秋季企画展
早稲田の青春──東京専門学校第二回得業生 廣井一の軌跡

中越地方の山間の村である古志郡小栗山。1865年、廣井一はこの地に生を享けました。彼は、戊辰戦争の戦火によって荒廃した長岡で多感な中学生生活を送り、教育の振興によって郷里の復興を成し遂げようとする気運のなかで学問と政治にふれました。1882年に彼は「南豊島郡下戸塚村と云て東京を離る三里、実に山間の一村、我が故郷は殆んど同じ」と言って創立直後の東京専門学校に入学しました。廣井は早稲田で青春をすごし、熱心にその学問を学び、また新しい政治運動を経験しました。一方、故郷の家族や友人との書簡の往復を絶やしませんでした。現在、遺族のもとには、彼の手による講義ノートや書簡が多く残されています。
1885年、廣井は東京専門学校を得業(卒業)し帰郷、大隈重信の理念に共鳴して政治の改革をはかりつつ、長岡の発展に心をつくしました。しかし廣井は長岡の地にあっても、「心のふるさと」である早稲田を忘れず、1934年に死去するまで家族・友人ともども早稲田をささえ続けました。
彼は歴史の表舞台において大きく名を残した人物ではありません。しかし逆に、そのような人物であるからこそ、私たちの多くは共感を覚えることができるのではないでしょうか。故郷から出て、また故郷にもどり、青春の日に早稲田で学んだことを社会の中でいかしつつ、早稲田をささえ続けた廣井の軌跡から、多くのことを学んでいきたいと思います。

期間:2006年10月22日(日)-11月18日(土)
会場:早稲田大学 西早稲田キャンパス 2号館 1階 企画展示室
時間:月曜から土曜、10時-17時
主催:大学史資料センター
問い合わせ先:03(5286)1814




