャンパスの実験水田 
 動画としては、「那智の田楽」を紹介した。これは、和田修が現地調査を行い、ヴィデオ収録したものをデジタル化したものである。田楽の所作を具体的に学ぶことができ、好評を博した。しかしながら、音声への対応が不十分であったため、再生が完全に行えたとはいいにくい状況であった。2002年度よりの授業実施に向けて残された課題であるといえよう。

3.研究成果の発表

(海老澤)


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・地域社会と危機管理研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 浦野 正樹 相互に有機的な連携をはかっているので、とくに役割分担は設けない。
分担 :文学部 助教授 山西 優二
     文学部 専任講師 土屋 淳二
     文学部 助手 下村 恭広
     地域社会と危機管理研究所 客員研究員 大矢根 淳
     地域社会と危機管理研究所 客員研究員 菅 磨志保
     地域社会と危機管理研究所 客員研究員 木村 明子
1.研究内容

地域社会研究及び危機管理研究分野におけるマルチメディア情報通信技術の教育利用に関する研究。
 とくに、当面は上記の領域のうちでも、社会的ニーズの高い「災害研究、および防災知識や地域活動の普及・啓発(生涯学習、高等教育、初等・中等教育)に向けてのマルチメディア情報通信技術の活用に関する研究」を中心に実施している。高等教育レベルでは災害・防災情報を教育利用していくための環境整備(データベース化の基本仕様の作成と試作、掲載すべき情報の整理・加工、教育利用の方策とカリキュラム及び教育プログラムの作成など)、生涯学習及び初等・中等教育レベルでは、上記のデータ群への関心を深め導入していくための、コンパクトで具体的な教材の作成、及び教育プログラム・カリキュラムの開発などが課題となろう。

2.研究成果概要

 2001年度は、上記スタッフにより、地域社会研究及び危機管理研究分野における基礎的な調査研究を実施したほか、とくに、「災害研究、および防災知識や地域活動の普及・啓発(生涯学習、高等教育、初等・中等教育)に向けてのマルチメディア情報通信技術の活用に関する研究」に関しては、次のような研究活動を展開した。
 高等教育レベルでは、災害・防災情報を教育利用していくための環境整備として、@データベース化の基本仕様の作成と試作(研究・教育機関及び団体の検索エンジン機能を含む関連機関データベース、関連文献資料データベース、図表・写真・資料などの素材データベースの設計とデータ公開への作業)、A掲載すべき情報の整理・加工(公開データの整理・加工作業と一連の公開サイトの作成)、B教育利用の方策とカリキュラム・教育プログラムの作成(BBS・公開サイトの教育活用方法の検討、オンデマンド授業準備作業、「総合学習」教材作成に向けての教職課程履修学生用指導プログラムの作成など)、を実施した。また、生涯学習及び初等・中等教育レベルでは、上記のデータ群への関心を深め導入していくための、コンパクトで具体的な教材の作成や、災害被災地の現場学習との有機的な連携を含めた教育プログラム・カリキュラムの開発などを行った。
 http://www.littera.waseda.ac.jp/saigai/
 http://www.waseda.jp/projects/sustain/
 http://classes.web.waseda.ac.jp/z-muranolt01/
 その他、オンデマンド教育用サイト(及びBBSサイト)参照

3.研究成果の発表


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・地中海研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 小林 雅夫 研究の総括
分担 :文学部 教授 引地 正俊 西洋古典文学関係教材のデジタル化とその応用
      文学部 教授 野口 洋二 ヨーロッパ中世史関係教材のデジタル化とその応用
      文学部 教授 市川 慎一 フランス文学関係教材のデジタル化とその応用
      語学教育研究所 教授 菅田 茂昭 ロマンス語学関係教材のデジタル化とその応用
     文学部 教授 遠山 一郎 ギリシア・ラテン語学関係教材のデジタル化とその応用
     文学部 教授 丸野  稔 ギリシア哲学関係教材のデジタル化とその応用
     文学部 教授 森原  隆 フランス史関係教材のデジタル化とその応用
     文学部 助教授 酒井 紀幸 ルネッサンス哲学関係教材のデジタル化とその応用
     文学部 助教授 宮城 徳也 ギリシア・ローマ文学関係教材のデジタル化とその応用
1.研究内容

 古代から現代までの地中海地域文明の諸相を多面的な観点からデジタル(映像・音声等)化し、古代ギリシア・ローマ世界・ビザンツ世界・ルネサンス世界・近現代の地中海周辺地域の歴史・思想・文学・美術・音楽・科学を題材とするオンデマンド授業の展開を試みる。デジタル教材は将来的にはデータベース化し、一般公開することを計画している。

2.研究成果概要

 2001年度は翌年度から始まるオンデマンド授業の準備段階として、「歴史・民俗系演習11」においてホームページの作成および発表を中心とする授業を行った。それによってオンデマンド授業の教育的効果について見通しを立てることができた。
 その上で年度末の春休みを利用して、デジタルコンテンツ用の映像資料を収集するためのイタリア現地調査を行った。今回の調査ではローマの史跡撮影に最も多くの時間を費やし、その後ポンペイ、アッシジ、北イタリアの諸都市に向かった。参考としてローマでの行程を以下に挙げておく。

 3月13日(水)フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘、コロッセオ
 3月14日(木)カタコンベ、アッピア街道、カラカラ浴場、オスティア
 3月15日(金)ヴァチカン美術館、サン・ピエトロ寺院
 3月16日(土)国立博物館(Sapelli館長による案内つき)

ビデオ撮影に関しては専門のスタッフを同行させることによって、質の高い映像資料を収集することが可能となった。限られた時間内に目的の史跡すべてを撮影するために、撮影スタッフを二班に分けるなどの工夫を行った。また撮影の専門スタッフ以外にもデジタルビデオ・カメラを持たせ、できるだけ多くの映像資料を持ち帰れるよう取り計らった。そして帰国後、デジタル映像の編集作業等を行い、オンデマンド授業のためのデジタルコンテンツ作成に取りかかった。

3.研究成果の発表


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・中国古籍文化研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 岡崎 由美 研究の総括
分担 : 人間科学部   講師 稲葉 明子 俗曲版本の書誌調査とデジタル資料化
1.研究内容

(中国語文献資料のデジタル化とその活用)

2.研究成果概要

・ 文学研究科「中国文学演習(3)」(岡崎担当)において、BBSを利用し、演習で   扱う唐代芸能資料とその注釈、校訂、訳稿を中国語テキスト形式で蓄積し、検索    参照の利に供する試みを行った。
・ 早稲田大学図書館風陵文庫所蔵の俗曲資料を、俗字、語彙研究、芸能資料読解の参照  テキストとして供すべく、その一部をデジタルデータ化し、CD-ROMを作成した。(   2002年度も継続して作成する予定)。

3.研究成果の発表


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・中国語教育総合研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

助教授 楊  達 オンデマンド授業の準備
1.研究内容

 2001年度は,@マルチメディア語学学習ソフトを及びAオンラインテストシステムを試作した以外に,B2002年度より文学部の中国語中級選択を試験的にインタネットオンデマンド型授業に移行することを決定。とくに,インターネットオンデマンド授業の中で,このようなリスニングを中心にした語学授業は最初の例であるために,その準備作業にいくつか乗り越えなければならない課題があった。

2.研究成果概要

@ マルチメディア語学学習ソフトの試作:理工学部成田研究室と合同で,会話型ソフトを開発した。
A オンラインテストシステムの試作:同じく理工学部成田研究室と合同でコンピュータテスティングシステムを製作し,評価を行った。現在は個人データ管理などについて改良中である。
B 中国語中級選択のインターネットオンデマンド型授業の準備作業:この授業は下図のように7つの段階に分けて,学習者は矢印方向にインタビュー音声を中心に学習していく授業である。2002年度実施の際,初期においては登録した学生は教室で授業を受けることになるが,後半では自宅でも受講できるように設計してある。
説明図
 準備作業の内容:@「北京上海ことばの旅」(朝日出版)からインタビュー部分を切り取り,その部分をキャプチャし,インターネットでも見られるようにファイル変換をする。Aインタビュー部分を音声ファイルに変換する。B単語をリストアップ。C単語テスト,内容選択問題,翻訳選択問題を製作する。D製作した文字データをアップロードする。

3.研究成果の発表

特許の申請


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朝鮮文化研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 李  成市  
1.研究内容

広域史としての東アジア史の構築
一国史を克服するために東アジア史の必要性と課題について、これまでの歴史研究について批判的検討を行ない、新たに方法論を提示する。そうした方法論に基づきつつ、具体的な東アジア史としての史的展開過程を示す。とりわけ、漢字文化圏の形成に留意し、文字文化の事例を最新の成果に基づいて視覚的に提示することをめざす。

2.研究成果概要

 「広域史としての東アジア史の構築」としてオンデマンド授業で掲げた講義の目的とその内容の要旨は以下の通りである。 
 東アジア諸民族(いわゆる東夷諸族)が漢の武帝による四郡設置以来、中国文明との接触と摩擦によって、周辺の民族集団の統合と古代国家形成へと歩み出す過程を、東アジア史の形成とみなし、紀元前1世紀から期限後10世紀にわたる古代東アジア史の展開過程について、政治過程の同時代性、社会の類似性、文化の共通性に留意しながら東アジア史の可能性について検討する。その際に、19世紀以来の一国史を相対化し、克服する方法として西嶋定生氏の提唱した「東アジア世界論」を出発点に、新しい東アジア史の可能性についての提言を行なう。 
 上述のような課題に対して、本年度は、一国史を克服するために東アジア史の必要性と課題について、いわゆる「教科書問題」の批判的検討を行ない、これまでの研究成果をふまえて自らの方法論を提示した。それらは、古代史より、近代植民地期の諸問題にわたるものであった。またそのような方法論に基づく具体的な東アジア史としての史的展開過程を明らかにする論文を発表し、それらを裏付ける文化財や文字資料など、視覚的な資料の収集のために韓国への出張を2度行なった。資料収集の過程で、国立歴史民俗博物館における20周年記念展示「古代日本 文字のある風景」への遺物展示に展示プロジェクト委員として協力し、これまでの成果を反映することができた。2001年度に収集した諸資料は、それらを整理し講義に反映させるためには準備が必要なため、2002年度のオンデマンド授業は、見送ったが、2002年夏期に予定されている早稲田大学オープンカレッジ(ラーニングスクエアー3回)にて、試験的に授業を行い、2003年度のオンデマンド授業に反映させる予定である。 

3.研究成果の発表


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・長江流域文化研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 工藤 元男 オンデマンド授業・遠隔授業のコンテンツ作成と授業の実施
1.研究内容

 東洋史学研究2(1文)を通年のフルオンデマンド授業、および本学生涯教育機関のエクステンションセンターにおける遠隔授業のコンテンツ作成。

2.研究成果概要

@ 第一文学部の東洋史学研究2をフルオンデマンドで授業するにあたって、研究室の院 生の協力得て種々の静止画資料を集め、それらをPowerPoint上で操作するため、   Photoshop上で種々の加工を施し、画像史料の蓄積を行った。また新たに現地で静止画 ・動画資料を蒐集するため、3月に中国湖南省の長沙市、および湖北省の武漢市・巴東 ・孝感地区に出張し、主として考古の発掘地、博物館などでスチール写真、およびデ ジタルビデオカメラによる撮影を行った。動画資料はPremiereで管理し、授業内容に 即したものを数分単位でPhotoshop上に組み込めるように、コンテンツを分割した。
A エクステンションセンターにおける遠隔授業のコンテンツ作成でも同様の作業を行 ったが、この場合はむしろこれまで収集してきた静止画・動画資料を使用するので、 その整理作業が中心となった。
  これらの作業を通じて最も痛感されたのが、画面上の地図作製の重要さである。基 本的な地図を複数パターン準備し、それを加工してさらに複雑な地図を作成出るよう な方法を考える必要がある。今後、しかるべきソフトを購入して、授業内容に最も適 切な地図を提供できるような準備をしたいと考えている。

3.研究成果の発表


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・道空間研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 長田 攻一 オンデマンド授業における、ビデオ資料の取材とBBSの活用方法
分担 : 文学部 教授 坂田 正顕 授業でのビデオ資料、CD−ROM資料とホームページの組み合わせ利用の方法
1.研究内容

 人文科学系授業におけるビデオ資料、静止画映像、現地インタビュー取材と活用方法

2.研究成果概要

 道空間研究所では、2001年度は「現代社会と巡礼の道」という授業をモデルとして、毎年続けている巡礼の道に関する新たな収集データのうち、従来の研究報告書ではあまり活用できなかった、著作権処理の必要のないオリジナル資料としての、道や建物、石碑等を対象としたビデオ取材資料、カラー写真、インタビューにおける映像と音声を含む人物取材資料を、各種のホームページ、データベース資料、CD-ROMと組み合わせて授業において活用する方法を研究課題として、2001年度には、7月、8月、11月と3回の四国への出張取材を行った。
 7月、8月は、愛媛県の札所で完成したユニークな宿坊施設と住職へのインタビュー、遍路道保存のための活動を長年にわたって行ってきた宮崎建樹氏へのインタビュー、バス巡拝の草分けである伊予鉄観光株式会社の社長および専務への今後の事業展開に関するインタビュー取材、四国遍路の起源に関わる伝説の舞台である文殊院と八つの墓の取材、11月には香川県国分寺町の遍路道の草刈や補修を春と秋の行事として行っている地域住民の活動への参加とビデオ取材を、NHK出版を通じて専門の取材スタッフに依頼し同行してもらって実施した。
 その取材ビデオ資料を、授業を実施する教員ができる限り効率的かつ簡単に編集できるような体制を作ることを狙いとして、需要が多く機材が少ない共同の作業室では時間的制約、作業効率的制約が多いことから、共同作業室での作業を補完するために研究室で使える装置が必要と考え、操作が比較的簡単でしかも高画質な編集ができるようなビデオ編集機材を導入して、2002年度に開始されるオンデマンド授業、BBS活用を前にして、教員自らその作業を行える環境の整備を図った。

3.研究成果の発表


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・比較考古学研究所

プロジェクト研究者所属

資 格

氏  名

研 究 分 担

代表:文学部

教授 菊池 徹夫 研究の総括、比較考古学
分担 : 文学部 助教授 近藤 二郎 エジプト学
      文学部 専任講師 寺崎秀一郎 メソアメリカ考古学
1.研究内容(考古学関連科目におけるオンデマンド型授業の可能性)

 考古学に関わる教育・研究においては、遺物をはじめとした「モノ」の活用が非常に大きな比重を占めることは言うまでもないが、現実にはさまざまな制約もあり、スライドや図表の多用によって対処してきた。今回はオンデマンド型研究授業の実施に伴い、受講生に提供できるデータの新たな活用方法やオンデマンドの最大の利点である双方向性に着目し、従来の教場における教授法との比較、および新たな可能性を探る。

2.研究成果概要

 近藤二郎、寺崎秀一郎はそれぞれ2002年度実施予定の下記の授業について、オンデマンド型研究授業の準備をおこなった(近藤:フルオンデマンド型、寺崎:ハイブリッド型)。

近藤二郎(歴史・民俗系演習21)
 外国考古学研究の中でエジプト考古学を取上げる。ナイル川流域において紀元前3000年頃にひとりの王のもとで統一王朝が成立してから、3000年間におよぶエジプト文明は極めて私たちになじみ深いものではあるが、ピラミッドやツタンカーメンなど個別なものを除くと具体的な姿やその全体像はあいまいであるように思える。これまでナイル川流域でおこなわれてきたエジプト考古学を中心とする研究成果によって古代文明の姿が徐々に明らかになっていったのである。そこでこの講義では、これまでの研究で何が明らかになり、何がわからないままに残され、そして、現在、何が問題点として残っているのかを解明していく。

寺崎秀一郎(考古学研究V)
 民族誌学や文化人類学、言語学、あるいは図像学、碑文解読学など関連分野と協同した学際的研究が盛んにおこなわれているメソアメリカの考古学、特にマヤ考古学を中心にその理論と実践について論ずる。 
 メソアメリカ地域は、スペイン人の侵入以前に旧世界とは独立した文明の道程を歩んだ地域であり、短期間に農耕を基盤とした初期国家段階の社会を形成したことが明らかになっているが、アメリカ考古学における理論面での「実験場」としての役割を担い、成果を残してきた。さらに、植民地経験を経たメソアメリカ地域の考古学は、先住民問題とも密接な関わりがあり、文化の未来を考える上でも重要な地域の一つである。こうした特徴をもつメソアメリカの考古学については、従来、日本国内で取り上げられる機会が少なかったわげであるが、本講義を通じてその一端に触れるとともに、各自の専門地域と比較してみてほしい。

 近藤、寺崎はともにBBSを設置し、講義型、あるいは多人数型の授業形態では、今まで難しかった講師−受講生、受講生−受講生間の意見交換を活性化させ、教育効果の向上の可能性について検討していく予定である。

3.研究成果の発表



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