早稲田の核心戦略 2.グローバルリーダー育成のための教育体系の再構築

2.グローバルリーダー育成のための教育体系の再構築

既成の専門分野で世界の先端に立つための専門偏重の教育を超えて、国際性と基礎・教養力に裏付けられた専門性によって世界に新しい時代を拓くグローバルリーダーを育成するために、教育体系の柔軟化と全学的な組織化を図る。

目的・目標

早稲田大学の卒業生が世界のリーダーとして、豊かな人類社会の実現に貢献するためには、在学中に専門の力を活かす真の教養力を養う必要がある。本学の教養教育は、いわゆる一般教養科目の羅列ではなく、基礎教育科目、外国語科目、および留学・ボランティアなどの体験科目で構成される全学共通副専攻科目群と各学部での専門科目群の総合によって教授するものである。

基礎教育は、学部で専攻する学問を学ぶためにも、また社会に出て仕事をするためにも必須となる、論理的な思考をし、自らの思考内容を発信できるコミュニケーション能力とITの素養を身につけるための全学基盤教育と、人文科学・社会科学・自然科学のこれまでの成果を学び、学部の専門を超えて、学問とは何かを考える機会を用意する全学共通教育よりなる。専門力の発揮を裏付ける深い洞察力の源である教養を身につける機会を全学生に提供するために、オープン教育センター等におけるこれらの基礎教育プログラムと外国語教育プログラムの系統化と専門教育との適切な接続を図る。さらに、異文化交流やスポーツ振興を促進するとともに、国際教育プログラムや留学プログラム、ボランティアなどの体験科目を通して、幅広い知識と複眼的視点からの思考を身に付けたグローバルリーダーとなるに相応しい学生を育成する。また、社会経験を基にグローバルリーダーを目指す社会人向けの教育も充実させ、いつでも大学へもどって勉強できる機会を増やす。

このような教育を実現するために、教育プログラムの充実と教育環境の整備を進め、学術院の再編をも視野に入れつつ必要な制度の柔軟化と体制の改革を行う。2013年度から導入するクォーター制はその一つである。例えば、オセアニアと南米の夏休みは11月半ばに始まり、新学年度は2月に始まる。韓国の新学年度は3月に始まり、北米のQuarter Systemの大学は4月に春学期が始まる。クォーター制は、日本も含めて世界中のアカデミック・カレンダーへの対応を可能とする。また、本学の海外拠点や600を超える海外協定校・機関と連携し、教育・研究の場あるいはボランティア活動や文化の発信の拠点として有機的に活用する。

改革のポイント

  1. 全学に共通的な早稲田の教養教育の実施体制を確立するために、学部とオープン教育センターの連携や必要に応じて学術院再編を含めた教育組織の再編に取り組む。
  2. 学部・大学院におけるクォーター制の導入と効果的な運用を行う。
  3. すべての学生が、留学、海外フィールドワーク、国際ボランティアなど、海外での学習を経験するための体系を整備する。
  4. グローバルイシューに取り組む次世代のリーダーを育成するために、選抜された優秀な学生を対象とした質の高い教育を行うための戦略的な全学横断型の教育プログラムを設置する。
  5. 全学問分野ごとにルーブリックなどの評価指標サンプルを作成して、「思考、判断、スキル」等の評価基準を明確化する。
  6. 共通科目等におけるコースナンバリングを導入したカリキュラムを体系化する。
  7. 海外拠点や海外協定校との連携による「共同学位プログラム」を進め、早稲田の教育を世界で展開させる。
  8. 社会人教育を充実させ、国内外の経済界、官界等を対象とした教育および生涯教育を充実させる。
    特に、学術院の枠を超えた知的資源ならびに人的ネットワークを活用して個別ニーズに則した展開を図る。

関連するプロジェクト

  • ▶教育システム改革PJ
  • ▶人間的力量の増進PJ
  • ▶社会貢献・ボランティア活動を通じた人材の育成PJ
  • ▶奨学金制度設計PJ
  • ▶海外留学促進PJ
  • ▶留学生受入促進PJ
  • ▶教育制度改革PJ
  • ▶社会人教育プログラムの拡充PJ

学術院等からの改革案例

  • 基礎教育において、グループ・ディスカッションやTAによる個別指導等の学習支援体制を充実させる。(政治経済学部)

  • 社会で活躍する卒業生による教育参加と在学生の社会参加をサポートする。(政治経済学部)

  • 大学レベルの海外留学プログラムに加えて、箇所レベルの学生交流協定、ダブルディグリー・プログラムを拡大し、海外に留学する学生を倍増させる。(政治経済学部)

  • 留学生を中心とするインターンシップ・プログラムの拡大に加えて、独自のキャリア支援プログラムを展開する。(政治経済学部)

  • 各外国語において、留学準備クラスや在学中の長短期の留学等のステップを適切に組み込み、どのようなステップを経れば、それらの目標に達するレベルにまで学部入学時の語学力を引き上げることができるかを示す「ストリーム」を明確にする作業を進める。(法学部)

  • 留学生への日本語による発表・論文作成等における支援体制、教員への外国語での研究成果発表(グローバルな学術情報発信)の支援体制の構築。(文学学術院)

  • 校友による学校教育学会・校友会の活動の活性化と拡充を図る。(教育学部)

  • 学生の学力を担保するため、科目系列ごとに教育の効果測定を図り、とくに外国語科目に関しては、年次毎の到達目標設定による質保証を目指す。(商学部)

  • 「導入ゼミ」(仮称)設置と「総合教育科目演習」改編により、学生の入学から卒業までゼミ形式の「対話型、問題発見・解決型教育の場」を提供する。(商学部)

  • 従来の海外留学に加え、短期留学、中期留学、インターンシップと連動したプログラム等を整備し、学生が積極的に異文化体験を積む機会を提供することにより、1年間の派遣留学生数640名を目指す。(商学部)

  • シンガポールの研究拠点やアジア各国の連携大学を足掛かりとし、クォーター制等の活用によりグローバル連携教育を推進する。(先進理工学部)

  • 社会構想力の養成のため、(1)従来型の知の体系を理解し、(2)同時に、コミュニケーション能力を高め、(3)これを実践するという3段階のラーニング・システムに基づく将来像を設計する。その実現のため、(1) G30「現代日本学プログラム」による留学生の受け入れ、および「中国中期留学プログラム」などによる中国語圏・英語圏への中期留学者の拡充を通して、教育環境のさらなる国際化を図る。(2)カリキュラム中の実践・実習系科目の数を現行の2倍以上に増やし、学問のさらなる社会化・臨床化を図る。(社会科学部)

  • 現代日本学研究プログラムをとおして、将来各国のリーダーとして活躍しうる“日本学スペシャリスト”を養成する。(社会科学研究科)

  • 初期教育の充実 (1)リテラシー科目群:スキルの修得を主眼とし、主に1・2年次教育において共通基礎力の養成を担う。【英語、初習外国語、日本語(学術的文章の作成・日本語と日本文化)、データリテラシー】(2)人間科学基礎科目群:人間および「人間科学」を理解するための基盤の形成を担う。【スタディスキル、学生生活とセルフマネジメント、基礎ゼミ、人間科学概論、人間環境科学概論、健康福祉科学概論、人間情報科学概論、リメディアル科目】(3)人間科学教養科目群:社会の中での自己の役割やあり方を認識し、より高い次元で人間存在と現実を理解する力の獲得を目指した知的訓練を行う。(人間科学部)

  • 科目のナンバリングを導入する他、クォーター制、短期留学・研修制度および単位認定制度を導入し、インターンシップについても充実させる。(スポーツ科学部)

  • 海外における現状の指定校制度を見直し、より効率的な受験生獲得を目指す。(国際教養学部)

  • 「アジアに強い日本人ジャーナリスト、日本に強いアジア人ジャーナリスト」を養成し、グローバルな公共空間の創造に貢献する早稲田ジャーナリズム大学院の新展開。(政治学研究科・経済学研究科)

  • 日本のみならず、東アジアにおけるエグゼキュティブ教育分野、実践経営理論・手法開発でのリーダーとなることを目指す。(ビジネススクール)

  • 留学生日本語学習支援システム「わせだ日本語サポート」を立ち上げる。(日本語教育研究科)

  • 多様な国際交流経験を積ませることを目的に、日韓高校生交流キャンプ(日韓経済交流協会)、国際学生シンポジウム(学院協定校主催)、ワールドリーダーズサミット(馬場財団)、高校生国際交流プログラム(AIU)などに参加させる。(高等学院)

【コラム:ルーブリックとコースナンバリング展】

◆ルーブリック:「思考、判断、スキル」等の評価基準を明確にして、学修の達成度を判断する基準を示す
 教育評価法です。

◆コースナンバリング : 授業科目のレベルや内容によって数値で分類し、カリキュラムが体系化され、
 学生の履修を分かりやすくさせます。

【コラム : 秋入学】

秋入学は日本の大学のグローバル化を推進する上での重要な指摘ですが、これだけで外国人留学生が増加するわけではありません。外国から日本に留学しやすい環境の整備、特に授業の英語化の促進が必要です。入学時期に関しては、秋入学は一部の国に適合的ですが、2月または3月に新学期を迎える国には対応できませんし、また、現在の日本のセメスター制では、6~8月のサマースクールにも対応できません。

早稲田大学は、サマースクールへの対応も含め、すべての国々の学期をカバーできるクォーター制を導入します。

クォーター制のメリットとしては、短期間に集中的に学べること、2カ月間の短期留学、ボランティア活動、インターンシップ等を可能にすること、教員にとっても研究に集中できる期間が確保できることがあげられます。

【コラム : 各国大学型高等教育機関への25歳以上の入学者割合】

各国の大学入学者の内25歳以上の割合について、OECD各国平均は約20%に達し、社会人学生も相当数含まれます。一方、日本人の社会人学生比率は2.0%という低さです。
1位:アイスランド36.8%、5位:オーストラリア26.4%、13位:北米22.0%、15位:英国19.5%、17位:韓国18.4%、20位:ドイツ14.8%、26位:日本2.0%、OECD各国平均21.1%
出典:OECD教育データベース(2009年)。ただし、日本の数値については、「学校基本調査」および文部科学省調べによる社会人入学生数。

以上

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