新教育研究体制の構築と教育の質向上

記載内容は2012年度事業報告書より抜粋していますので、詳細はこちら(PDF)PDFデータを開きます。をご覧ください。

(1)新教育研究体制
1.トップレベルの若手研究者集団育成
  • 文部科学省・イノベーション創出若手研究人材養成事業の実施を通じて、若手研究者(博士後期課程大学院生・博士取得後5年以内の若手人材)100人程度を学内外から公募し、実社会で活躍するために必要なコミュニケーション、産業イノベーション、実用英語などの能力開発を実施しました。また、実践博士研修プログラム(企業等での長期インターン、共同研究等)を国内外の企業・研究機関と協働で作成し、20人程度の意欲のある若手研究者を選抜し長期派遣を行いました。
  • 博士学生・ポスドクを対象とした「産業-博士交流マッチング会」を開催し、博士のキャリアを支援する取り組みを実施し、これらの取り組みにより、産業分野で活躍できる博士人材を戦略的・組織的に養成し、実社会に数多く輩出しました。
2.独創的研究推進に向けた体制の整備
  • 研究に専念できる環境が整備された重点研究特区の構築に向け、研究資金やスペース、研究人材等の研究リソースの重点配分や支援制度の検討を開始しました。
  • 研究力を引き出す制度と環境を整備するために、研究院、研究戦略センター、附置研究所等との連携を強化し研究組織と支援体制の整備を進めました。
  • 研究活動の活性化や研究開発マネジメントの強化等を支える体制を充実させるために、研究プロジェクトの企画・マネジメント、研究成果活用促進等の機能を担うリサーチ・アドミニストレーションシステムの構築について検討を開始しました。
  • 文部科学省委託事業「リサーチ・アドミニストレーターを育成・確保するシステムの整備(研修・教育プログラムの作成)」を通じてURA(University Research Administrator)の研修教育プログラムを作成し、試行的に実施する研修会を3日間にわたり開催しました。全国から集まった100名程度のURAが受講し、受講者からプログラムに対する貴重な意見を収集し、次年度の検討につなげました。
  • 研究成果の発表の機会である学術出版制度を引き続き推進し、㈱早稲田大学出版部から早稲田大学学術叢書3冊、早稲田大学モノグラフ23冊を刊行しました、また、外国語による出版を含めたグローバルな対応を強化しました。
3.研究環境の整備および研究評価
  • 重点領域研究制度および研究機構制度で実施されている研究プロジェクトについて、高い研究成果を創出するために構築・導入した研究評価システムをさらに進化させ、研究リソースの効果的配分へとつなげました。また、同制度の制度評価のあり方の検討に着手し、その具体化を推進しました。
  • 重点領域研究制度および研究機構制度を中心として、研究力の向上に資する研究インセンティブのあり方や学内研究組織間の連携強化の方策の検討に着手しました。
4.FD(ファカルティ・ディベロップメント)の推進
  • 学生授業アンケートについて、さらなる授業改善につながるように設問の見直しを行い、全学で学期ごとに実施しました。
  • 新任教員をはじめとした教職員を対象とする各種FDセミナーを開催しました。その一環として、米国協定校に教員を3週間派遣して行う教授法に関する研修(12名参加)を実施するとともに、2012年度はワークショップ形式による教授法に関する1日コースのFDプログラム(4日間で合計46名参加)を開催しました。また、ワシントン大学Teaching and Learning Centerディレクターを招いてFD講演会「Learning How to Teach and Teaching How to Learn」を開催しました。
  • 対話型、問題発見・解決型教育への移行に向けて、全教員を対象に授業方法に関するアンケートを実施しました。
5.職員人材育成と職員組織の構造改革
  • 各箇所におけるすべての業務に対して、スキル基準表を策定し、2012年6月から運用を開始するとともに、これを活用して高い専門性を備えた職員を育成するプログラムを開発し、職員スキル向上のためのプログラムの実施を開始しました。
  • 大学職員業務において必要とされる知識やスキルを習得し、広い視野を持った職員育成のための講座「大学経営セミナー」を計10回(前期4回、後期6回)開催しました。
  • 海外を含む学外機関への職員派遣や関連会社との相互出向などを通して人事交流を促進し、職員の能力の向上を図りました。
  • 教育・研究の新たな展開を支える職員組織を構築し、職員に求められる新たな機能、強化すべき機能を実現するため、新卒および既卒を定期的に公募し、博士学位取得者、海外大学卒業者、外国人等、多様なバックグラウンドをもつ専任職員の積極的な採用を進めました。
  • 教育・研究コーディネータ型職員の育成を目指し、研修、プロジェクト等を実施しました。
6.男女共同参画の推進
  • 「Waseda Vision 150」において、20年後の構成員の数値目標として女子学生比率50%、女性教員比率30%、女性職員比率50%を掲げ、これらの数値目標の達成、本学における男女共同参画の推進に向けて、「男女共同参画宣言」、「男女共同参画基本計画」に沿った年次計画を策定し、教職員・学生を対象とした講演会・セミナー・交流会などを多数開催するほか、リーフレットやニュースレターの発行、ホームページやポータルサイトによる情報発信を定期的に行うことで、意識の向上を図りました。
(2)教育の質向上と新教育システムの構築
1.全学的な教育システムの確立
  • 本学における基盤教育、教養教育、専門教育について、ワーキンググループにおいて検討を行いました。その結果、本学として広く世界に貢献する「グローバル人材」の育成を目標とし、グローバル教育の拠点としての役割を担う「グローバルエデュケーションセンター」を2013年4月1日に設置することを決定しました。
  • 本学における教養教育のあり方を検討する全学的なシンポジウムを8回にわたり開催しました。教養として身に付けるべき能力や、そのために設置すべき科目群等について提言を受け、それを具体化するための検討を進めました。
  • 論文、レポート等の学術的文章を的確に書く力を向上させるための「学術的文章の作成」をオープン教育センター設置科目として開講し、年間4,243人の学生を受け入れました。また、各学部での必修化の可能性についても検討し、人間科学部では2013年度秋学期から必修化することを決定しました。
  • 企業社員や自治体職員(プロフェッショナルズ)の助言を得ながら、学生が企業や自治体に諸課題の解決策を提案する「プロフェッショナルズ・ワークショップ」を、2011年度と同規模のプログラム数で実施しました。また、2013年度からはその形態に工夫を加え、科目化(8科目クラス)することを決定しました。
2.外国語教育の充実
  • 「Tutorial English」の次の段階の英語教育として、批判的に文章を読み、自身の考えをまとめ、発信する能力の向上を目的とする「Critical Reading and Writing」を新設しました。春学期には上級クラス、秋学期には中級クラスと上級クラスを開講しました。
  • フィールドトリップ、留学生のプログラムアシスタントとの交流を通して「Tutorial English」で学ぶ語彙や表現の定着を目的とする「Tutorial English Training Camp」を新設し、夏季(8月)集中科目として1クラスを開講しました。
  • 学生のニーズに対応してタイ語(準中級、中級)、チュートリアル中国語(初中級)を新設しました。また、チュートリアル中国語のレベル調整を上級以上のレベルにおいても実施することを決定しました。
  • 2011年度に引き続き北京大学、ソウル市立大学等との連携科目を開講しました。特に、ソウル市立大学との連携科目では、両大学の学生がソウルと早稲田を行き来する形態で実施しました。
3.初年次教育・入学前教育の充実とオンデマンド授業の活用
  • 数学の基礎理解と数理的、論理的思考力を高めることを目的とする「数学基礎プラスα・β」の金利編、最適化編を開講し、年間4,253人の学生を受け入れました。また、これらの科目の発展科目として「数学基礎プラスγ」の線形代数学編を春学期と秋学期に、解析学編を秋学期に新たに開講し、年間437人の学生が受講しました。
4.オープン教育センター設置科目の充実
  • 健康・医療に関する諸課題を従来の講義科目に加えて、討論や実習を通じて、総合的に学び、考え、実体験する場となることを目的とした全学共通副専攻「健康・医療」を新設しました。
5.寮生活における全人教育の展開
  • 様々なバックグラウンドを持つ者が集まる学生寮という環境を活かし、学生の潜在力を引き出すための「Social Intelligenceプログラム」を実施しました。そのプログラムの中で優秀な成績を収めた学生5人を、経済産業省が後援する、グローバルキャリア教育プロジェクト(台湾にて実施)へ派遣しました。
6.早稲田健康キャンパスの実現
  • 「健康」を学習テーマとしたオープン教育センター設置科目として「健康創成論」、「メンタルヘルスマネジメント概論」を引き続き開講し、学生の健康に対する意識の向上を図りました。
  • 学生が自己の健康に責任を持ち、運動・食・医療・心のケアの総合的なアプローチを図り、在学中のみならず卒業後も健康に生活を維持しうる仕組みの構築をする目的で、6月と10月に健康フェスタを実施しました。
7.学生生活支援の拡充
  • 学生の成長を促し、学びながら働く場となる学内でのステューデント・ジョブについて、現在学内にある業務について調査・整理を開始しました。
  • すべての学生が充実した学生生活を送れるように、精神面や健康面で不安を抱える学生に対して支援体制を強化しました。また、学生部・保健センターと関係箇所が協力して健康診断等を実施する際に合わせるなどしてアルコールパッチ検査などの健康増進活動を展開しました。
  • 学生の生活を支援する学内奨学金制度の在り方について、制度の見直しを含めた抜本的な改革に向け議論を開始しました。
8.キャリア支援の充実
  • 学部低学年(1、2年生)を対象にした進路やキャリア形成に関する講座・セミナーを開催するとともに、新入生に配布するキャリアガイドブック「みらい設計ガイドブック」に4年間の学生生活のロードマップを示し、中長期的にキャリア形成を意識した学習計画を組むための支援を強化しました。
  • 女子学生向けに卒業後までを見据えたキャリア形成を考える機会を提供し、若手OB・OGと懇談するカジュアルトークイベントなどを実施しました。
  • 留学生向けに英語による相談を拡充するとともに英語版キャリアセンターWebサイトの内容を充実し、留学生のキャリア支援を強化しました。
  • 競技スポーツセンターとキャリアセンターが連携し、体育各部向けの就職セミナー等を通して部員に特化した求人情報を提供するとともに、部員の採用を希望する企業による会社説明会を実施しました。
(3)文化推進・スポーツ振興
1.多種多様な文化資源の活用
  • 本学が所有する貴重な文化資源を教育・研究においてさらに有効活用し、教育・研究成果の向上を図りました。また、文化資源の展示会や各イベントを通して公開し、社会貢献活動を推進しました。
  • 文化資源データベースの機能強化とコンテンツの拡充に取り組み、サービスの向上と文化資源の学内外への発信力を強化のためのシステム整備について検討を継続しました。
  • 自治体、地域や協賛企業との連携を引き続き強化していく。大学関係者だけでなく広く一般を対象とした文化事業を展開するとともに、募金など文化振興のための財政基盤整備の検討を進めました。
  • 創立百五十年史編纂に向けた準備、早稲田人名データベースの作成・公開や本部各部署への資料保存状況に関するヒアリングを開始しました。
  • 會津八一記念博物館において、文化資源の収蔵スペースを確保し、国宝・重要文化財の公開承認施設として改修するための調査・検討を進めました。
  • 第12回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞において、145 件の応募・推薦作品の中から次の5作品への授賞を決定し、顕彰しました。
2.早稲田人としての誇りの醸成
  • 全学共通科目「早稲田学」において、創設者(小野梓)に関連した講演会を講義に組み込むなど、授業内容の充実を図りました(前期「創設者大隈重信」登録者数150名、後期「近代史のなかの早稲田大学」登録者数208名)。
  • 学部新入生を対象に本学の歴史、学生生活に必須となる知識、心構えなどを習得させる「わせだライフABC」の受講を促進させ、早稲田大学の学生としてのアイデンティティー確立や、オープン教育科目「早稲田を知る」の受講へつながる努力をしました。
3.ボランティア、フィールドワーク型授業・プロジェクトの拡充
  • 平山郁夫記念ボランティアセンター(WAVOC)では10周年を契機に、公認プロジェクトの募集制度を新設しました。毎年、プロジェクトの募集・評価をすることをとおしてボランティア活動の充実につなげる体制を構築しました。
  • 全学共通副専攻「社会貢献とボランティア」において、ボランティア関連科目やフィールド型授業を継続して行いました。なお、同副専攻から初めて修了者がでました。
4.新たな大学スポーツのモデル構築
  • 体育各部の競技力の強化を目的として、継続して強化策を講じた結果、体育各部の内、9部・11チームが大学選手権大会などで全国優勝を果たすとともに、個人においても優秀な成績を残しました。
  • ロンドンオリンピック・パラリンピックには、学生6名、卒業生10名が参加し、オリンピック2個、パラリンピック2個、合計4個のメダルを獲得するとともに、本学の現役女子学生としては初のメダリストが競泳競技で生まれました。
  • 体育各部の指導者を対象に、ケーススタディを中心とした課題解決スキーム等の共有や情報交換を目的としたコーチサミットを2回開催しました。
  • 社会貢献活動の一環として、大学のスポーツ施設を地域に開放し、各種体験教室等を部員が中心となって運営するスポーツイベント「早稲田スポーツフェスタin東伏見」を開催しました。
  • 高麗大学校(韓国)との交流試合開催等、体育各部の部員、指導者の国際交流活動を支援しました。
  • 早稲田スポーツのプレゼンスを向上するため、競技スポーツセンターWebサイト、Facebook、Twitter等を活用し、スポーツ情報を積極的に発信しました。