研究例会

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第39回(2017年5月)研究例会開催のお知らせ


 日時・会場・内容

第39回(2017年度第1回)研究例会が下記の要領で開催されます。多数のご参加をお待ちしております(以下敬称略)。

テーマ:戦後日本社会学知の変容を考える
日 時:2016年5月20日(土) 14:30-17:30 
会 場:早稲田大学文学部(戸山キャンパス)39号館5階第5会議室
司会者:大黒屋貴稔(聖カタリナ大学)・関水徹平(立正大学)

<趣旨説明>
 本年度、研究活動委員会では、7月に開催される大会において「『人文・社会科学の危機』を考える」と題するシンポジウムを実施するが、5月の研究例会は、シンポジウムにつながる議論をおこなう場として設定される。戦後日本の社会学のあり方(の変化)を共通の主題として、片上平二郎氏(立教大学兼任講師)、齋藤圭介氏(岡山大学)、研究活動委員の関水徹平(立正大学)の3名が報告する。「人文学」と「社会科学」の両面をもつ社会学の位置づけとその変化について、理論的・実証的な検討がおこなわれる予定である。会員各位の積極的な議論への参加を期待する。 (文責:聖カタリナ大学 大黒屋貴稔・立正大学 関水徹平)  

齋藤圭介(岡山大学)
「戦後日本の社会学者の専攻分野の重複と差異――多次元尺度構成法を用いた時系列変化に着目をして」

<報告要旨> 
 同じ専攻分野の社会学者であったとしてもその問題関心が異なることは、日常的に目にする機会がある。たとえば、家族社会学者であっても、同時に社会変動論や人口問題に関心をもつ者もいるだろうし、あるいは教育や社会福祉により関心をもつ者もいるだろう。そして、そうした問題関心の〈近さ〉や〈遠さ〉は、社会背景や研究関心の流行などによっても異なることが予想できる。日本社会学会が会員に公刊している学会名簿には、この問題関心の〈近さ〉や〈遠さ〉を考察するのに最適な情報が記載されている――学会に入会を希望する会員は、32の専攻分野から3つまでを選び申請することになっている。 本報告は、1970年前半から2010年代半ばまでの、社会学者の問題関心の重複と差異を、名簿上の専攻分野情報をもとに多次元尺度構成法(MDS)を用いて視覚化したうえで、時系列の変化に着目をして考察していく。        


関水徹平(立正大学)
「社会学知における当事者経験の位置」

<報告要旨> 
 戦後日本の社会学は、当事者経験をどのように位置づけてきただろうか。そもそもマックス・ウェーバーは、社会学に行為の(客観的)因果解明と行為者の(主観的)意味理解という二つの柱があるという見解を示していた。社会学的調査・研究の多くは、ウェーバーのいう二つの柱を軸に展開されてきたといってよいだろう。後者、行為者の意味理解について、アルフレッド・シュッツは現象学的知見から、社会学知にとっての当事者経験の根源的位置を明らかにしている。近年では、ナラティヴに着目し、当事者経験の解明に主眼をおく調査・研究方法をとる社会学者も多い。 本報告は、社会学における当事者経験の位置づけを整理しつつ、それを@社会学知に内在的な変化(調査・研究手法の展開)、A社会学知と社会との関係の変容(調査・研究の社会的・倫理的責任への関心の高まり、研究成果の社会的還元への要請の増大など)という2つの視角から検討し、社会学知における当事者経験の位置づけの変化を考察する。               


片上平二郎(立教大学)
「『実証的なもの』と『教養的なもの』との間で――批評的な社会理論のゆくえ」

<報告要旨> 
 アドルノは1966年の講演で、自身が執筆した事典の「社会」項目が“知識人的”であると批判されたことを述べている。過去の思想的伝統を多分にふまえた彼の文章は、「実証主義」的な社会学の見地からは、過度に「教養主義」的・ネものであると受け取られたのだ。しかし、他方でアドルノは、単純に「実証主義」を批判しているわけではなく、ドイツの人文科学におけるロマン主義的風土に対する相対化の視座をもたらすものとして「実証主義」の有効性を指摘してもいる。今回の報告では、まず、この「教養主義」と「実証主義」の間で、アドルノのcritical theoryが持つ「批評的=critical」な性格について考えてみたい。アドルノの学的態度は、社会学と哲学と文化批評を独特なかたちで織り交ぜたかたちで展開されるものである。 そして、このようにアドルノの学的態度から抽出された「批評的な社会理論」という要素を軸にして、1970年代以降の日本社会学に見られるようになった「現代思想」や「文芸批評」、「ポストモダニズム」と接続する動きが持っていた意味と、現在の在り様について考察してみたい。               

 案内

非会員の方の参加も歓迎いたします。 関心をおもちの方がおられましたら、本件についてご紹介くだされば幸いです。

学生会員の方へ
早稲田社会学会の研究例会は、年次大会同様に、一般会員をはじめ院生、学生のどなたでも参加できる会です。多数の参加をお待ちしております。


過去の研究例会の内容 (1995年度以降)

     
第8回研究例会 1995年6月3日(土)
報告者 Hwa Yol Jung professor of political science
Moravian College, USA
The Globalization of Truth
第9回研究例会 1996年4月20日(土)
報告者 Lester Embree Florida Atlantic University A Problem in Alfred Schutz's Methodology of the Cultural Science
第10回研究例会 1997年9月20日
報告者 David Rehorick 宮崎国際大学 Tacit Misunderstandings: Educational Discourse as Risky Business
第11回研究例会 1997年12月5日(金)
報告者 道場親信 早稲田大学 S.ホールの「ニュー・エスニシティ」論
報告者 渋谷望 早稲田大学助手 『68年』からラディカル民主主義へ ―― カルチュラル・スタディーズの経験から
報告者 酒井隆・j 早稲田大学 危機とアイデンティティ ―― ポスト・コンセンサス時代の人種・階級・国家
第12回研究例会 1998年5月9日(土)
報告者 平井玄 早稲田大学 都市・文化・アイデンティティ ―― 寄せ場労働者/ホームレスの運動から
報告者 麦倉哲 東京女学館短期大学
第13回研究例会 1998年12月11日(金)
報告者 鈴木伸枝 ハワイ大学 日比結婚に見る『男性』の表象
  ―― 男性たちのライフヒストリー的「語り」を手がかりにして
報告者 千田有紀 東京大学大学院 日本における『家父長制』概念の系譜
第14回研究例会 1999年5月29日(土) セクシュアリティとアイデンティティの政治
報告者 河口和也 埼玉大学 同性愛嫌悪(ホモフォビア)―― 構造、言説、経験の視点から
報告者 風間 孝 アカー・メンバー 定義のポリティクス ―― 同性愛「と」異性愛
第15回研究例会 1999年12月4日(土)
報告者 佐藤慶幸 早稲田大学 スウェーデン福祉国家とNPOセクター
第16回研究例会 2000年4月15日(土)
報告者 草柳千早 大妻女子大学 アイデンティティと社会
報告者 干川剛史 大妻女子大学 インターネットとアイデンティティ ―― デジタル・ネットワーキング論からの考察
第17回研究例会 2000年12月16日(土)
報告者 小林宏一 東京大学 日本における情報化政策の展開とその問題点
第18回研究例会 2001年4月21日(土)
報告者 堀内信美 グローバルエリア
ネットワーク株式会社
ネットを活用したエリアコミュニティ
報告者 天野徹 江戸川大学 IT革命によ・チて拓かれた地域社会再編の可能性とその意義について
第19回研究例会 2002年5月18日(土)
報告者 高橋順一 早稲田大学 『啓蒙の弁証法』の再評価
第20回研究例会 2002年12月21日(土) (対談形式)
報告者 太田省一 東京女子大学 (笑)のコミュニケーションとドキュメンタリーバラエティ番組
報告者 長谷正人 早稲田大学
第21回研究例会 2003年4月26日(土)
報告者 入江公康 早稲田大学 “社会的な”知 ―― 戦前日本における統治の系譜
報告者 澤口恵一 大正大学 社会学におけるコンテクスチャリティの復権 ―― A.Abbottの反省と構想によせて
第22回研究例会 2003年7月19日(土) グローバル時代の政治と社会 ――ウィーン大学とのワークショップを通して見えてきたもの
報告者 笹野悦子・小村由香・竹前禅 2003年6月2〜6日に開催されたウィーン-ワセダ・ジョイントセミナーに参加した、早稲田大学大学院生を中心とするメンバー グローバル化の概念と異文化理解
報告者 麦倉泰子・吉村俊美 同化と統合
報告者 多田光宏・木村正人 ポピュリズム
報告者 岡本智周 ナショナルアイデンティティ
第23回研究例会 2004年5月15日(土) 社会の<液状化>を問う
報告者 大谷 崇 高崎経済大学 社会の窮状化に抗して ――ブルデューのネオリベラリズム批判が問いかけるもの
報告者 七邊信重 早稲田大学 1980年代以降の日本社会の変容 ――『おたくの変容』を導きの糸に
第24回研究例会 2004年12月11日(土)
報告者 坂田正顕 早稲田大学 イギリス現代巡礼の光と影
第25回研究例会 2005年5月12日(木) 「モダニティの社会学理論」講演会
報告者 Randall Collins ペンシルベニア大学 超官僚制化としてのポストモダン
報告者 Scott Lash ロンドン大学 reflexive modernization理論からintensive modernity理論へ
第26回研究例会 2005年5月21日(土)
報告者 下村恭広 玉川大学 国家空間の重層的再編と地域社会
報告者 熊本博之 早稲田大学 地域の混沌と社会運動 ―― 普天間基地移設問題を事例に
第27回研究例会 2006年5月27日(土)
報告者 石渡雄介 東京都立大学 プリズムとしての文化 ―― 都市・サブカルチャー・ラディカルエスノグラフィー
報告者 清水知子 筑波大学 現代英国における多文化主義の陥穽と文化の論理
第28回研究例会 2007年6月30日(土)
報告者 河原紀子 共立女子大学 乳幼児の食行動における自律プロセス ――養育者との対立と調整を中心に
報告者 中川敦 早稲田大学大学院 『遠距離介護』の自然史に関する一考察
第29回研究例会 2008年5月24日(土)
報告者 麦倉哲 社会学者 格差社会とホームレス――ホームレス問題の広がりにみる社会的排除と社会的包摂
報告者 湯浅誠 NPO法人自立生活サポートセンター・もやい/反貧困ネットワーク事務局・キ 反貧困の現場から
第30回研究例会 2009年5月23日(土)
報告者 西尾昌樹 早稲田大学キャリアセンター 大学生の就職状況
報告者 岡口瞳美・久我龍太郎 早稲田大学文学部生 一文生の進路と就職活動
報告者 原科達也 早稲田大学大学院  大学生活の過ごし方と就職活動
報告者 関水徹平 早稲田大学 家族と進路
第31回研究例会 2010年1月30日(土)
報告者 蔡明璋(TSAI Ming-Chang) 台北大学社会学系教授・社会科学学院院長、前台湾社会学会会長 Transnational Activities in East Asia: Exploring Individual Globalization
第32回研究例会 2010年5月29日(土) 石炭産業の終焉過程と集合的記憶
報告者  澤口恵一 大正大学  常磐炭砿の閉山過程と離職者のライフコース
報告者 周藤真也 早稲田大学 日本の旧産炭地の現況――歴史と記憶の社会学の視点から
第33回研究例会 2011年5月28日(土) 沖縄からみた日本、日本からみた沖縄
報告者 上地聡子 早稲田大学 日本『復帰』主張とその周り―戦後初期から施政権返還まで
報告者 須藤直子 早稲田大学 『沖縄移住』とは何だったのか?―本土から沖縄への歴史的な人の移動という視点から―
第34回研究例会 2012年5月19日(土) 「災害」の当事者性と支援を問う
報告者 川副早央里 早稲田大学 東日本大震災の支援に関する一考察―いわき市の事例を中心として
報告者 渋谷望 日本女子大学 すべり台社会とショック・ドクトリン――貧困を考える
第35回研究例会 2013年5月18日(土) 「排除される・瘤メたちとその支援」
報告者 牧野智和 日本学術振興会 高校中退者の意識と中退後の状況について――東京都高校中退者調査を素材にして
報告者 宮古紀宏 早稲田大学大学 カリフォルニア州における学校を起点とした多機関連携の現状――リスクを抱えた子どもへのオルタナティブ教育の功罪
第36回研究例会 2014年5月17日(土) 「当事者主義の現在――ネオリベラリズムに直面する当事者と支援者」
報告者 熱田敬子 茨城県立医療大学ほか非常勤講師 当事者研究制度化の方向をめぐる批判的検討――「自分自身でともに」とアカデミズムの間
報告者 麦倉泰子 関東学院大学 ケアと依存をめぐる対立――イギリスにおける障害者運動とダイレクト・ペイメント導入の影響に関する考察
第37回研究例会 2015年5月23日(土) 「ナショナリズム」をいかに捉えるか?
報告者 ゙ 慶鎬 立教大学 反レイシズム運動と在日コリアン
報告者 濱田国佑 駒澤大学 アイヌ政策に対する意識およびその規定要因の地域間比較
報告者 八尾祥平 早稲田大学 「琉球独立」と「台湾独立」のはざまを読む――琉球共和社会憲法を中心に
第38回研究例会 2016年5月21日(土) 社会学におけるソーシャル・キャピタル/ソーシャル・ネットワーク概念の再検討
報告者 原田 謙 実践女子大学 都市社会学とソーシャル・キャピタル研究の交差――地域の文脈効果を再考する
報告者 加藤篤志 茨城大学 「ネットワーク」の意味を問い直す――「若者の友人関係」を手がかりに

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