在学生・修了生の声
入学後の学生生活,入試の勉強方法,卒業後の計画等,日研生の声をお届けします。
黒岩幸子さん(修士課程修了)
7年半ほど日本語教育の現場におり,その中で生まれた疑問を一度理論的に整理したいと考え,大学院で学ぼうと考えました。どの大学院かを選ぶ際,「より実践的でかつ社会人が多そうな大学院」,そして「日本語の一部だけでなく,より広く学べるところ」をと考えたところ,必然的に日研で学びたいという結論となりました。
日研は理論だけでなく,実践研究があるのが大きな特長で,教授が行っている日本語の授業へ参加して実際に教室の雰囲気や授業の内容を体験できるのが私にとって大きな魅力でした。自分の努力次第で専門以外の分野もどんどん学習できることは,まさに早稲田ならではの大きな魅力だと思います。
受験生,とくに現在日本語教育の現場に携わっている現職の方へのアドバイスとしては……。「研究」というと大きなテーマを考えないといけないと思うかも知れませんが,生徒からの疑問や教育上のちょっとしたポイントなど日々の授業にはテーマの種がいっぱい転がっていると思います。そういう疑問に対し,関連する論文を読んだり,教授に意見を聞いたりすることで,必ず指導に役立つ経験を得ることができるはずです。
私自身は間違いなく大学院に入って自分の持つ「世界」が広がったと感じています。時間的にも経済的にも大学院で学ぶことが可能な方なら,ぜひ受験することをおすすめします。ここで勉強することは,必ず「価値ある経験」になるはずです。
田邉裕理さん(修士課程修了)
受験対策は過去の試験問題を手にするところから始めました。しかし解きはじめてみると「さっぱり分からない」という状態で頭を抱えました。そこで用語集を入手して語彙を増やすとともに,日本語教育の雑誌を毎月読み,「今,何が日本語教育で大きな問題となっているか」というテーマを一度俯瞰的に捉えてから,一つひとつのポイントに落とし込んで考えることで,次第に力を付ける事ができたと思います。
論述試験対策は,早稲田で多く日本語教育の学会が開かれていますのでそれに参加して紀要を読み込んだり,さまざまなテーマで予想した試験問題を解く練習を繰り返し行いました。入試に向けて書く力を鍛えるというイメージです。「大学院生」は与えられた問題を解くだけでなく,自ら発信する力が求められていると思います。論文などで発表された意見も,一度自分自身でかみ砕いて自分なりの意見・立場を作ることが求められる。そういう点を受験の頃から意識していくと良い結果につながると思います。
また早稲田大学高等学院で学ぶ留学生にチューターとして日本語を教えたり,新宿区内の外国人小中学生への日本語教育を支援するボランティア活動など,「教える経験」を多く積めるのも大きな魅力だと思います。
李錦淑さん(修士課程修了・博士後期課程在学中)
中国東北部,黒龍江省のハルピン市郊外の街で育った私は,中学校で第一外国語として初めて日本語に触れ,その魅力に夢中になりました。吉林省の延辺大学日本語学部で学び,交換留学も果たしたのですが,同大学4年とのとき,「文法等の理論的な知識だけでなく,実践的な力を身につけ日本語教育に携わりたい」と考え,修士課程の受験を決意しました。
現在は,「メールによる『誘い』・コミュニケーション」の研究を行っています。「誘い」という行為をスムーズにさせるためにどのような工夫をするのか,またその工夫がメールという媒体にどう表現されるのか,を「待遇コミュニケーション」という観点から研究するものですが,日本語研究への新しいアプローチでもあり,私自身にとっても得るものが多いです。ここでは授業とリンクさせた教育実践(授業見学・実習)の場も多くあり,教える立場と教わる立場の双方が体験できるのが大きな魅力です。
これから受験しようという留学生の皆さんに伝えたいことは,「自分自身の学習経験をふまえ,『何を勉強したいのか』をしっかりと考えてみること」,「知り合いの留学経験者や先生達に彼ら自身の経験をアドバイスとしてもらうこと」,そして「自信をもって学習を進めること」です。
早稲田の街はとても雰囲気も良く,日本語を学ぶ仲間とのさまざまな交流もあり,日本語や国際理解について自分自身の考えをより深めることができると思います。私自身も将来的には中国に戻り大学で日本語を教えたいと考えていますが,ここで学んだことが非常に力となっていることは間違いありません。
佐藤貴仁さん(修士課程修了・博士後期課程在学中)
日研修士の門を叩いたのは,カンボジアの大学で2年ほど日本語教師として赴任していた当時の経験がきっかけです。学習者の発音には,「っ」や「ん」などの特殊拍と呼ばれる音の問題があると感じていました。その後赴任したトンガでも,現地の学習者の発音にはカンボジアの学習者と同様の現象が見られ,これは日本語を学習する上での普遍的な問題ではないかと考えました。日本語を母語としない学習者による「特殊拍」の発音の問題とその要因を探ることで,より深い知識と理解を持って日本語を教授することができるのでは,と思ったのです。
修士課程の受験は国外受験だったため,指定された課題のレポート2本と研究計画書を提出するというものでした。研究計画書は「特殊拍」についてどう研究するかということを書きましたが,限られた枚数の中でも自分が思っている疑問点をどのような方法で,どう明らかにするのかということを踏まえてまとめることができました。
修士課程では自身の研究のみならず,専門外のことについても多くを学ぶことができました。これまで接点のなかった分野や全く知らなかったことなどに触れ,新たな知識を得たことは自分にとっての財産です。また入学以前は,日本語を現地の学習者に教える際に「ずっと同じようなやり方で続けていていいのか」という漠然とした不安がありましたが,日研で日本語教育の様々な実践を学ぶことによって,確実に自分自身の視野が広がったと思っています。
今後も,また海外で日本語を教える機会があるかと思いますが,日研で培った経験はよりよい日本語教育に活かせるものと確信しています。

