大隈重信関係文書

大学史資料センターは、事業の一部として、大隈重信宛書翰6,000通あまりを翻刻・編纂しています。
毎年、創立記念日(10月21日)に1巻づつの刊行を予定しています。
『大隈重信関係文書』の編集にあたって
大隈重信(1838-1922)は、日本の近代国家形成に深く関わるとともに、早稲田大学の創設をはじめ社会への影響力を終生持ちつづけた政治家であった。幕末・維新期から第一次世界大戦後に及ぶ大隈の八四年の生涯は、同時期の政治家の中でも広範かつ多様な人脈によって彩られている。本書は、そうした人々が大隈へ宛てた書翰を編纂・刊行するものである。
本書が収録するのは、(一)早稲田大学図書館、(二)早稲田大学大学史資料センター、(三)佐賀市大隈記念館の各機関が所蔵する、総計約七〇〇〇通の大隈重信宛書翰のうち、挨拶状や礼状などを除いた六〇〇〇通余である。収録にあたっては、あくまでも原文書を尊重し正確な翻刻につとめ、一通ごとに年代確定を試みた。本書は、全十巻別巻一を予定しており、今後、一年一巻の割合で刊行を進めていく計画である。
近年、近代日本の主要な政治家や大学創立者の関係史料が精力的に翻刻出版されているが、本書はそれらを凌駕する意義と価値があると確信している。大隈へ宛てた書翰の一点一点を通じて、近代日本の歴史はその細部から精彩を放ちつつ、蘇ってくるに違いない。また、従来顧みられることのなかった人々も、存在感ある歴史上の人物として注目されるだろう。本書の刊行が、ひとり大隈重信研究にとどまらず、近代日本研究の多様な分野に寄与し、近代日本像の再構築に貢献していくことを切望して止まない。
二〇〇四年十月
早稲田大学大学史資料センター





