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2005年5月27日
高エネルギーイオン注入装置
(温室効果ガスを使用しない低価格品)を開発

 早稲田大学(白井克彦総長)は、100万電子ボルト級のイオン加速器を、従来のイオン加速器の半分にコストを押えた装置を株式会社アルバック(本社:茅ヶ崎市、代表取締役社長:中村久三氏)と共同で開発しました。

 本加速器は、イオン注入による光通信用素子作製のために開発したものですが、半導体製造時の半導体の導電性を制御するためのイオン注入装置、物質の組成を解析するラザフォード後方散乱解析装置、加速器質量分析器(AMS: Accelerator Mass Spectrometry)などに用いられるイオン照射装置としても活用できます。従来のイオン加速器ではエネルギーがMVクラスになると装置価格が高くなり(約2億円)イニシャルコストが高く採算が合いませんでした。そこで、早稲田大学理工学術院大木義路教授と藤巻真客員助教授(本属:産業技術総合研究所)は、イオン注入装置の性能を絞り込みコストの削減を図るアイデアを考案しました。また、アルバック超高真空事業部は早稲田大学の委託に基づき、既設のコンポーネントを改良し、さらに高電圧電源の構造や加速部の構造を抜本的に見直しコストの削減を実現しました。

 一方では装置が与える環境負荷にも配慮しました。既存の多くの装置では、高電圧を保持するためにタンクに充填した六フッ化硫黄(SF6)(硫黄とフッ素からなるフロンの仲間。強力な温室効果ガス。地球温暖化係数:二酸化炭素の22200倍)を用いています。しかし、平成14年(2002年)6月にわが国が批准した京都議定書では、SF6は二酸化炭素(CO2)と同様に削減対象の温室効果ガスに指定されていまる。そこで、新装置では、絶縁ガスに空気を採用しました。その結果、環境にもやさしく、ランニングコストも削減でき、さらにSF6のリザーバタンクが不要になることで設置面積も小さくすることができました。このイオン加速器はタンデム型方式の加速器で加速電圧は最大:800kV。イオン種は水素とヘリウムで、水素で最大1.6MeV,ヘリウムで2.4MeVまで加速することができます。

 このイオン加速器の価格はイオン源から照射チャンバまで含めて約1億円であり、アルバックでは今後、様々な分野に対応可能なイオン加速器として販売する予定です。また、藤巻助教授が設立メンバーの1人として設立した早稲田大学・産総研発ベンチャー企業の(株)エマージングテクノロジーズも加わり更なる改良を進めて行く予定です。同グループでは2005年度は3台の販売を見込んでいます。

〔ご参考〕
 イオン注入装置 写真はこちらから

以 上



 

掲示責任箇所:広報室広報課



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