enpaku 早稲田大学演劇博物館

企画・特別展

早稲田大学演劇博物館 企画展

表象とかたち-伊藤熹朔と昭和の舞台美術-

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会期:2011年5月13日(金)- 2011年6月19日(日)
会場:演劇博物館
入館無料

共催:NPO法人ペタ・アートネットジャパン
協力:松竹株式会社、松竹大谷図書館、東京藝術大学美術館

近代の演劇史は様々な角度から光を当てる度に、われわれに新しい発見をもたらしてくれます。昭和を代表する舞台美術家伊藤熹朔(1899-1967)の生涯にわたる活躍も、同時代の演劇史を貫く一条の光ではないでしょうか。舞台美術という分野から昭和の演劇史に新しい光を当てるために、このたびの展覧会を企画しました。伊藤熹朔は、天才的な建築家伊藤為吉の四男として生まれ、その兄に戦前・戦後を代表する舞踊家伊藤道郎が、弟に新劇の巨星千田是也がいます。1924年、若くして築地小劇場の舞台美術を担当、以後、1967年に満六十七歳の生涯を閉じるまで、新劇、バレエ、ミュージカル、新派、歌舞伎、映画と、幅広い分野で舞台美術家・美術監督として活躍しました。舞台装置図を主体とし、舞台衣裳図若干も含む伊藤熹朔の舞台美術デッサン約一千点は、その遺族のご芳志により、2009年、新劇系のものが本館に、歌舞伎・新派の主要なものが松竹大谷図書館に、それぞれ寄贈されました。それらは寄贈直前の2007年度に文化庁のデジタル化予算の補助を受けて、全点が画像データベース化され、一部に考証未了のものを残しつつも、現在本館において試験公開中です。この展覧会は、舞台芸術分野に焦点を合わせ、本館寄贈分の伊藤熹朔デッサン画を中核に据えて、伊藤熹朔が影響を受けた明治時代の美術思潮、伊藤熹朔の活躍の足跡、伊藤熹朔以後の時代の舞台美術の三部に分かち、近代における最も偉大な舞台美術家の視点から、昭和の演劇史を俯瞰しようとするものです。

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