enpaku 早稲田大学演劇博物館

日本演劇 — 近世 歌舞伎

Set Design by Tanaka Ryo

田中良 舞台装置図(た なか りょう ぶ たい そう ち ず)


 

縦32.0×横48.8cm

田中良(1884~1974)は舞台装置家の第一人者で、大正から昭和前期の歌舞伎、舞踊、新劇の舞台に多大な貢献をした。歌舞伎では6世尾上菊五郎の舞台を多く手がけているが、中でも本図「保名(やすな)」は代表作となった。もと藤蔭会(初世藤蔭静枝主催の舞踊研究会)のために創案された装置で、菜の花をイメージした黄と緑の2色だけで、春の野辺を夢幻的に表現している。新鮮な装置は評判をよび、菊五郎が大正11年(1922)2月、市村座での上演以降、その案に則った。本図は大正13年6月宝塚中劇場上演時のもの。大正8年「地蔵教由来」から昭和4年「血笑記(けっしょうき)」まで、約300枚に及ぶ装置図を田中良自身が寄贈している。