すっかり初夏の風物詩となった早稲田学生文化・芸術祭(以下、文芸祭)も、今年で第7回を迎えることとなりました。おなじみのパフォーマンス集団、アーティスト集団が、早稲田キャンパスの各会場で自由にその才能を開花させます。今回、5回目の舞台監督を務められる中原和樹さんから、壇上で最大限のパフォーマンスを引き出すために最重要視していることを語っていただきました。また、参加サークルの一部から、今回の文芸祭にかける意気込みや見どころを紹介してもらっています。
熱いパフォーマンスをご覧になる前に、ぜひご一読ください。
開催日時: 5月31日(火)~6月19日(日)
会場:大隈記念講堂、小野記念講堂、早稲田小劇場どらま館、ワセダギャラリー(27号館B1F)
プログラム: 大隈記念講堂、小野記念講堂、早稲田小劇場どらま館、ワセダギャラリー
(会場名をクリックするとその会場のプログラムファイルが開きます。)
文芸祭舞台監督・中原和樹氏が語る「5年目で感じる変化」

舞台監督 中原 和樹(なかはら・かずき)
演出家・アクティングコーチ・舞台監督・劇団もんもちプロジェクト主宰
早稲田学生文化・芸術祭に関わり始めて今年で5年目になりますが、このイベントの最大の特徴は、多種多様な学生・サークル・団体が一堂に会し、自由にパフォーマンスを行うということです。そして、舞台監督としての仕事も、この特徴に関することが大きな割合を占めています。自由にとは言いつつも、時間制限がある中、各団体が最大限のパフォーマンスをできるよう、時間のマネジメントはもちろん、備品や人の出入り、控室の時間割、移動、開演時間や終演時間、転換時間の配分など、「パフォーマンス内容以外」の、舞台にまつわるあらゆる事柄を整理していくのが主な役割です。そして、それ以上に一番重要なのが、安全を守ることです。パフォーマーはもちろん、お客さんや大隈記念講堂そのものも含め、人と物の安全を守る。これがないと、どんなに素晴らしい演目でも、どんなに輝かしいパフォーマンスでも、その価値を失ってしまいます。学生たちのやりたいことやその魅力と、舞台の安全性とのバランスを見極め、できる限り自由に最大限のことをしてもらい、それを支えることが、最もやりがいがあり、そして大切な仕事なのです。
そうした舞台監督の観点でこのイベントの変遷を見守ってきましたが、毎年の見どころと変化を感じます。今年は、文芸祭が始まって以来、頻繁に参加してきた常連の団体が多いのが、一つの大きな見どころだと思います。4年間という限られた大学生活において、毎年同じ時期に自分たちの公演を行ってきているという積み重ねが、学生たちの自信と、アイデアと、創造性に大きく寄与しているように感じます。その積み重ねから発揮されるパフォーマンスを、ぜひご覧いただきたいです。
各団体の蓄積が、ひいてはこのイベント自体の積み重ねとなり、歴史となり、さらに大きく発展することを願って、今年も舞台袖から、すてきな学生たちを見守っていきたいと思います。
【プロフィール】
2008年、早稲田大学第一文学部卒業。在学時は英語サークルに所属。英語劇と英語ミュージカル団体に関わり、プロの演出家や舞台スタッフから演劇を学ぶ。卒業後、劇団「もんもちプロジェクト」を立ち上げ、ストレートプレイの演出・オリジナルミュージカルの製作および演出を重ねる。その他、子供ミュージカルの演技指導・演出、昭和音楽大学や東京藝術大学の企画での音楽劇・ミュージカル・オペラの演出を行うほか、アクティングコーチとして、他劇団の演技指導も行っている。フリーの舞台監督として、ジャンルを問わず舞台芸術に関わっている。英語力を生かし、海外公演でも活躍中。
参加サークルからのメッセージ
泥臭くも熱い ~ 早稲田大学ニューオルリンズジャズクラブ

社会科学部 3年
藤井 音寧(ふじい・おとね)
「ニューオルリンズジャズ」というジャンルの名前にはなじみがないかもしれませんが、テーマパークで演奏されていたりCMで使われていたりと、何となく耳にしたことがあるかと思います。このニューオルリンズジャズでは、吹奏楽などでよく知られているトランペットやクラリネットが、全く雰囲気の違った個性的な音色で奏でられ、初めて聞く人はもちろんのこと、音楽を経験したことのある人でも新鮮で聞き入ってしまうはず! 泥臭くも熱く、活気があるのがニューオルリンズジャズの魅力です。にぎやかで明るくて今にも踊り出してしまいそうな演奏をするかと思えば、賛美歌や悲しい曲を演奏してみたり…。皆さんも感情のままに体を動かしたり、手をたたいたり、あるいはブルースでしみじみとしたりして、この音楽の魅力にどっぷりと浸ってみてください!

「舞台上は土足厳禁!」ではありませんが、中には素足で軽快に演奏する人も
(早稲田大学ニューオルリンズジャズクラブ)
お客さんを笑顔にします! ~ お笑い工房LUDO

法学部 3年
櫻井 脩平(さくらい・しゅうへい)(写真右)
大隈記念講堂での単独ライブも今年で6年目となりました。「大隈記念講堂LIVE」はサークル内で選抜を行い、選び抜かれた組のみがネタを披露することができる、1年間の活動の中でも特別な存在です。私たちお笑い工房LUDOは、100人の部員を擁する関東最大級のお笑いサークルで、プロを目指している人、4年間お笑いを楽しみたい人、音響・照明・映像など、裏方でお笑いライブを支える人など、さまざまなメンバーによって構成されています。皆に共通することは、お笑いライブでお客さんを笑顔にしたいという、熱い気持ちです!
LUDOライブの常連の方も、初めてお笑いライブを見るという方も必ず楽しませてみせます。 ぜひ普段とは一味違う、大隈記念講堂でのお笑いライブを体感してみてください!

将来お笑い界を背負って立つ人がいる…かもしれない一団(お笑い工房 LUDO)
「禁断の愛」をラテンダンスで ~ Waseda Salsa Party (わせサル)

商学部 2年 久場 夢(くば・かなえ)
私たちWaseda Salsa Party(わせサル)は、この文芸祭でサルサ、バチャ―タ、レゲトンなどのラテンダンスを、ストーリー仕立てにして披露します。ラテンダンスは日本ではあまりなじみがありませんが、セクシーなものからクールなもの、大人数で踊るような見ていて楽しいものなど、たくさんの種類があります。今回のストーリーのテーマは、「禁断の愛の物語(現代風)」です。おそらく、テーマだけを見るとどこにでもありそうな話じゃないか、と思った方もいらっしゃると思います。しかし、私たちのパフォーマンスはきっと、あなたが想像しなかった結末になることでしょう。留学生が多い国際色豊かなメンバーで、一生懸命踊ります。気になった方は、会場へいらしてくださると感激です!

場内に響くラテンのリズムで、観客席も大いに盛り上がろう!(Waseda Salsa Party)
衝撃、そして感動のアカペラを ~ Choco CrunchとStreet Corner Symphony

教育学部 2年
渡邊 知樹(わたなべ・ともき)
このたび文芸祭でStreet Corner Symphonyと一緒にアカペラのパフォーマンスを披露させていただくChoco Crunchです。突然ですが、皆さんはアカペラをご存知でしょうか? アカペラとは、楽器を一切使わずに人間の声だけで曲を演奏する演奏形態のことです。さまざまな音を簡単に出せる楽器と違って、人間の声だけの演奏では制約が多すぎてしっかりしたパフォーマンスができないんじゃないかと思ったそこのあなた! ぜひ文芸祭にお越しいただき、ご自身の目と耳で真のアカペラを感じてください。人間の声が持つ独特の温かみ、そしてその声と声が織り成す心地よいハーモニーは、一度耳にしたら忘れられないでしょう。今回、Street Corner Symphonyとアカペラを披露しますが、両サークルとも、技術力、表現力には自信がありますので、来場された方々は、衝撃、そして感動を覚えることを保証します。

実力派バンドの夢の競演を鮮やかなライトが照らします。(Choco CrunchとStreet Corner Symphony)
優雅で妖艶な踊りのとりこに ~ 早稲田ベリーダンスサークル SARAH belly

人間科学部 3年
松葉 亜湖(まつば・あこ)
私たちのサークルでは、大学に入って初めてベリーダンスを始めた部員がほとんどで、レッスンでは講師の先生をお招きし、イベントや発表会の前は毎日のように練習しています。今回の演目の中には、シルクの布でできたベールをはじめ、扇の形をしたファンベールなど、ベリーダンスで使うさまざまな道具が登場します。ベリーダンスを見たことがない人でも十分楽しめると思います。
一度見たらその優雅で妖艶な踊りのとりこになると思います。 ぜひ見に来てください!

舞台を埋め尽くす華やかなダンサーとコスチュームは圧巻!
(早稲田ベリーダンスサークル SARAH belly) *写真は早稲田祭の時のもの