CIE NEWS LETTER
国際部学生日記 I Center For International Education, Waseda University
日本で出会ったもう一つの「家族」
  国際部 エロデー ヘイメル
横浜にて。ホストマザーとホストグランパ。


右から二人目。親友たちと渋谷で。


  日本に行く事は、少しも怖くありませんでした。とにかくアニメとマンガ大好きだったので、いつかきっと日本に行こう、日本で暮らして、ありとあらゆる事を発見し経験してみようと、何年も前から心に決めていました。そのために一所懸命、フランスで日本語を勉強しました。大学から一年間留学する機会を与えられた時、迷うことなく日本を選び、早稲田大学の国際部に入学しました。もう最高!私の一番大きな夢がかなったのです。
   不安になったのは、日本に着いてからでした。自分の限られた日本語の知識ではどうにもならないと、思い知らされました。延々と続く入国手続き、電車の切符とテレホンカードを買うこと、すべてが容易に超えられない壁となって私の前に立ちはだかったのです。わからない、話せない、サインは何一つ読めない。日本に来てはみたものの、初日から完全に迷子状態でした。
   地球の反対側に家族や友達を残して単身外国にいると、遠いところに来てしまったなあとしみじみ感じてしまいます。しかし、私はこの国とこの国に住む人々が本当に好きになってしまいました。この夏にフランスに帰らなければならないなんてとても信じられません。お寺の静けさ、高田馬場での友達との待ち合わせ、裏通りでひっそり営業している怪しいラーメン屋で食べたラーメン、銀座や渋谷で人通りの中を練り歩いた事、そして日本で会った人々みんな。日本での生活の様々な事が懐かしく思い出されるでしょう。成田空港に着いた時、日本人が私達のような右も左も分からないでいる外国人にとても親切にしてくれるので、大変驚きました。駅で道を教えてくれた人や、お寺を訪ねた時、その神社の由来を話してくれた人。いまだにその親切な人々の何人かとは交流を続けています。
   日本での経験は全て何物にも変えがたい貴重な思い出ですが、とりわけホストファミリーと一緒に過ごした日々は大切な宝物です。そういえば、初めて弥生と御両親に会って数時間後には「この家で暮らす一年は楽園での生活のようになるだろう」と確信しました。そして、実際その通りでした。弥生の英語が完璧だった事は勿論大いに助かりましたが、お母さんがお料理の上手な事。皆とても親切で、心が温かく、全てに気を使ってくれます。この家族に会うことができて本当に幸運だと思います。おしゃべりしたり、外出したり、素晴らしい時間を一緒に過ごしました。私も、少しでも多くの事を一緒に楽しみたいと思い、日本語の勉強に励んでいます。そのかいあって、東京や日本の文化について夢にも思わない程いろいろな発見をしています。
   何よりも、私にはもう一つの「家族」ができたのです。授業が終わり、私の帰りを待っていてくれる家族がいるって何てステキな事でしょう。日本茶を飲みながら、テレビを見たり、おしゃべりをすること、弥生と彼女の友達と過ごす事、週末に東京近郊の色々な場所に出かけること、もうできなくなるなあ。このホストファミリーじゃなかったら、外国でこんなに楽しい一年は過ごせなかったと思います。私は世界中で一番運がいいかもしれません。お陰さまで、地球の反対側にある日本とフランスの両方に「家族」を持つことになりました。
   これはお金では買えない幸せです。