早稲田大学理工学術院の海岸環境・防災研究室(柴山知也研究室)は、2月27日に発生したチリ地震津波の災害調査のため、柴山知也教授を隊長とする「チリ津波調査隊」を4月2日~11日の日程で派遣し、チリ第2の都市で震源地に近いコンセプシオン(Concepcion)をはじめとする沿岸域の津波被災の実態を調査いたしました。その結果、沿岸部に閉じ込められた(トラップされた)津波が4時間以上にわたって何度も襲ってきたこと、なぜ死者が少なかったかの要因が判明しましたので、下記の通り調査結果の概要を報告いたします。
調査の結果、沿岸域の陸棚上や湾内にトラップされた津波が4時間以上にわたって何度も襲ってきており、津波の浸水高さは8-10m程度、遡上高さは最大で20mを超えることが分かりました。これは、2004年のインド洋津波の際にスリランカ南部に押し寄せた津波(※行方不明者を含め約4万人の犠牲者)の高さに匹敵するのですが、チリの場合には地震と合わせても死者が350人と著しく少ないのが特徴です。これは、(1) 50年前の1960年チリ地震、2004年インド洋津波を契機として、津波教育が行き渡っており、多くの住民が高台に避難したこと、(2) 地震の規模が大きく、住民にとって具体的に津波の来襲を感じることができたこと、が理由として挙げられます。2009年のサモア島沖地震津波でも同じく死者が少なく、住民はサンゴ礁上で砕ける波を見て、避難をしています。これらを踏まえて、具体的に津波の危機を住民が感じられるような警報システムを設計する必要があります。
柴山知也教授(早稲田大学理工学術院)
Miguel Esteban講師(早稲田大学理工学術院)
武若聡准教授(筑波大学)
三上貴仁(早稲田大学創造理工学研究科修士課程)
大平幸一郎(早稲田大学創造理工学研究科修士課程)
| 4/3-4/4, 4/9 | チリ大学(早稲田大学海外協定校)との共同研究 |
| 4/5-4/8 | コンセプシオン カトリック大学との共同現地調査 (Iloca, Constitución, Penco, Dichato, Talcahuano, Tirua, Tumbes などを調査) |
| 4/8午後 | コンセプシオン カトリック大学、行政機関等との共同セミナー実施 |
| 4/9午後 | チリ大学で報告講演会実施 |
http://www.f.waseda.jp/shibayama/