enpaku 早稲田大学演劇博物館

イベントレポート

「落語とメディア」展 同時開催企画

トークイベント「柳家喬太郎×『昭和元禄落語心中』」

日時:2016年10月15日(土)13:30~(開場12:30)
会場:早稲田大学大隈記念講堂 大講堂
登壇者:柳家喬太郎(落語家)、関智一(声優・俳優)、辻谷耕史(音響監督・声優・俳優)
司会:吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)

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 イベントレポート

 10月15日(土)13:30から、トーク「柳家喬太郎×『昭和元禄落語心中』」が大隈記念講堂大講堂にて開催されました。このイベントは、現在早稲田大学演劇博物館で開催中の秋季企画展「落語とメディア」の関連イベントとして催されたものです。

 今回お越しいただいたお客様の中には、アニメ『昭和元禄落語心中』が好きな方や、落語は好きだがアニメは観たことがない方など、色々なきっかけでお越しになられた方々がいらっしゃいました。
 冒頭では、このイベント用に特別編集したテレビアニメのダイジェスト版を上映。アニメの概要をご覧いただいたあとで、トークイベントが始まりました。登壇者は、アニメのキャストから、主人公与太郎役の関智一氏、音響監督の辻谷耕史氏。司会は、ニッポン放送の吉田尚記アナウンサーです。
 関さんからは、ご自身のこれまでの落語との関わりや、声優と落語家の類似点と相違点、声優が落語を演じることなどについて、アニメ制作現場の裏話を交えつつお話しいただきました。辻谷さんからは、今回のアニメオーディションは、普通のオーディションとは異なり、自分で3分間にまとめた落語をテープに録音して送るという、落語を演じる力量が問われる方法によって行われたことや、山寺宏一さんや石田彰さんといった錚々たるメンバーが、そのオーディションを潜り抜けて、配役が決定したこと、落語を知らない人がアニメを観ても飽きないように、BGMにジャズを用いて更に盛りたてる効果を狙ったというエピソード等々、大変興味深いお話を伺い、会場は大いに盛り上がりました。
 途中からは、落語家の柳家喬太郎師匠にも加わっていただき、落語とメディアの関係性や、現在の落語界についてお話しいただきました。今回のイベントで、アニメ『昭和元禄落語心中』を初めてご覧になられたという喬太郎師匠。なかでも「年配の相当落語が好きな落語ファンが観ても、相当面白いアニメになっていることが、とてもよくわかりました」「落語を扱うメディアがクロスしていくことで、(落語の)世界が広がる」といった発言が、とても印象的でした。

 後半は、いよいよ喬太郎師匠に落語をご披露いただきました。演目は『昭和元禄落語心中』にちなんだ一席ということで「死神」。アニメの主人公与太郎が落語家を目指すきっかけとなった演目です。
その高座はまさに圧巻。落語本編の導入となるマクラでは、ご自身の落研時代のエピソードで会場の爆笑を取っていたかと思えば、本題に入るや会場内の空気が一変しました。噺の中で唱えられる呪文には「アジャラカモクレン ボブ・ディラン、マジすげぇ」とノーベル文学賞受賞が決まったばかりのボブ・ディランの名前を折り込み、また蝋燭のシーンでは「あれは柳家喜多八という噺家の蝋燭だ」と今年の5月に亡くなられたばかりの柳家喜多八師匠についても言及されるなど、笑いと恐怖が入り混じった「死神」に、会場中が酔いしれました。

落語好きはアニメを、アニメ好きは落語を知る絶好の機会となったのではないでしょうか。

文責:宮 信明(演劇博物館助教) 写真:(C)Arata Mino
 

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 出演者

柳家喬太郎(落語家)
1963年、東京生まれ。1989年10月、柳家さん喬に入門。前座名「さん坊」。1993年5月に二ツ目昇進、「喬太郎」と改名する。2000年3月、真打昇進。2005年から2007年の3年連続で国立演芸場花形演芸会大賞を受賞するなど、受賞歴多数。古典から新作まで縦横無尽の活躍をみせている。

関智一(声優・俳優)
アトミックモンキー所属。シリアスからギャグまで幅広い演技で高い評価を受ける。主な出演作にTV アニメ『ドラえもん』(骨川スネ夫)、『PSYCHO-PASS サイコパス』(狡噛慎也)ほか多数。

辻谷耕史(音響監督・声優・俳優)
マックミック所属。主な出演作は『犬夜叉』(弥勒)、映画『機動戦士ガンダムF91』(シーブック・アノー)ほか。音響監督として『閃乱カグラ』『Fate/stay night』『ヤミと帽子と本の旅人』ほか多数。

 司会

吉田尚記(ニッポン放送アナウンサー)
1975年、東京生まれ。「マンガ大賞」発起人。『ミュ〜コミ+プラス』(月〜木曜日24時より放送中)のパーソナリティとして「第49回ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞」受賞。著書『なぜ、この人と話をすると楽になるのか』(太田出版)が累計13万部(電子書籍を含む)を超えるベストセラーに。

  昭和元禄落語心中とは

 『昭和元禄落語心中』は、雲田はるこ氏によるマンガです。
講談社の『ITAN』に2010年零号から2016年32号まで連載され、2013年度には第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を、2014年度には第38回講談社漫画賞を一般部門で受賞。2016年にはテレビアニメ化され、第1期「与太郎放浪篇」と「八雲と助六篇」が放送された(第2期「助六再び篇」は2017年1月より放送予定)。

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