市川 真人 (いちかわ まこと)
専門の分野、著書など
現代日本文学、編集・メディア、そして
ギャンブル(笑)−−ふざけてるみたいに見えるでしょうけれど、小説を読むのも批評を書くのも、雑誌を作るのもメディア論も他者論も、ようは 「ひとになにかを伝える」 ことや他者と接することは、ぜんぶそういう不確かなものだということと、どうしたらわずかでもその確実性/期待値が上がるかを、日々考えたり試みたりしています。原稿は基本的に本名以外で。単著にはまだまとまっていません。

はじめて (自分のお金で) 買った本のエピソード
文学関係だと宮澤賢治 『銀河鉄道の夜』 の絵本でしょうか。幼稚園時代にお年玉で買った記憶が……捏造されてる気もしますが。マンガの存在を七歳のときまで知らなかったので、『ドラえもん』 より活字の本が先なのはたしかです。
働いたお金だと、大学
1年のとき塾講師のお給料で買った「GS」(冬樹社)のバックナンバーでしょうか。そのあいだに、高校3年のときに(18年前なので時効・笑)パチンコで勝ったお金で買った、『プロ野球よ』(これも冬樹社)があります。
とはいえいちばん印象深いのは、
4歳ではじめての留守番のゴホウビに買ってもらった、「かがくのとも ぼくはぞうだ」なのですが。

学生時代に影響をうけたこと (本、映画、出来事、人物など)
アラン・ロブ=グリエとミシェル・ビュトールの翻訳小説。いまもぼくの仕事ほとんどのベースになっています (そのわりに、フランス語には挫折したのですが)。人物でいうと、センセイにはとにかく恵まれました。中学で、いま日大で日本文学研究をしている紅野健介さんに国語を習ったのを最初に、学部だと当時文芸専修の主任だった小林茂さんとか(すごく怖かったんです。で、「小林茂を倒す会」をクラスの有志3人とつくってました)、江中直紀さん、当時非常勤だった渡部直己さん、三田誠広さん。大学院では柄谷行人、島田雅彦、後藤明生といった主査・副査たち。蓮實重彦さんと松浦寿輝さんの授業を受けに東大に行ったり、友人の開いた自主ゼミで古井由吉さんに教わったり、モグったジャナ専(日本ジャーナリスト専門学校)で金井久美子さんとかスガ秀実さんの授業を聞いたり。もちろん、そのひとたちから教えてもらった本や映画は無数にあります。正規の授業は半分も出てませんでしたから、その意味でダメな学生でしたが、モグりに行くと気合いれて聞くんですよね、授業。あとは野球とバクチの日々でした。そこからもたくさん学んでます。
映画はジャン・ルノワール 『ピクニック』、日本の小説は金井美恵子 『単語集』、評論は蓮實重彦 『批評あるいは仮死の祭典』。
できごとは湾岸戦争と神戸の震災、でしょうか。

卒論の思い出
三田さんの指導で小説を書くはずだったんですが、4年時に渡部さんの授業でいくつかの理論や作品・批評に出会い、わざと留年して彼に小説ともなんともつかない作品をみてもらいました。ワガママを許してくれたおふたりには、いまでも感謝してます。

授業やご自身のPRを
うーん。あんまり得意じゃないですね、そういうの。授業はモグり歓迎ですので(とくに木曜7限)、興味があったら聞きにきてみてください。で、それでさらに興味を持ったら話しかけてくれれば、本人についてもわかっていただけるかと。でも基本はひとみしりです。

思い出ぶかい場所、またはいってみたい場所
ロブ=グリエが『エデンその後』で撮った町(ほとんど乳白色と青だけで町が構成されている、気がする)と、アントニオ・ガウディの建築物であふれているというバルセロナの街には行ってみたいと思います。
そして、どこよりなにより、思い出ふかいのが、広島市民球場。あと1年半で使われなくなってしまいますが、平和記念公園と原爆ドームのすぐ隣、路面電車が走る道路に面した球場から響く歓声は、ほかのどこの球場より、近づくときからわくわくさせてくれます。
インド料理の「サムラート」は辛口が苦手なひとにもやさしいですよ。お酒は飲まず甘党なので、飲み屋は紹介できませんが、どら焼にバターを挟んで食べる(
15秒ほどレンジにかけるとなおよし)とめっちゃおいしいです。ビバ、油と砂糖!

学生にお知らせ
「早稲田文学編集室」のサイト(www.bungaku.net/wasebun)を覗いてもらうと、イベント案内やらちょっとしたテキストやら、ときどき更新されているかもしれません。
www.bungaku.net/wasebun です。

そのほか、なんでもご自由にお書きください
いまさら卓袱台ひっくりかえすみたいですが、総体としての 「大学」 だとか 「専修」 だとか、あるいはその枠内で与えられる 「友人」 だとか 「教師」 だとか 「授業」 だとか、そういうものに積極的に意味を見いだしたり大きな期待をすることは、個人的経験からはあんまりオススメしません。与えられた授業は疑い (割り引いて聞き)、「教員紹介」 なんかは (このページを筆頭に) どこか馬鹿にしながら読み流し、他大学や専門学校もふくめてあちこちのおもしろそうな授業にモグり……よく言われる 「早稲田は中退のほうが大成する」 というのも、そういう主体的選択の結果、外によりおもしろそうなものがある、と気づいたヤツのほうが伸びる、ということでしょう。とはいえ、そこまでラディカルになりきれなくて留年程度で卒業してしまったぼくなんかは、当時の文芸専修の 「なにも拘束も提供もしない」 雰囲気が、ふりかえれば自分のある部分を育ててくれたと感じたりもするし、あのころにくらべればいまの文芸は授業の選択の幅も広くていいなぁ (当時は専門科目は3年間で4コマしかありませんでした)、とも思うのですが。

早稲田文学のフリーペーパー、「WB」を設置・配布してくれる場所を、つねに求めています。文芸専修の学生さんでも、それ以外でたまたまこのページを覗いたひとでも、自分がバイトしてるお店や施設なり、実家が商売をやっているなり、郵送で年4回お送りするA4サイズの小冊子(1回20)を置いてくださるスペースの思い当たるかた、ぜひぜひ気軽に、wbpost@bungaku.net までお手紙ください。よろしくお願いします。



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