
2010年3月修士課程修了
佐藤 英二朗さん
(会計専修 財務会計研究指導 /現職:政府系金融機関勤務)
商学研究科では財務会計を勉強していました。現在は、政府系金融機関の中小企業事業本部に勤務しています。
<早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?>
「自分の専門分野をもって社会に出たい!」という思いから、商学研究科への進学を決めました。
私は学部から大学院まで同じゼミの先生の指導のもと、財務会計を学びました。大学卒業後の進路選択には、大学院進学、就職、そして公認会計士試験専念の3つがあり、とても迷いました。当時は好景気で、就職活動は売り手市場。友人たちがメーカーや商社を志望して就職活動を始めるなか、私も夏休みに大手商社のインターンシップに参加してみました。一時は本格的に就職活動を行うことも考えましたが、「ゼミで勉強している財務会計をもっと深く学びたい、自分の専門分野をつくってから社会に出たい」という思いが次第に強くなっていきました。また、私が学んでいる財務会計は企業にとって必要不可欠なものであるため、就職は大学院を修了してからでも遅くないと考えました。公認会計士試験に関しても大学院に進学すれば受験機会が増えると思ったのです。最終的には、ゼミの指導教授にもご相談し、大学院への進学を決めました。
<実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?>
自分の好きなことを思う存分勉強することができ、充実した学生生活を送ることができました。
大学院の授業は学部とは異なり、ほぼすべての授業がゼミ形式で行われます。そのため、1コマの授業に何日も前から予習を行うことが必要となり、時には徹夜で予習することもありました。中にはプレゼンテーション、ディスカッション、期末テストが全て英語で行われる授業もありました。しかし、苦労した分だけ得るものも多く、自分の力になっていることを実感、終わった後には充実感さえありました。
特にゼミは大学院生活の中心です。私が所属していたゼミは、先生と約20名の大学院生で行われます。ゼミの主な内容は、財務会計に関する海外の古典や最新の文献の輪読、ゼミ生の修士論文の検討です。普段はとても仲が良くアットホームな雰囲気のゼミですが、授業が始まれば鋭い意見が縦横無尽に飛び交います。とりわけ留学生も交えてのディスカッションでは、国際的に議論されている会計をよりグローバルに感じることができました。このことは今でもとても強く印象に残っています。また、修士論文の検討では先生を始めゼミ生全員から多くの意見をもらうことができ、修士論文を完成させる上で大いに参考になりました。
<修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか?>
修士論文は国内外の企業年金に関する会計基準をテーマに執筆しました。具体的には退職給付会計の国際的動向に注目し、国内外の基準の精読、先行研究をふまえたうえで独自の視点からその是非を検討しました。先行研究となる資料の入手には商学研究科の図書室をよく利用しました。
特に苦労したのは、膨大な英文の資料の読み込みと論文にオリジナリティを持たせることでした。とりわけオリジナリティの追求には多くの時間を費やしました。また修士論文の完成にむけて、11号館の地下にある大学院生用パソコンルームで夜遅くまで同期と切磋琢磨したことは、とても良い思い出です。
最終的に指導の先生や副査の先生方、ゼミ生から多くのアドバイスをいただき、修士論文を完成させることができました。何度も何度も推敲を重ねた修士論文が完成した時、2年間の学生生活を形として表わせたことに大きな喜びと達成感を感じました。
<就職活動はどのように行いましたか。また、進路を決めるきっかけはどのようなことでしたか?>
金融業界全般とメーカーの経理部門を中心に就職活動を行い、第一志望だった政府系金融機関から内定を頂くことができました。
就職氷河期の中での厳しい就職活動でしたが、大学院で学んだことは大きく活かされました。たとえば、選考過程によくあるグループディスカッションでは、大学院のゼミや授業での取り組み方をそのまま活かすことができました。また、自分自身が大学院で勉強してきたことも、面接ではそのままアピールポイントになりました。
最終的に内定先を決めた理由は2つあります。
1つめの理由は、大学院で学んだ会計学が活かせる仕事だからです。内定先は企業に対する融資をメインとしているため、会計の知識は必要不可欠になります。また、多くの企業の財務諸表に触れてみたいというのも理由の一つです。
2つめの理由は、使命感をとても大事にしている企業だからです。現在世界的な不況により、日本の多くの企業、とりわけ中小企業は苦境にたたされています。内定先は政策金融機関として使命感をもって中小企業を支援しています。中小企業の最後の砦である内定先で、自分も働きたいと思い志望しました。
大学院に進学したことで、就職活動を無事終えることができたと思っています。
<現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください>
現在は、政府系金融機関で融資の仕事を行っています。大学院では財務会計を専攻したため、企業の財務諸表を見る際には、大学院で学んだ知識をそのまま活かせていると思います。
また、大学院で得たものは会計の知識だけではありません。社会人にとって必要不可欠なコミュニケーション能力と論理的思考力も大学院で培うことができました。大学院の授業はディスカッション、プレゼンテーションを行うものがほとんどです。そのため、相手の意見を聞き、自分自身の考えをわかりやすく伝えることが必要になります。2年間で何度も繰り返しそうした経験を積むことで、力をつけることができました。
修士論文の執筆に際しても、自分の考えを理路整然と相手にわかりやすく伝えることがとても大切になります。一見すると修士論文と社会のつながりは薄いようにも感じますが、実際には社会において必要不可欠な部分も論文執筆過程で鍛えることができると思います。
<進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします>
商学研究科は自分自身を大きく成長させることができる環境です。それは私自身が経験しています。
商学研究科に入学したばかりの時、進学したのは良いものの2年後に修士論文を完成させることができるのだろうかと、とても不安でした。また、周りの院生の優秀さに自分の至らなさを痛感することも多々ありました。そのような中、少しでもついていけるように一生懸命努力し、そして最後には修士論文を完成させることができました。就職活動に関しても、就職氷河期の中で厳しい状況にありましたが、大学院で学んだことが大きく活かされ、その結果として第一志望の会社から内定を頂きました。
2年前の自分にはできなかったことをできる自分が今います。それは商学研究科で尊敬する先生のもと、また多くの優秀な院生の中で努力し、引き上げてもらったからだと思います。
商学研究科修士課程で学んだのは、ほんの2年間です。学部の半分の期間しかありません。しかし、毎日がとても充実した中身の濃い一日で、何度も成長を実感しました。商学研究科は自身を成長させるチャンスを提供してくれます。大学院進学を検討されている方に、私は商学研究科への進学をお勧めします。
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2010年3月修了
陸 迎祺(LU YINGQ)さん
(経営専修 経営システム研究指導)
2006年7月に中国上海での学部を終了して、9月に日本に参りました。1年半の日本語学校に通いまして、2008年4月に商学研究科に入学し、経営システムゼミに属していました。
<早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?>
学部終了後、周りの友達の殆どは働き始めましたが、私は続いて外国に留学することを選びました。その理由は、若いうちにもっと勉強してから仕事につきたいと考えたからです。そして、留学生の皆さんも同じような経験があると思いますが、両親とよく相談して、東京という大都市に決めました。
早稲田大学に進学しようと思ったのは、私にとって憧れの学校だったからです。その名は中国でもよく知られています。出身者には歴史上に非常に有名な方々もいれば、現在中国で活躍している方々もいます。勿論、早稲田大学を選らんだのは、有名な学校であることだけではなく、数多くの優れた経営者がそこで育てられ、経営者の育成地として世界でも有名であるからでしょう。父は上海で工場を運営していましたので、私も小さい頃からずっと経営者になりたかったのです。そういう訳で、早稲田大学商学研究科をただひとつの希望校として受けました。ただひとつの希望校ですので、落ちたらが最後という心の準備を持って、精一杯受験準備をしました。
<修士課程入学試験対策はどのようにされましたか?>
多数の留学生と同じく、日本に来て最初の1年半は日本語学校を通っていました。日本語をしっかりと勉強しないと、勿論大学院は夢みたいなものになりますよね。早稲田大学を希望校として決めた後、よく学校の先生と相談し、日本語の研究計画書を作成したり、早稲田のネットで受験したい教授の研究方向やゼミの紹介等を調べ、教授の書いた書籍も購入して、読んでいました。本を読むことで、先生の研究分野・経歴などもよく分かるし、自分のやりたい研究は先生のゼミでご指導を受けられるかどうかのも分かってきます。そして、英語の勉強も必須です。受験する際にも必要だし、入学後も驚くほど英語を使うことが多いからです。いよいよ試験直前の1週間になったときは、心理的な調整が大切だと思います。あまり無理して本を読むのは更に緊張感をもたらす可能性があると思います。でも、試験後に結果を待つ期間はもっとも緊張する期間ですね。
<実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?>
正直に言いますと、2年間の学生生活は大変でしたが、自分自身が驚くほど成長したことに気づきます。日本に来て間もなく、日本語の勉強もまだ足りないような私にとって、最初の勉強は大変苦労をしました。授業に出ますと、ここの学生のレベルの高さを強く感じます。一時に「私は大丈夫かな」という心配もありましたが、先生の方々が丁寧に指導して下さりましたし、周りの日本人の学生も先輩たちも親切に助けてくれました。そして、ほかの多くの留学生たちと一緒に頑張って勉強することができました。このように、皆と一緒に成長することはとても楽しいんじゃないかと私は思います。
ゼミは、先生ともう一人のゼミ生との3名で行われました。人数の多いゼミも勿論楽しく勉強できますが、人数の少ないゼミもそれなりのメリットがあると感じます。先生との接触チャンスが多く、皆から研究についてのアドバイスを沢山もらえるからです。
<修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか?>
修士論文は中小企業におけるステークホルダーの研究―日本とスペインの中小企業比較をテーマにして書きました。テーマを最終的に決めることは一苦労でした。先行研究は非常に大切なプロセスであることを感じました。進学を検討している方々、または修士1年の方々へのアドバイスとして、修士論文のための先行研究はできれば早く着手したほうがいいです。
論文のやりがいとして感じた点については、日本において、スペインの歴史・文化・音楽など様々な方面についての研究は多く行われていますが、スペイン経済・スペイン企業についての研究は非常に少ないのです。その中で、スペイン中小企業についての情報はさらに限られているのも事実です。修士論文を書くなら、私はどうしてもその分野の研究に少しでも貢献したいと考えました。そのため、多くのスペイン語の文献や資料を調べ、真のスペイン中小企業の実像を見つけ出し、本論文の研究の困難を乗り越えようとしました。その中の大変さはやる人しか分からないかもしれませんが、それこそが大学院での研究であるのだと、今はそういう風に考えています。
<現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください>
留学生の立場から、大学院で得たものは以下の3つが挙げられます。まずは、日本語能力とプレゼンテーションスキルです。毎日日本語を使うのは勿論、自分の勉強したい専門知識を授業、ゼミ、読書、プレゼンテーション等できちんと身につけられます。中国の大学でプレゼンテーションをやる機会は少ないのです。だが、プレゼンテーションスキルは将来の仕事では欠かせない能力であると思います。大学院でプレゼンテーションをするチャンスを充分発揮して、この必要となる能力をマスターするのが将来の仕事場で役に立つでしょう。
そして、もう一つは学習力です。勿論、皆様は学部までに既に一定な学習力を身につけましたが、大学院での更なる研究を通して、その能力も更に強くなるに違いありません。特に、修士論文を書くことは学習力も、分析力も、持続力も必要となります。その機会を通して、自分の能力をもっと磨くことができると考えます。
最後は国際的な環境です。早稲田大学では38カ国から来た留学生がいるそうです。日本人の学生にとっても、留学生にとっても、いろいろな国から来た人に囲まれている環境です。世の中がますますグローバル化している中、自分と違う文化や言語を持つ人との接触方法を勉強できる環境となります。
<進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします>
若いうちにもっと勉強をしてから、仕事につくのも悪くないと思います。一旦社会人になったら、時間的な余裕が少なくなりますので、もっと勉強したくてもなかなかできないのもありえます。そして、大学院の更なる研究と勉強を通して、いろいろな将来では必要となる能力を身に着けるチャンスです。
しかし、大学院はいくらメリットがあるとしても、2年間の間に自分の研究したいこと、身につけたい能力が分からなければ、貴重な時間を無駄にしてしまう可能性もあります。なので、進学する前に、少なくともこの二つの点を考えておくことをお勧めします。そうしたら、大学院での生活を有意義に楽しむことができると思います。
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2003年3月修士課程修了
大嶌 達士郎さん
(経営専修 組織戦略論研究指導 /現職:株式会社桂川精螺製作所 勤務)
大学院時代は経営学を専攻し、組織戦略論を学びました。現職は、修士論文で自動車業界の二次・三次サプライヤーの戦略を研究課題としたことが契機となり、修了後は親族で経営している自動車部品のメーカーに勤務しております。
入社時は企画室で経営全般に渡る仕事をしておりましたが、入社5年目から希望して財務に異動し、より専門性を強化した形で経営に携わっています。家庭においては現在二児の父親です。
<早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?>
学部進学時には自分が学びたいことが定まっておらず、広い分野で学習できるのではと考え、政治経済学部に入学しました。そして大学生活の前半は、アルバイトをしたりサークル活動をしながら自分がやりたいことを模索していました。それから大学3年の時に、中小企業診断士という資格の勉強を通じて経営学というものに興味を持ちました。商研への進学を決めたのは、先生の執筆された経営学の本が体系的で分かり易く、学習した内容が自分の頭の中で心地よく整理ができたことが大きな要因です。
なぜ経営学に興味をもったのかと言いますと、単純なことで自分の生活に密接な学問だからです。よく言われます4つの経営資源である「ヒト・モノ・カネ・情報」は常に自分の身近な所にあります。一般家庭において家計簿により生活が切り盛りされるように、会社においても財務諸表を基にマネジメントはなされます。会社は社会生活を反映させたものであると言え、経営学を学ぶことで自分の生活への理解が深まります。一方人の生活があるからこそ経営というものは成り立ち、人そしてその集合体である組織の理解なくして経営は語れません。当時の私はこのように考え、総合的に、組織戦略を学ぶことが自分の生活を豊かなものにするはずであると信じ進学を志しました。
<実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?>
1年次は指導をマンツーマンで受けられるという、かなり貴重な時間を過ごさせていただけました。学部生時代とは比較にならない程多くの文献を読み、与えられた時間を活かし様々な思索をしました。私は当時データ分析におけるスキルが身についていなかったため、非常に困難に感じる授業もありましたが、丁寧な指導のおかげで純粋に「学ぶ」ことを楽しめたという思いがあります。
また学部との合同ゼミの機会もあり、卒業論文のテーマ検討の相談を受けたり、データ分析のサポートをしたりと、過去の自分を見つめながら力をつけていけたように思えます。同時に実証的な研究探索を大事にするゼミでしたので、いくつかの会社や工場を見学する機会があり、現場を見ることの大切さを覚えました。
2年次からは後輩もでき、留学生との交流もあり、自分の視野を更に広げることができました。ここ数年小さい子供を育てている関係もありしばらく大学院に足を運べませんでしたが、先日ゼミのOB会に参加する機会がありました。変わらず芯のある新入生に出会うことができ、嬉しく思いました。
<修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか。>
修士論文は、「サプライヤーの戦略と企業間関係」というテーマで執筆し、自動車業界の二次・三次サプライヤーの戦略について考察しました。ご存じの通り自動車産業は裾野が広く先行研究が既に多くなされていましたので、まずは既存の研究を知ることに多くの時間がかかりました。それから私の研究は、自動車産業の研究の中でもあまり手がつけられていない下層のサプライヤーについての戦略を検証するところに独自性がありました。そのためニッチな研究内容の資料を見つけるために図書館や資料センターをはしごしたことは良い思い出です。またその中で有用な研究をレビューするに当たり、現行の理論を鵜呑みにするのではなく、常に疑いを持ち「建設的に批判する」というスタンスを身につけることができました。また先輩や同僚・後輩と自分の研究テーマについて話すことにより新たな視点で自らの論理を見つめ直すことができました。仕事以外であそこまで一つのことに情熱を持って探究をした経験はなかったと思います。修士論文を書き上げた達成感は今でも私の現在の仕事への情熱の礎となっています。
<現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください>
入社当時、企画室に配属され、原価低減を目的にしたプロジェクトのコストダウン責任者を任されることになりました。原因調査と業者との交渉を根気強く進め、目標を達成し、社会に出てからの初めての大きな仕事を乗り越えることができました。そして、その後の別のプロジェクト立ち上げや深い部分での経営への参加ができるようになりました。
もし、原因分析能力を身に付けずに入社していたら、社内外の交渉や調整はうまくいかず、苦い経験となったかもしれないと振り返ります。また粘り強く仕事に取り組めたのは、大学院で学んだ2年間があったからだと思います。最初のプロジェクトから派生して多くの方に会う機会も得られ、現場で対話を重ねることにより改善を進めていくことができました。
入社5年目には希望する財務への異動となり、自ら立てた経営計画を実行し、会社目標を達成するにいたりました。現在、環境側面から自動車自体が大きな変革期にあり、業界やその垣根を越えて次世代自動車の開発が取り組まれています。社内の今後の戦略や方針を考えている中で、当時考察した内容について、その業界にいる立場で実証見聞できるというのは有意義なことです。
<進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします>
私は早稲田大学大学院商学研究科で経営学を学ぶことにより、自分を強くすることができたと思います。それはただ知識をつけたということではなく、自分に納得がいく経験を積めたからだと言えます。進学を検討されている方はある程度自分がやりたいことが見えている方なのではないかと思います。常に目的意識を持ち研鑚を積むことで努力は実っていきます。ぜひご自身の可能性を早稲田の学び舎で広げてみてください。
◇関連URL
http://www.katsuragawa-seira.com/
http://www.toyota-lf.com/solution/report_90.html
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2009年3月修士課程修了
片岡 康裕さん
(マーケティング・国際ビジネス専修 / 現職:高校教諭【商業】)
商学部時代から大学院まで「マーケティング理論研究」ゼミに所属していました。現在は高校の教員となり、神奈川県の商業高校で、主に簿記などを教えています。また、中学時代からずっと陸上競技に取り組んでおり、現在は陸上部の顧問として、高校生の活動を見守っています。
<早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?当時のご自身の状況や、目的についてお教えください。>
大学院への進学のきっかけは、私の場合かなり特殊です。学部時代に周りと一緒に就職活動をしていましたが、企業を見ていくうちに、自分の人生をかけてやりたいことは、企業の中で何かをなすことではなく、子供達を見守り、様々なことを伝えていくことだと思いました。ですが、学部で教員免許を取得しておらず、取得に最低でも2年かかるということなので、せっかくなら大学院で専門的な知識を身につけながら、教員免許をとろうと考えました。
<実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?>
まず大学院の雰囲気は、人数はだいぶ少ないですが、雰囲気自体は大学と共通するところも多いと思います。やはり周りは優秀な人が多く、授業もより専門的ですが、授業以外では、くだらない話をしたり、一緒に食事をしたり、自分はあまり参加しませんでしたが飲み会も盛んでした。集まって旅行に行ったりしている人もいました。
学部と異なる点も3つ紹介します。1つは、授業の形式が少人数になり、全ての授業が、学部のゼミのような形式になると考えて良いと思います。2つめは、英語の論文や本などをたくさん読まなければならなくなります。授業で使うこともありますし、修士論文を書く際には大量の英文を読まなければなりません。これが大変なことではないでしょうか。3つめは、留学生がとても多いことで、私の記憶では半数以上が留学生だった気がします。休み時間などはいろんな言語が飛び交います。もっとも、みんな日本語が流暢なので心配は要りませんし、個人的にはいろんな国の人の話が聞けてとても楽しかったです。
<修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか>
修士論文は、「スポーツマーケティングにおけるスポンサーシップに関する研究」というタイトルで執筆しました。初めは修士論文がどういうものなのかも分からず、どういう方向に歩き出せば良いのかも分かりませんでした。
修士論文で最も大変なことは、「英語の論文を大量に読む」ことだと私は感じました。自分は諸先生や先輩方から「英語の論文を100本ぐらいは読まなきゃね」と激励され、実際それくらい読んだと思います。英論文を100本というとものすごい数だと感じるでしょうが、毎日少しずつ読んでいけば、慣れてきますし、それほど無理はありません。また、論文のまとめ方・書き方は、先輩の論文の形式を参考にしたり、先生や先輩のアドバイスをもらっていけば、自然に分かってきます。
ちなみに私は、スポーツが好きなので、それを支えるスポンサーシップについて研究を行ないました。内容は、スポーツマーケティングとスポンサーシップに関する過去の研究を自分なりに整理・分類したものです。
<現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください>
高校で教えるものは、「簿記」や「情報」が多く、マーケティングのゼミに所属していた自分としては、それほど直接的に大学院で得た知識を活かしているわけではありません。
ですが、高校教諭に限らず、どの職業でも大学院で得た知識をそのまま活かせることは少ないのではないかと思います。そうではなく、どんな経験にしても、一生懸命に取り組んでいくことが、大切なんだと個人的には思っています。どんな貴重な経験でも、適当にこなしてしまえば、残るものは少ないのではないでしょうか。
私は、大学院で修士論文の執筆に向き合ったということが、一つの自信になっています。
<進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします。>
進学するかどうかは、自分の進路をある程度決めた上で、決めるのが良いのではないか、と私は思います。入った後のことは、こつこつ取り組んでいきさえすれば、そんなに心配することはないと思います。
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2006年3月修士課程修了
「 智賢(Bae Jihyun)さん
(マーケティング・国際ビジネス専修 広告理論研究指導/現職:広告代理店勤務 コピーライター)
2006年に商学研究科を修了して韓国の広告代理店、Cheil Communicationsで働いています。私は学生時代からコピーライターの仕事に興味を持っており、日本の博報堂と今の職場である韓国のCheil Communicationsの制作部でインターンをしました。その経験を生かして、コピーライターとして働いています。
<早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?>
韓国のソウルで大学を卒業してから、留学のため日本に来ました。とはいっても、来日当時は、どこの大学で何を勉強しようとはっきり決めていませんでした。ただ、日本の文化が好きでしたので色々勉強してみたいな、と思っていました 。来日から約1年半は日本語学校に通いました。
日本語や日本の生活に慣れてきた頃、知人が「大学の専攻を生かして日本でもっと勉強してみないか」と何冊かの本を渡してくれました。読んでみると、前から広告が好きだったこともあり、毎日接している広告をただ見るだけでなく、その歴史や意味をちゃんと把握してみたいと強く考えるようになりました。
日本留学は、他の国の広告について深く勉強できる良い機会だとも思いました。その日から早稲田大学商学研究科を目標にして受験勉強を始めました。
<実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?>
私の場合は、入学する前に科目等履修生として広告の授業を受けていました。
そのとき、商研の先輩たちと知り合う機会がありましたので、すでにゼミの雰囲気や先生と先輩たちの素晴らしさに憧れていました。必ず受かって入学したいと思いましたね。入学してから楽しかったのは、ゼミにアメリカ、中国など世界各国からの友達が集まっていたこと。二年生になった時はフランスからの後輩も合流して世界の広告に関して議論し、勉強することができました。勉強以外にも、先生のお宅、ゼミ生の部屋に集まって、パーティをすることも結構多かったです(笑)。お互いに自分の国の料理を作って披露しあったり……5年以上も前のことですが、今考えても懐かしくて大切な思い出です。
<修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか。執筆中のエピソードややりがいを感じた点・苦労された点を教えてください>
修士論文のテーマは「国の文化が広告に与える影響について」でした。
外国人の視線から見た日本の広告は、その素材やトーンアンドマナーにおいて独特な特性がありました。例えば、消費者金融の広告の表現はとても面白いと思いましたが、当時韓国には消費者金融のテレビ広告自体がありませんでした。パチンコの広告も国ではみたことなかったですし。広告のトーンアンドマナーについても、日本の広告は他の国に比べてユーモラスなものが多いと感じました。有名なタレントを使うところは、韓国と同じですけど、タレントをコミカルに描くことは日本の方が多かったです。それで、実際に検証してみようと考えました。
でも、このような自分の感想から出発したテーマだっただけに、正確に数値化することがとても難しかったです。いくら私が面白いと思っても、人によって「これは面白くない」と考えますし。それで、何回かの危機がありました(笑)。「この論文、いったい書き上がるのだろうか」と、毎晩心配しました。でも、先生と先輩、後輩たちがはげましてくれて、無事論文を完成させました。
<就職活動はどのように行いましたか。また、進路を決めるきっかけはどのようなことでしたか。>
留学生の場合、就職活動の前に決めておくべきことがあります。それは「国へ帰るかどうか」です。私の場合、「卒業したら国へ帰って働く」と決めていましたので、日本での就職活動はしませんでした。また、進路に関しては、学部と大学院でマーケティングと広告を学んだし、子供の時から「書くのが好き」でしたので、いつのまにか「代理店に入ってコピーライターになろう」と決めていました。きっかけというより自然にそうなっていましたね。
それで、韓国の代理店をねらって就職活動を始めましたが、当時は在学中で、当然日本にいましたので、先輩訪問など直接に会社へ伺うことはできませんでした。でも、学部時代から休みのたびにインターンをしていましたので、そのときの会社の先輩たちに電話やメールで色々聞くことができました。早稲田への留学、博報堂でのインターン経験以外にも、日本でとった剣道2段の資格や生け花のような趣味活動で良い評価を得られました。
<現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください>
数えきれません。「特に、これを活かしています」というより、ゼミで習ったことが全般的に私の力になっています。ゼミの勉強に際して、図書館で資料を調べたり本を読んだりして、ノートにメモしていましたが、そのノートは今でも仕事しながらときどき見かえすととても役に立ちます。記憶に残ったコピーを思い出して、「日本にはこんなコピーがありましたよ」と紹介することも多いです。
また、人との出会い、それから知り合った人たちとの人間関係が何より大事だと習いました。素晴らしい先生とゼミの友達に恵まれていた二年間、その時間と経験を大切に胸に畳んでいます。それこそ私が大学院で得た宝物です。
<進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします>
高校を卒業して社会人になるまでの4年間の大学生活、大学院に進学すればさらに2年間かそれ以上になりますが、この期間は皆さんの人生で一番美しい時間になるはずです。
早稲田大学で皆さんが描いた夢を広げて下さい!
素晴らしい先生たちから学問の知識と人生の知恵を学び、一生の友達になる先輩と後輩たちに出会って下さい。
みなさん、頑張って下さいね!
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2009年9月修士課程入学(在学中)
若林 利明さん
(会計専修 現代財務分析研究指導)
<早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?>
修士論文を書きたいと思ったからです。商学部では3年次からゼミに所属します。ゼミでは試験や単位のための勉強とは違い、学問として勉強することの面白さを体感することができました。そのうちに、論文を自分でも書いてみたいと思うようになりました。そこで少なくともあと2年間使って、修論を書こうと決意したのです。
修論を書くことは、徹底して自己の興味「だけ」を掘り下げる、エゴイスティックな労働でもあります。もちろん、良い論文は学問的にも社会的にも意義があるのですが、たかが修士の学生が学問的価値のあるものを生み出すことなどは、ほぼ無いでしょう。
しかし、熟考する時間を持てることが大事なのではないかと感じています。論文を書き上げる過程で己と語らい、一本の論文を介在して他者と語らう。人生の中で、ここまで自分の思考と深く向き合わざるを得ない時期を持つことを、私はとても贅沢だと思います。
<商学研究科の授業はどうですか?>
大学院の授業は少人数かつ学生と教員の双方向のやりとりから成立していますので、毎時間確実に予習をしておくこと必要になります。例えば論文を輪読する形式の授業であれば、特に指示がない限り最低限論文の要旨を理解する、前提となる知識が不足しているのであれば、マスターしておく、などと言ったあたりです。とは言っても、完璧に予習をしておく必要はないと思います。これは私の個人的な見解ですが、授業中に、先生や友人から学んだ方が圧倒的に効率が良く、情報量も多いと感じます。しかし、自分ばかりが情報を受け取って、仲間に対して何のアウトプットも提供できないのはアンフェアでしょう。そこは義理と人情なのです。
自分一人でできることなんて限られています。しかし、その「限られたこと」をサボらずにやる根気が必要となるのでしょう。
<商研に来てよかったと思うことはありますか?>
切磋琢磨し会える仲間と、尊敬できる先生や先輩に出会えたことです。私は9月入学だったので、馴染めるかどうか不安でした。高校や学部時代にも、様々な人がいましたが、実際接するのは大体同じくらいの世代の中で似たような目標、価値観を持つ人です。しかし、商学研究科で接することとなる人達は世代も国籍も目標も価値観も様々です。それぞれ忙しいので、ともすれば人間関係が希薄になりがちであると考えていました。ところがそれらは全て杞憂に終わりました。目標やバックボーンが大きく異なっていても、お互いを理解し高め合う空気があったからです。また、先輩や先生方も大変温かく、親身になって相談にのったり、指導したり、議論に付き合ったりしていただいております。
<最後に、進学を検討されている方へのメッセージをお願いします>
可能であれば、推薦で入試を受けられることをおすすめします。理由は3つあり、まず、自分のことをよく理解してくださっている先生の指導を受けられると、研究がスムースに進むであろうと思うからです。次に、入試を突破するための勉強と、入学してから必要になる勉強は異なっているからです。入試勉強をするくらいなら、早いうちから学部の卒論のテーマを決めて十分時間をかけて書く方が良いと思います。最後に早稲田の商研は大抵の分野で一流を目指せる環境にあると思うからです。
そして、自分探しは学部の間に済ませてください。進学しても悩むことはありますし、修了後の進路を検討する時間ももちろんあります。しかし、一から探す暇はありません。少しでもやりたいことがあるなら、学部の間に全てチャレンジしてみてください。サークルも、バイトも、資格試験も、就活も、興味があるならやればいいと思います。しかし、進学後は腹を括って、懸命に勉強する覚悟が必要です。楽しいだけが勉強ではありません。修了後どのような進路をお選びになるとしても、この覚悟がないのであれば二年間を棒に振ることになるでしょう。
最後は脅しみたいになりましたが、早稲田の杜にそびえ立つ大木のようなこの11号館で、皆様と学び合えることを楽しみにしております。
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2005年 3月修士課程修了
菊田 顕義さん
(理論・計量専修 マクロ経済学研究指導/現職:三菱UFJ証券株式会社 勤務)
私は2005年3月に商学研究科修士課程を修了し、現在は三菱UFJ証券株式会社で、国内トップクラスの富裕層のお客様が住むと言われる地域で主に個人のお客様に対して株式・債券・投資信託等の金融商品の営業をしています。マクロ経済学・ミクロ経済学や経済政策を中心に研究しました。
<早大商研への進学を決めたのはどのようなきっかけからでしたでしょうか?>
私の場合は当初から進学の意思が固かったわけではありません。当初は、修士課程は研究者を目指す者のみが進学するものと思い込んでいたこと、早期に経済的に自立したいとの思いが強かったことから、修士課程への進学はまったく考えてなく、就職活動も行っていました。
学部生時代の私はサークル活動に熱心に取り組み、あまり学業に対して真面目な学生というわけではありませんでした。しかし、3年生からマクロ経済学のゼミに所属し勉強を始めてから、マクロ経済の動向や経済政策の役割、そしてそれを基礎付けるマクロ・ミクロの経済理論の重要性に強い興味を持つようになり、進学して経済理論やさまざまな分析手法をより深く勉強したいという思いを強く抱くようになったため、商学研究科への進学を決めました。
<実際に入学され、学生生活はいかがでしたか?>
商学研究科へ入学した当初は学部の授業とのレベルの違いに驚かされました。各科目とも基本的なことは既に習得してあることを前提に授業が進行するため、学部生時代あまり熱心な学生ではなかった私にとっては、授業に参加するための事前の準備や基礎的な知識の補完に多くの時間を割く必要がありました。私の場合、特に中級以上の経済学を学ぶ上で必要となる数学、学部時代に勉強できなかったファイナンス理論の勉強には多くの時間と労力を割く必要がありました。また使用する文献は英語で書かれたものが主になるため、慣れるまではその読解にも多くの時間を割く必要がありました。ゼミでは、マクロ経済学・ミクロ経済学の中級から上級レベルの文献の輪読を行いましたが、学部時代に比べ少人数(私の場合同期のゼミ生は4名でした)のためか、指導教授の人柄のためか、アットホームな雰囲気で進行し、非常にきめ細かく指導していただきました。またゼミの同期には数学・英語の知識が豊富な学生がいたため、時には勉強会をするなど、お互いに助け合いながら勉強をしていました。
<修士論文はどのようなテーマで執筆されましたか>
「日本の長期不況・デフレーションについて―構造型VARによる分析―」というタイトルで、日本の長期不況とデフレーションについて、その原因が主に需要側にあるのか、供給側にあるのかを時系列分析のひとつである構造型VARという手法を用いて明らかにする研究を行いました。私にとって修士論文が自分の力で研究を行う最初の経験となったため、常に暗中模索といった状況でしたが、行き詰った際には指導教授、副査をして頂いた先生方をはじめ、商学研究科の一部の教員・学生による自由参加型の研究発表の場である「経済学金曜セミナー」に参加されていた教員・学生、さまざまな先輩方による適切なアドバイスやサポートに恵まれ、書き上げることができました。
就職活動と並行した時期は両立に苦労することもありましたが、参考文献を常に鞄に入れて企業回りをし、面接やセミナーの合間には喫茶店やネットカフェなどで論文を読むなど、少しでも研究を進められるように努力しました。自分が問題意識を持ったテーマについて自分の力でとことん調べ、考え抜き、分析を行い、修士論文というひとつの研究成果にまとめあげた達成感はなにものにも代えがたいものでした。
<就職活動はどのように行いましたか。また、進路を決めるきっかけはどのようなことでしたか。>
私は学部学生時代と修士課程在籍時の2回就職活動を経験しましたが、活動のしかたに大きな違いはありませんでした。ただし学部学生時代の就職活動では、「大学時代に頑張ったことやそこから何を得たか」といった人間性を見るための質問がほとんどであったのに対し、修士課程での就職活動では、「なぜ進学したのか」「大学院でどういう研究を行っているのか」といった、専門性を見るための質問をされることが多かったように思います。そのため、修士課程1年次の秋頃までに修士論文執筆に向けて大まかな研究計画を立てておくと良いと思います。就職活動に忙殺される時期になると、どうしても研究に集中できる時間が限定されるため、就職活動と研究を両立させるためにも早めに研究計画を立てておくことが重要だと思います。
私は経済・市場のダイナミズムを身近に感じられる仕事をしたいと考え、金融業界を中心に就職活動をしました。金融業界は日々変化する市場環境や、法律をはじめとする市場制度に対応するために、経済理論・計量分析だけではなく、会計、法律の知識等さまざまな分野において高度な専門性を持つ人材をを広く求めているため、修士課程での研究を活かせる就職先であると考えたことも決め手のひとつです。
<現在、大学院で学んだことをどのように活かされ活躍なさっているかについて教えてください>
私は世界各国の株式・為替・金利をはじめとしたさまざまな市場の動向を分析し、今後の動向を自分なりに予測し、その相場観・シナリオをお客様に対して説明し、それに基づいて資産運用の提案を行う業務をしています。大学院で学んだマクロ・ミクロの経済理論、マクロ経済政策理論、ファイナンス理論などがさまざまな市場動向の分析や今後の見通しを考える上で重要な基礎になっていることは言うまでもないことですが、特に修士論文を執筆する過程で身につけた、自ら問題意識を持ち、徹底的に調べ、考え、それを論理的で説得力ある文章にして発表するという経験は、現在の業務に大変役に立っていると思います。また、2年間商学研究科で苦楽を共にした同期の友人たち、優秀で刺激的な先輩・後輩たちとの出会いは私にとって本当に貴重なものでした。修了しそれぞれ別々の道を歩み始めた現在となっても折に触れ情報交換や近況報告等を行うなど交流は続いていますし、探究心に溢れ、なにごとにも熱心に取り組む彼らの存在は私の励みや支えとなり、会うたびに「私も頑張らなければ」と気持ちを新たにする活力源になっています。
<進学を検討されている方へ、メッセージをお願いいたします>
学部と修士課程の一番の違いは主体性の有無だと思います。修士課程では、プレゼンテーションやディスカッションが中心となる授業が多く、また各分野の基礎的な知識については学生それぞれが事前に各自で習得しておくことを求められます。そのため、求められるハードルは非常に高いものがあります。しかし、商学研究科には親切で教育熱心な教授陣による適切なアドバイスとサポート、さまざまな専門性や問題意識を持ち研究に取り組む多くの仲間たちからの心地よい刺激があります。あなたが真剣に学問に取り組み自己を成長させようという意欲と情熱を持ち、自分の手で解明したい研究テーマを持っているならば、修士課程の2年間は実り多きものとなるでしょう。社会人になるとどのような仕事をするかにかかわらず、自分の意見、自分なりのものの見方を持ち、周囲の人々にプレゼンし理解・共感を得ることが求められる場面が多くあります。その際に、自ら問題意識を持ってテーマを選定し、それについて研究を行い論文というひとつの研究成果を作り上げた経験は、どんな場面でも非常に役に立つと思います。
商学研究科修士課程へ進学を希望されるみなさんにとって、これからの2年間が有意義なものになることを願ってやみません。
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2006年3月修了
尹 仁重さん(ファイナンス専修(現 金融・保険専修))
<早稲田大学に進学した動機は何ですか?>
早稲田大学の名は韓国でもよく知られています。現在韓国では、数多くの早稲田出身の先輩方が活躍しています。有能な人材を世界に対して積極的に輩出し、主流から外れることのなくバランスの取れた早稲田大学の学風に私は惹かれたのでしょう。
<進学して何を得ましたか?>
Wasedanianかつ商学研究科の一員になることで得られた特権として、すばらしい出会いがあると思います。それは、次の3つに集約されます。恩師との出会い、心の通う同期生との出会い、親切な先輩と優秀な後輩との出会いです。
私は、すべてを尽くして指導して下さる先生方の感銘深い授業を通して、自分が驚くほど成長していることに気づきました。学部学生のときはサークル活動に熱心に取り組み、多くのことを学び得ましたが、その当時は、学問の面白さにまったく気づくことはありませんでした。私は、商学研究科へ入学し、タフなゼミでの訓練や先生方の丁寧なご指導のもとで、自分が成長していることに楽しさを覚える余裕ができたのです。
また、大学院での生活は、いつも本を相手にしているだけでは生きていけません。たまったストレスは同期生との学問も含めた真剣な、そして楽しい会話で解消できます。それはまるで大学院生活での渇きを潤してくれる泉のようでした。日本に来る前、日本の人は恥ずかしがりと聞いていましたが、その認識を覆したのが商学研究科の同期生たちです。
勉強は、環境が非常に大事だと言われています。私が勉強に行き詰まっているとき、大切なアドバイスで突破口を与えてくれる先輩、そして絶えず刺激をもたらす後輩がいなかったなら、これまでがんばってきた私も、今の私も無かったと思います。
もちろん、これらのすばらしい出会いは、私だけが享受できる特権ではなく、商学研究科に属する人ならだれでも得られるものでしょう。そして、このような特権が得られるのも、すべてが調和するようアレンジしてくださる商学研究科のスタッフのおかげでもあります。
<最後に、進学される方へのメッセージをお願いします>
いかによい環境が備えられたとしても自ら努力することを怠れば、自己の成長は望めないでしょう。暗闇を照らすろうそくがたとえ身近にあったとしても、そこに火をつける勇気と自己を燃やす熱情がなければ、何も起こりません。より大きな夢を抱いて、真剣に学問に取り組もうとする人は、大学院生活を有意義に楽しむことができ、そのような人こそ早稲田大学大学院商学研究科にふさわしい人だと思います。
どうか進学されるすべての人々に、私が体感したすばらしい経験がともにあるよう、いや、より素敵な楽しさがあるよう心からお祈りしております。
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2006年3月修了
鍛地 研介さん(経営専修)
<なぜ進学したのですか?>
進学と就職で迷いつつ、大学生当時も就職活動を行っていた私が結局進学を決意したのは、就職活動をする中で感じた「自分は大学で何を学んできたのだろう」との考えに背中を押されたからです。私自身、大学の学部での勉強はそれなりにしっかりやってきたつもりでしたが、私が学んできた通り一遍の商学(経営学が中心でした)の知識は、就職活動をするさなかにお会いした実務家の方々が常識として持っている知識だと気づき、自らの持つ引き出しの少なさを痛感したのです。当時は商学への理解がだんだんと深まっていたため、それに並行して学問の面白味も感じるようになっていたことから、「もう少し体系的に学びたい」という自分自身のやりたいことしようと決め、商学研究科の門を叩きました。
<授業はどうですか?>
修士課程では、プレゼンテーションやディスカッションが中心の授業形式が多いため、事前に前提知識を独自に調べたり、準備として資料の下ごしらえをしたりするのにも時間を要しますし、授業では学んだことに対し自分なりの問題意識を明確にし、しっかりと意見を言うことが求められます。これに本気で取り組むとなれば相当ハードですが、このような学習スタイルにより自身が興味を持って取り組んだ専修の科目には格段の理解が得られますし、巷で「問題解決」ですとか「ロジカル・シンキング」といわれるような物事への考え方もかなり鍛えられるはずです。
<大学院で何を得ましたか?>
修士課程の学生として1年と半年ほど過ごしてきた現在においてこれまでを振り返ると、このようないわば「分析力」が身についたことが最大の収穫であったと感じています。冬から春にかけては就職活動に臨むことを余儀なくされ、十数社の選考を受けましたが、大学生当時に何度か落選を経験していたグループ・ディスカッション形式の選考においては格段の強みを発揮することができ、自身の成長の一部を確認できる場面もありました。
当たり前ですが、大学院での研究にはグループ形式のそれを除いて、直接的な利害関係を持つ存在は自分自身以外ありません。基本的に誰にも発破をかけられることがないため、セルフ・マネジメントが必要になりますが、その一方で自身の探究心を大事にする方には最高の環境が与えられていると思います。私は幸いにも就職先が決まりましたので、修士論文を書き上げ社会に出ることをこれからの大きな目標としておりますが、研究科を巣立った後も、分析への飽くなき探求心を持ち続けてゆこうと思っています。
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2007年3月修了
佐藤 智子さん(会計専修)
<進学の動機について教えてください>
私は、大学を卒業後、システム会社に勤務していました。社会人として生活する中、改めて自分の将来を考えた時に、「このままでいいのだろうか」と強い不安を感じていました。個人的に強いスキルもなく、毎日の仕事に追われる日々の中で、「もう一度自分を見つめなおす時間がほしい、勉強しなおす時間がほしい」と思ったことが、進学を決意したきっかけだと思います。現在、早稲田大学にも沢山の社会人大学院がありますが、私が商学研究科を選択した理由は、学部時代からの専攻である「管理会計」ともう一度しっかり向き合いたいと考えたと同時に、一度社会人を経験したことを元に、改めて学問的に学び直したいと考えたからでした。また、商学研究科には、海外からの留学生も多く、いい刺激を受けられるのではないかとも感じました。実際、進学してみて、他の学生の熱心さと、レベルの高さに感心し、大変刺激を受けています。
<授業の雰囲気について教えてください>
授業に出ていると、学生の熱心さと、レベルの高さを感じます。学部の時と比べて、学生それぞれがとても強い目的意識を持ち受講していることから、「ここから何か吸収しなくては!」という気持ちの強さを感じることができます。授業の内容をとっても、基本的なことは、自ら習得していることが前提となっていますので、授業への準備と、日ごろからアンテナを高く持つ気持ちが必要とされます。時には、授業をきっかけに、違う専攻の学生が集まって、知識を持ち合い、教え合うこともあり、とてもいいシナジーが生まれていると思います。
<商研に来てよかったと思うことはありますか?>
私自身、勉強し直すというスタンスで入学したこともあり、最初は現役の学生の方と一緒に学ぶことに不安を持っていました。しかし、朝早く大学に来て遅くまで勉強している姿、みんなを笑わせている影で真剣に本を読む姿、そんな周りの学生の熱心さを目の当たりにし、「私もがんばろう」と勇気づけられています。私が所属する修士課程1年は、非常に仲がよく、交流が絶えません。大学院というと、個人で黙々と勉強するということも大切ですが、このように明るい雰囲気で学べていることは、非常に恵まれていると感じています。