社会学は、人びとの社会生活の在り方を探究しようとする。そして人びとの社会生活は、様ざまに錯綜した場所と時間の中で営まれている。人は、同時に家族の一員であり地域社会の一員であり、ある組織の一員であり、それらのなかで他の人びととコミュニケーションしながらそれらを形作り支え、また形作られ支えられている。他方、そうした家族や地域、組織は、相互に関連しあいながら制度化されているばかりか、過去に遡り未来へと続く歴史をもち、また、産業、階層、政治、宗教といったより広範な社会制度とも繋がっていることによって、構造化されていると同時に、つねに変動の波にさらされている。社会学の取り扱う分野が、家族、地域、組織、階層、産業、労働、環境、政治、宗教、コミュニケーション、文化など多岐にわたっているのはそのためであり、また社会学がそれらのトピックに共時的に接近するだけでなく通時的にも接近しようとするのはそのためである。
本コースでは、過去の優れた社会学的営為を振り返りながら、また社会学の現在の状況を見据えながら、そうした様々な切り口から社会生活を探究するための道筋をつけたうえで、実証的な調査研究を通して理論化の作業を行う。 |