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文学部 コース紹介

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美術史コース

人間は先史時代から豊饒なる視覚イメージを無限に生み出してきました。ラスコーの洞窟壁画から古代や中世、近世から近代へ、さらには21世紀の今日に至るまで、私たちに遺され、あるいは生まれ出る美術作品を対象として、それらの成立、伝統、革新、意義、受容などについて様々な視点や方法論を駆使して考察するのが美術史です。そのディシプリンのためには単なる鑑賞を超えて同時代史料、画家や時代の様式、神話やキリスト教や仏教美術の図像学だけでなく、その社会や環境への洞察、コロニアルやジェンダー(性差)論なども含めて多角的なアプローチにより洋の東西の美醜を究めていきます。

かつて美術史といえば、作品や時代のスタイルを分析する「様式論」、テーマやその意味・内容を考察する「図像学(イコノグラフィー)」の2本柱で研究が進められてきました。しかし近年では、歴史学はもとより宗教学や文化人類学、社会学や考古学などの周辺諸学の学術的な成果を積極的に導入しつつ、新たな広がりと深まりを見せようとしています。また広告やデザイン、写真やアニメは当然のこと、漫画や落書きまでも美術史の射程に収めており、授業では伝統的なディシプリンを修得する一方で、先端的な題材や現代美術の趨勢にも目を向け、つねに「生きる学問」としての美術史を目標に掲げています。こうして私たちは、イメージの背後に隠され、潜む企みをも解読できるようになるのです。

本コースの学術環境は、「自由で闊達」の言葉に尽きるでしょう。日本、東洋、そして西洋の各美術史の系譜や基礎知識、方法論を体得した後、自らが選んだ研究テーマをさらに専門的に深めるために3,4年次には演習を履修します。また作品と触れ合う機会を共に持つために、2年次に首都圏の美術館見学会、3年次には4泊5日の奈良古美術研修旅行が準備されています。特に奈良旅行は大学時代でも最高の思い出となるはずです。

「早稲田美術史」は、高名な書家で歌人、優れた東洋美術史家でもあった秋艸道人こと、會津八一博士によりその礎が築かれ、以来70年以上の伝統を誇り、その内容、組織共にわが国有数の研究機関です。まず作品を見る営為、それを基盤に史料や様々な方法で作品を究める営為、これが美術史研究の両輪であると説いたのは會津博士でした。若い人たちがこの伝統を継承しつつ、最新の学術的な成果をも導入するならば、「美術を学問として学んだ意義と醍醐味」が生涯、かけがえのない遺産として生き続けるでしょう。
 
演習テーマ(キーワード)
日本美術/東洋美術/西洋美術
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