グローバルCOEプログラム
「アジア地域統合のための世界的人材育成拠点」
東アジア統合の議論、具体的なプランニング(経済中心)はここ数年間かなり進められてきた。しかし、ではそれらを担う人材の問題をどのように考え、具体化するかの検討は決定的に欠如している。日本がアジアの知的リーダーとして今後重要な役割を果たせるかどうかの鍵はアジア統合を意識した包括的で高度に専門性を持った人材育成にあり、これは日本にとって緊急かつきわめて重要な課題である。わが大学院アジア太平洋研究科は、2002〜07年の21世紀COE『現代アジア学の創生』、2004年〜現在の東アジア知のネットワーク構築、2006年東アジア・大学院生サマーセミナーなどで具体的な取り組みを行ってきたが、今回のG-COE: AIPはその本格的取り組みにチャレンジするということである。
ではAIPはどういった人材育成を目指すのか。東アジア統合論は経済中心の議論。経済グローバリゼーションは非経済領域でもアジア地域の緊密化(対立も含み複雑)を加速しており、如何に協調・協力の枠組みを考え制度化を目指すかが問われている。その中にはアジアにおける経済協力の制度化、市民社会形成、民主化などと同時に、格差拡大、貧困滞留、環境破壊、感染症蔓延などの克服といった深刻な課題も抱えている。AIPでは経済・政治・社会の専門性を習得させ、それらを軸にしながらもさらに現実の重要課題を包括しかつアジア大の大きな枠組みで高度専門教育を考える。他方、アジアの特徴である「多様性」と「歴史遺産問題」は他地域に比べて地域統合が決定的に遅れてきた最大の要因である。これらを超克した新しい人材が育成されねばならない。その最大の鍵は教育する側もされる側も育成過程を「共同化」することである。さらに期待される人材は国家利益を重視することはもとよりであるが、さらにある意味ではそれ以上に、国境を越えた「地域益」を重視し、その実現のための専門的能力を有した人、すなわち「包容的統合指向型専門人」の育成である。ぜひとも早稲田の英知を結集して新しいページを開きたい。
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